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お知らせ
みやぎ県民大学開放講座にて大庭裕範准教授が講演しました

20170721_7054 7月14日、平成29年度多元物質科学研究所 みやぎ県民大学「ミクロの世界を測る、見る、操る」第2回講座を開講しました。大庭裕範准教授が「ミクロの世界の構造を見る」において「電子スピン共鳴で分子の構造を調べる」と題して講演し、21名の受講生が参加しました。
 電子スピン共鳴(EPR)は磁気共鳴と言われる分光学の一つです。身近な磁気共鳴の例としては画像診断MRIがあり、核スピンの磁気共鳴スペクトルを用いて、わたしたちの体の中を見ることができることが知られています。EPRは電子スピンの磁気共鳴であり、本学のグループではEPRを用いて分子の構造とその化学反応における変化や、MRIと同様の原理を用いて皮膚のイメージング装置を開発するなどの研究をすすめています。
 講演では、1)電子スピンの発見の歴史、2)物質の幾何学的構造と電子の配置の基礎、3)スピンとは何か、4)多くの物質では現れない電子のスピンという性質がラジカルや金属イオンにおいてなぜ現れるのかといった基礎的なことがらについて解説しました。次に,EPRをどのようにして測定しているのかについて、原理と装置のしくみや具体的な構造について解説しました.そして、EPRでどんなことが分かるのかについて、具体的な例を挙げて、図を示しながら解説しました。「磁気共鳴ではなくて電子スピンを用いるのはどうして?」「100ギガヘルツもの発信はどうやっているの?」など沢山の質問があがり、大庭准教授が一つひとつ丁寧に解説しました。
 講演後には、実験室に移動して、実際に本学で開発した9.5,17.5および35GHzのEPR装置を見学し、マイクロ波技術の説明などを交えながら解説しました。
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関連リンク:
ナノ・マイクロ計測化学研究分野
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第1回講座 「ミクロの世界で速度を測る」(2017/7/7)報告
第2回講座「ミクロの世界の構造を見る」(2017/7/14)報告
第4回講座「ミクロの世界の構造を調べる加工技術」(2017/7/28)報告