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お知らせ
笠井研究室にてインターンシップを受け入れました

2024年8月19日~23日の1週間、有機・バイオナノ材料研究分野(笠井均研究室)にてインターンシップを体験中の福島工業高等専門学校 化学・バイオ工学科4年の鈴木南帆さんと井上翼さんにお話を伺いました。


鈴木南帆さん

井上翼さん

インターンシップ先を決めた理由は?

鈴木南帆さん: 昨年、笠井研究室でインターンシップを経験した先輩方の発表を聞いて、笠井研究室を知りました。笠井研究室では、抗がん性ナノ薬剤やナノ点眼薬など、私が以前から興味を持っていた医薬品に関する研究を行っていると知って、私も体験したいなと思いました。

井上翼さん: インターンシップ先をどこにしようかなと考えていた頃に、フラーレンとカーボンナノチューブの間に別の元素を入れる技術についての本を読んだんです。こんなに小さいレベルでも人間が制御できる余地があるんだな、とナノテクノロジーに興味を持ちました。高専の化学科の先生に紹介してもらって、笠井研究室をインターン先に選びました。

※ 4年生はインターンシップ実施後に学科ごとに報告会を行い、主に3年生が聴講するそうです。

 

今回はどんな活動をしていますか?

鈴木南帆さん: SN-38コレステロールのナノ粒子を作製して、その粒径の測定などを行いました。今日から、その溶液や溶媒に溶液界面活性剤やタンパク質を添加した場合に、ナノ粒子の粒径などがどのように変化するかを調べる予定です。

井上翼さん: 僕も作製したSN-38コレステロールのナノ粒子を調べるのですが、条件が異なっています。温度と濃度を下げるのと、濃度を下げるという2つの条件を変えることによって、昨日までのデータとどう変わってくるのかを調べる実験をします。

※ SN-38:抗ガン性を有する化合物

 

インターンシップに参加してよかったことは?

鈴木南帆さん: 大学の実験室で実際に実験してみて、初めて使う測定機器も使わせていただいたので、大学での研究のイメージがより具体的になり、大学進学への思いが強まりました。研究室の先輩方が、研究について話している姿や、作業している姿を見て、憧れの気持ちと、高専での専門科目の勉強を、もっと自分で考えて勉強しようという気持ちも強くなりました。

井上翼さん: 高専での学生実験で使ったことがある装置も2つくらいあったんですが、初めて使う装置も触らせてもらえました。今後、自分で研究していくとなった時に、実験の手段が増えてくるので、よい体験だったと思います。研究室の先輩たちが、「課題」のような形でやることを提示してくれるんですが、教科書にも載っていないくらい詳しくて深い内容で、調べてもなかなか情報が出てこなくて、英語の論文を読まないといけなかったのが、少し大変でした。今回の経験は今後に生きると感じています。

 

将来の目標を教えてください?

鈴木南帆さん: 将来は、医薬品や化粧品など有機化学の分野の研究職につきたいと考えています。中学生の頃から理科が好きで、その中でも特に化学の分野が好きでした。高専の3年生になって本格的に「有機化学」という科目を勉強しているうちに、炭素や水素など、関わっている元素は少なくても、裏を知ってみるとパズルみたいに組み合わさっていくのが面白くて好きになりました。有機化学の分野で人々の役に立てたらいいな、と考えています。

井上翼さん:  僕は、食べ物の栄養素に興味があるので、それを研究したい。高専に入ったころから、人の体に興味を持ち始めました。4年生から「生物」の勉強が詳しく始まったんですが、改めて、生物のシステムはかなり完成されているな、と面白さを感ました。そこから、栄養素とのつながりとかも考えるようになって、興味を持ち始めました。具体的には、栄養の吸収効率をどうやって上げるかという研究や、調理の過程で水に流れ出したり、加熱で壊れたりして失われてしまう栄養素をどうにか保護して、無害な形で人が吸収できる技術を開発できたらいいな、と考えています。

笠井先生からは「研究者としてやっていくためには、まだ誰もやっていないこと、未知のことに自らチャレンジする心意気を大切にしてほしい。」とメッセージがありました。

 

有機・バイオナノ材料研究分野(笠井均研究室)
笠井均研究室にてインターンシップを受け入れました(2023.10.02)
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取材日:2024年8月21日