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メールマガジン

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   ★ 多元研 メールマガジン ★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2025年3月号 No.236 ━━━

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 毎回HOTな情報をお届けいたします。

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 ~ 目次 ~

1) 行事予定 — [4/1 開催] 第2回精密無機材料化学研究セミナー

2) 受賞報告 — 「理研栄峰賞」を受賞

3) 受賞報告 — 「日本表面真空学会 学会賞」を受賞

4) 受賞報告 — NDEC-10「最優秀フロンティアスピリット賞」を受賞

5) 受賞報告 — NDEC-10「研究奨励賞(燃料デブリ等分析・評価技術部門)」を受賞

6) 受賞報告 — 第27回化学工学会学生会「優秀賞」を受賞

7) 受賞報告 — NDEC-10「研究奨励賞(ポスター部門)」を受賞

8) 受賞報告 — 第189回春季講演大会学生ポスターセッション「奨励賞」を受賞

9) 受賞報告 — GteX蓄電池領域「PLATINUM POSTER PRIZE」を受賞

10) 受賞報告 — 第28回「応用物理研究奨励賞」を受賞

11) 受賞報告 — 「2024年度総長業務功績賞(技術部門)」を受賞

12) 研究成果 — 物理法則・計測原理を組み込んだ深層学習による画期的な
      動的コヒーレントX線回折イメージング解析法の開発に成功

13) 研究成果 — 有機材料中の水素と重水素の分布を単一分子スケールで識別することに成功
      ~新たな電子線分光技術により、分子や結合位置の特定に効力~

14) 研究成果 — 次世代太陽電池用SnS薄膜の最適組成を解明
      ~蒸発しやすいSを補う精密な成膜技術で実証~

15) 研究成果 — 金属クラスターの発光特性をより重い原子の内包で向上させることに成功
      ~次世代の光機能材料の開発に貢献~

16) 研究成果 — 完全大気圧下での軟X 線光電子分光測定に成功
      ~基礎化学の解明から触媒や燃料電池の開発へ~

17) お知らせ — 2024年度(令和6年度)最終講義を開催しました

18) お知らせ — インタビューがウェブサイトに掲載

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   1) 行事予定
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
     第2回精密無機材料化学研究セミナー
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 2025年4月1日、Prof. Hannu Hakkinenをお招きして精密無機材料化学研究セ
ミナーを開催します。是非ご参加ください。

演題:Protected metal nanoclusters: structure, dynamics, chemistry
講師:Hannu Hakkinen (Departments of Physics and Chemistry /
   Nanoscience Center / University of Jyvaskyla)
日時:2025年4月1日(火) 10:00-11:30
場所:多元物質科学研究所 材料物性棟1号館(南総合研究棟Ⅱ) 4階 セミナー室
https://www.tohoku.ac.jp/map/ja/?f=KH_E03

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_event/20250324-atomically/

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   2) 受賞報告
  ◇◆━━━━━━━━━◇◆◇
    「理研栄峰賞」を受賞
  ◇◆◇━━━━━━━━━◇◆

 米倉功治教授が「2024年度 理研栄峰賞」を授賞しました。
 「理研栄峰賞」は、理化学研究所において優れた研究開発業績を挙げた研究
者に贈られるものです。

授賞業績「国産クライオ電顕の開発と電荷・水素原子・化学結合の可視化」

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_award/20250317-yonekura/

◆米倉研究室
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/yonekura/

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   3) 受賞報告
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    「日本表面真空学会 学会賞」を受賞
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 米田忠弘教授が「2025年 日本表面真空学会 学会賞」を授賞することが決ま
り、2025年2月20日に日本真空学会ウェブサイトにて発表されました。 「日本
表面真空学会 学会賞」 は、表面・真空科学の進歩発展に特に顕著な貢献があ
った個人会員を対象として、厳正な選考により贈られるものです。

受賞業績:
「走査型トンネル顕微鏡を用いた単一分子分光法の開発と分子ダイナミクス
およびスピン物性の研究」

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_award/20250317-komeda/

◆米田研究室(走査プローブ計測技術研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/komeda/

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   4) 受賞報告
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    NDEC-10「最優秀フロンティアスピリット賞」を受賞
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 桐島研究室の遠藤瞭さんが、第10回次世代イニシアティブ廃炉技術カンファ
レンス(NDEC)において「最優秀フロンティアスピリット賞」を受賞しました。

受賞題目:
「燃料デブリの化学性状分析のためのマルチスケール分光分析の構築」

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_award/20250324_kirishima-lab-1/

◆桐島研究室(エネルギー資源プロセス研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/kirishima/

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   5) 受賞報告
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    NDEC-10「研究奨励賞(燃料デブリ等分析・評価技術部門)」を受賞
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 桐島研究室の遠藤瞭さんが、第10回次世代イニシアティブ廃炉技術カンファ
レンス(NDEC)において「研究奨励賞(燃料デブリ等分析・評価技術部門)」
を受賞しました。

受賞題目:
「燃料デブリの化学性状分析のためのマルチスケール分光分析の構築」

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/?post_type=news_award&p=13208

◆桐島研究室(エネルギー資源プロセス研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/kirishima/

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   6) 受賞報告
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    第27回化学工学会学生会「優秀賞」を受賞
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 笠井研究室の石川 朋佳さんが、第27回化学工学会学生会において
「優秀賞」を受賞しました。

受賞題目:「抗菌活性を有する有機半導体ポリマーナノ粒子の創製」

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_award/20250324_kasai-lab/

◆笠井研究室(有機・バイオナノ材料研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/kasai/

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   7) 受賞報告
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    NDEC-10「研究奨励賞(ポスター部門)」を受賞
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 桐島研究室の海老澤青輝さんが、第10回次世代イニシアティブ廃炉技術カン
ファレンス(NDEC)において「研究奨励賞(ポスター部門)」を受賞しました。

受賞題目:
「MOX成分を含む放射性廃棄物の安定固化を目指した中性子吸収剤添加ブラネ
ライトの合成と評価」

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_award/20250324_kirishima-lab-3/

◆桐島研究室(エネルギー資源プロセス研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/kirishima/

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   8) 受賞報告
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    第189回春季講演大会学生ポスターセッション「奨励賞」を受賞
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 埜上研究室の髙橋亮さんが、第189回春季講演大会学生ポスターセッション
において「奨励賞」を受賞しました。

受賞題目:「水素還元製鉄シャフト炉内の熱流動および還元進行挙動の解析」

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_award/20250325-nogami-lab/

◆埜上研究室(環境適合素材プロセス研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/nogami/

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   9) 受賞報告
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    GteX蓄電池領域「PLATINUM POSTER PRIZE」を受賞
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 雨澤研究室の和田紳助さんが、JST革新的GX技術創出事業(GteX)蓄電池領域
酸化物チーム 第三回会議において「PLATINUM POSTER PRIZE」を受賞しました。

受賞題目:
「アコースティックエミッション法を用いた全固体リチウムイオン電池合金系
負極における劣化機構の分析」

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_award/20250325_amezawa-lab/

◆雨澤研究室(固体イオニクス・デバイス研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/amezawa/html/index-j.html

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   10) 受賞報告
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    第28回「応用物理研究奨励賞」を受賞
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 髙橋正彦研究室の金谷諭さんが、令和6年度(第28回)「応用物理研究奨励賞」
を受賞しました。

受賞題目:
“Theoretical atomic momentum spectroscopy of diatomic, triatomic and
polyatomic molecules” Phys. Chem. Chem. Phys. 27, 2453-2461 (2025)

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_award/20250328_takahashi-masahiko-lab/

◆髙橋(正)研究室(量子電子科学研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/takahashi-m/

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   11) 受賞報告
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    「2024年度総長業務功績賞(技術部門)」を受賞
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 雁部祥行 技術専門職員が、「2024年度総長業務功績賞(技術部門)」を
受賞しました。
 東北大学総長業務功績賞は、職員の職務遂行意識の高揚並びに本学の業務改
善及び効率化の推進を図ることを目的とした表彰です。技術部門は本学の研究
を技術面から支援する職務において、研究成果の創出に係る顕著な貢献その他
の業務上特に顕著な功績があった者に贈られます。

受賞題目:
「リチウムイオン二次電池の3Dプリント製造技術開発支援」

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_award/20250331-ganbe/

◆本間研究室(エネルギーデバイス化学研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/honma/

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   12) 研究成果
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    物理法則・計測原理を組み込んだ深層学習による画期的な
    動的コヒーレントX線回折イメージング解析法の開発に成功
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター高橋幸生教授、
石黒志准教授らの研究グループは、物理法則と計測原理を組み込んだ深層学習
技術の開発により動的コヒーレントX線回折イメージング(動的CXDI)の回折
データから、高精度に試料のナノ構造を再構成するための新たな位相回復手法
を確立し、動的構造変化の可視化に成功した。
 この技術の進展により、可視光が透過しない物質の内部構造解析や、高分子
・生体細胞中の微粒子運動の可視化など、材料科学・バイオ研究・ナノテクノ
ロジー分野における革新的な応用が期待される。特に、次世代エネルギー材料
のリアルタイム変化の観察や、医療・製薬分野での生体組織のナノスケール動
態解析など、幅広い分野での実用化が見込まれる。

論文情報:
“PID3Net: A Deep Learning Approach for Single-Shot Coherent X-ray
Diffraction Imaging of Dynamic Phenomena”
Nozomu Ishiguro, Yukio Takahashi et al.
npj Computational Materials (Springer Nature社)
DOI:10.1038/s41524-025-01549-x
https://doi.org/10.1038/s41524-025-01549-x

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20250314/

◆髙橋(幸)研究室(放射光可視化情報計測研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/takahashi-y/html/

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   13) 研究成果
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    有機材料中の水素と重水素の分布を単一分子スケールで識別することに成功
    ~新たな電子線分光技術により、分子や結合位置の特定に効力~
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 プラスチックや有機半導体など高機能有機材料の特性を精緻に制御するには、
材料内部の微細構造を分子レベルで解明することが不可欠です。しかし、これ
まで有機材料中の化学結合や分子の位置を分子レベルで特定できる技術があり
ませんでした。
 東北大学多元物質科学研究所の陣内浩司教授と宮田智衆講師らの研究グルー
プは、電子線による分子振動マッピング法を独自に開発し、炭素に対する水素
と重水素の化学結合の違いを見分けることで、有機材料中に存在する重水素標
識分子の空間分布を3 nmの分解能でイメージングすることに成功しました。本
技術により、有機材料の精密な構造解析が可能となり、高性能かつ高機能な材
料の開発が加速すると期待できます。

論文情報:
“Nanoscale C-H/C-D mapping of organic materials using electron spectroscopy”
千賀亮典、萩田克美、宮田智衆、王孝方、眞弓皓一、陣内浩司*、末永和知
Nature Nanotechnology
DOI:10.1038/s41565-025-01893-5
https://doi.org/10.1038/s41565-025-01893-5

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20250324-nanoscale/

◆陣内研究室(高分子物理化学研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/jinnai/

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   14) 研究成果
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    次世代太陽電池用SnS薄膜の最適組成を解明
    ~蒸発しやすいSを補う精密な成膜技術で実証~
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 硫化スズ(SnS)は、地球上に豊富に存在し、毒性もないスズと硫黄から構成
される半導体として、次世代の薄膜太陽電池や熱電変換素子への応用が期待さ
れています。しかしSnSを薄膜化する際には、スズと硫黄の比率(組成)が化学
式の1:1からわずかにずれることがあります。一般的に、組成のずれは小さい方
が望ましいと言われていますが、組成ずれが薄膜にどのような影響を及ぼすか
は十分に解明されていませんでした。
 東北大学多元物質科学研究所の鈴木一誓講師らの研究グループは、SnS薄膜
の組成を精密に制御する手法を開発し、組成ずれが電気的特性や膜質に大きな
影響を与えることを実験的に明らかにしました。また、化学量論組成1:1とな
る薄膜を実現することが、太陽電池に適した優れた電気的特性と緻密な膜質を
実現する鍵であることを発見しました。本成果は次世代のエネルギー変換デバ
イスにおけるSnSの実用化に向けた重要な知見となります。

論文情報:
“Non-stoichiometry in SnS: How it affects thin-film morphology and
electrical properties”
Taichi Nogami, Issei Suzuki*, Daiki Motai, Hiroshi Tanimura,
Tetsu Ichitsubo, Takahisa Omata
APL Materials
DOI:10.1063/5.0248310
https://doi.org/10.1063/5.0248310

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20250325-sns/

◆小俣研究室(原子空間制御プロセス研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/omata/

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   15) 研究成果
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    金属クラスターの発光特性をより重い原子の内包で向上させることに成功
    ~次世代の光機能材料の開発に貢献~
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 数個から数百個の金属原子が集合した金属クラスターは特異な電子・光学特
性を持つことから、発光材料や触媒、バイオイメージング用途などへの応用が
期待されています。本研究では、銀(Ag)クラスターのリン光特性を向上させ
るために、重原子効果を利用した新規Ag54クラスターの合成に成功しました。
 東北大学多元物質科学研究所の根岸雄一教授らの研究グループは、中心に異
なるアニオン(硫化またはヨウ素 I)を内包するX@Ag54クラスター(X = S, I)
を精密に合成し、構造解析および発光特性の評価を行いました。その結果、重
原子であるヨウ素を内包したI@Ag54クラスターでは、スピン軌道相互作用が強
化され、項間交差が促進されることで、リン光の量子収率が16倍向上すること
を明らかにしました。
本研究は、金属クラスターの発光特性を制御する新たな手法を提案し、次世代
の発光材料や増感剤の開発に貢献するものです。

論文情報:
“Enhancement of Photoluminescence Quantum Yield of Silver Clusters
by Heavy Atom Effect”
根岸雄一 et al.
Small
DOI:10.1002/smll.202500700
https://doi.org/10.1002/smll.202500700

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20250326_cluster/

◆根岸研究室(精密無機材料化学研究分野)
https://www.rs.kagu.tus.ac.jp/negishi/

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   16) 研究成果
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    完全大気圧下での軟X 線光電子分光測定に成功
    ~基礎化学の解明から触媒や燃料電池の開発へ~
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センターの山本達准教授
らの研究グループは、世界で初めて軟X 線を用いた大気圧下光電子分光測定に
NanoTerasuにて成功しました。
 本来、軟X 線と電子は真空中でしか存在できないため、大気圧下での光電子
分光測定は不可能でした。しかし、現実に起きている反応や現象の多くは空気
中など大気圧下であるため、実際の現象解明には大気圧下での測定が求められ
ていました。そこで本研究では真空パイプから構成された軟X 線導入路を用意
してガス雰囲気下で軟X 線が減衰し切る前に試料に照射できるようにしました。
さらに電子分析器を大気圧測定まで耐えられるように改造し、また試料との距
離を60μm 以下に近づけることで、十分な電子の信号を検出可能にしました。
その結果、1 気圧の水素ガス下での軟X 線光電子分光測定を実現しました。本
装置は大気圧下での固/気界面の化学状態を直接分析することができるため、
触媒などの開発に大きく役立つことが期待されます。

論文情報:
“Soft X-ray photoelectron spectroscopy under real ambient pressure conditions”
Tetsuya Wada, Masafumi Horio, Yifu Liu, Yu Murano, Haruto Sakurai,
Toshihide Sumi, Masashige Miyamoto, Susumu Yamamoto, and Iwao Matsuda*
Applied Physics Express
DOI:10.35848/1882-0786/adbda8
https://doi.org/10.35848/1882-0786/adbda8

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20250327_sris-xray/

◆高田研究室(放射光ナノ構造可視化研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/takata/html/

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   17) お知らせ
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    2024年度(令和6年度)最終講義を開催しました
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 2025年3月3日、東北大学片平キャンパスのさくらホールにおいて、今年の3月
をもって退任される、国際放射光イノベーション・スマート研究センターの高田
昌樹教授(多元物質科学研究所兼務)の最終講義を、オンライン配信とのハイ
ブリッド形式で開催しました。

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_info/20250303_last-lecture/

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   18) お知らせ
  ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
    インタビューがウェブサイトに掲載
  ◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 2024年度(初年度)のライジングフェローに採択された 大野真之准教授の
インタビュー記事が、豊田理化学研究所のウェブサイトに掲載されましたので、
是非ご覧ください。

RESEARCHERS STORIES Episode-01:ライジングフェロー|大野真之|世界を変
える蓄エネルギーデバイス創出の一助となりたい(豊田理化学研究所ウェブサイト)
https://www.toyotariken.jp/researcher-stories/saneyuki-ohno/

◆詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_info/20250331-rising-fellow/

◆本間研究室(エネルギーデバイス化学研究分野)
https://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/honma/

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 2025年3月25日(火)に「東北大学 学位記授与式」が執り行われ、学士2362名、
修士1686名、専門職115名、博士479名の計4642名に学位が授与されました。
 片平キャンパスでも袴姿で写真撮影を行う姿も見られ、新社会人となる皆
さまのこれからのご活躍をお祈りしております。

「学位記授与式」の様子:
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/graduation/2025/

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  _/   発行元:
  _/      東北大学多元物質科学研究所
  _/      広報情報室
  _/      tagen-news[at]tumail.tohoku.ac.jp
  _/      ([at]を@に置き換えてください)
  _/
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