メールマガジン 2009年 7月号
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★ 多元研 メールマガジン ★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2009年7月号 No.49 ━━━
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~ 目次 ~
2)研究成果 — 電圧で磁化方向をエネルギー損失なく高速に制御
4)研究成果 — グランフェンをサファイア基板に作製-気相成長で量産へ
5) 受賞関係 — 第63回(平成20年度)日本セラミックス協会賞受賞
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1) お知らせ
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共同利用・共同研究拠点に認定
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東北大学多元物質科学研究所は下記の研究施設と共に、「共同利用・共同
研究拠点」に文部科学省より認定されました(平成21年6月25日)。
1.共同利用・共同研究拠点名:物質・デバイス領域共同研究拠点
–拠点を構成する研究施設–
北大 電子科学研究所
東北大 多元物質科学研究所
東工大 資源化学研究所
阪大 産業科学研究所(中核機関)
九大 先導物質化学研究所
2.認定有効期間:平成22年4月1日~平成28年3月31日
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2) 研究成果
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電圧で磁化方向をエネルギー損失なく高速に制御
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東北大学多元物質科学研究所の有馬孝尚教授、齋藤充氏(大学院生)らのグルー
プは、磁性絶縁体 (Cu,Ni)B2O4 に電場を作用させることによって、磁化方向が
最大でプラスマイナス30度変化することを発見した。さらに、電場印加に対す
る磁化方向の変化が1万分の1秒より短い時間で可能なことや、磁化方向変化
を1千万回繰り返した後でも全く減衰なく同じ大きさの効果を示し続けること
も確かめられた。このように繰り返し可能で高速な、電気による磁化方向制御
は世界で初めて。
この磁性絶縁体は事実上全く電気を流さないため、電流が流れることによる
発熱、すなわちエネルギー損失もほぼなく、一般的な磁化制御方法であるコイ
ルを用いた電磁石よりも電力消費は桁違いに小さくなる。これらの性質を持つ
ことから、次世代の不揮発性メモリの候補の一つである磁気ランダムアクセス
メモリ(MRAM)への応用が期待される。
この研究成果は、学術誌「Nature Materials」に公開された。
論文タイトル
“Periodic rotation of magnetization in a non-centrosymmetric soft
magnet induced by an electric field”
Published online: 28 June 2009, doi:10.1038
http://www.nature.com/nmat/journal/vaop/ncurrent/abs/nmat2492.html
◆詳しくはこちらをご覧ください。
東北大学プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/20090629_01.pdf
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3) 研究成果
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MRI でリチウム電池内部を撮影
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東北大学多元物質科学研究所の河村純一教授、岩井良樹氏(大学院生)らのグ
ループは、MRI(磁気共鳴断層撮影法)を使って、リチウム電池の中の様子を画像
として検出する事に世界で初めて成功した。
医療用MRI は水素の原子核(プロトン) を検出するが、河村教授らはプロトンだ
けでなく、感度が低く検出が困難なリチウムイオンにおいても、MRI 画像を
32μmの解像度で測定することに成功した。
この手法を用いて、リチウム電池の誤使用による発熱や発火の機構を解明した
り、電解液や電極物質の劣化を検出する事ができ、リチウム電池の安全性や劣化
防止技術の開発に役立つものと考えられる。
この研究成果は、7月10日に開催された(独) 新エネルギー・産業技術総合開発
機構・次世代蓄電システム実用化戦略的技術開発平成20年度成果報告会にて発表
され、7月11日の河北新報に掲載された。
◆詳しくはこちらをご覧ください。
東北大学プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/20090707_01.pdf
物理機能解析研究分野 河村研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/kawamura/index.html
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4) 研究成果
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グランフェンをサファイア基板に作製-気相成長で量産へ
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炭素材料グラフェンは、室温での電子移動度がシリコンより10倍以上速く、
次世代の高速デバイスへ応用が期待される新材料。しかし、シリコンや炭化
シリコンを基板とする従来の作製法は、量産に不向きだった。
東北大学多元物質科学研究所の京谷隆教授のグループは日立製作所と共同
で、グラフェンを電子デバイスに適した絶縁体であるサファイア基板上に作
製する技術を開発した。この製法は、量産に向く気相成長法であり、加熱し
た反応管に原料のアセチレンガスを供給して酸化アルミニウムの単結晶基板
であるサファイア基板にグラフェン薄膜を作製する。600-700℃の比較的低温
で1層-数層のグラフェン薄膜を作製できる。グラフェンを使った高速デバイ
スの実用化に道を開く製法になると期待される。
この成果は、6月22日に日刊工業新聞に掲載された。
◆詳しくはこちらをご覧ください。
日刊工業新聞掲載記事 「日立、グランフェンをサファイア基板に作製
-気相成長で量産へ」(2009年06月22日)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0620090622eaaa.html
無機系ナノ材料システム研究分野 京谷研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/kyotani/index.html
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5) 受賞関係
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第63回(平成20年度)日本セラミックス協会賞受賞
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多元物質科学研究所 活性反応場・合成研究部の山根久典教授が、第63回日本
セラミックス協会賞を受賞しました。この賞は、日本セラミックス協会会員の
うちセラミックスの産業および科学・技術の進歩発達に資し、学術研究および
技術上の業績顕著な方、並びに協会および業界に対する功績顕著な方に贈られ
ます。
◆受賞題目
「活性金属融液を利用した非酸化物セラミックスの作製」
◆日本セラミックス協会
http://www.ceramic.or.jp/
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6) 受賞関係
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本多記念会 原田研究奨励賞
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多元物質科学研究所 化学機能制御研究分野の藤枝俊助教が、本多記念会の原田
研究奨励賞を受賞しました。本多記念会が指定する東北地区の大学、研究機関及
び高等専門学校等に在職する若手研究者の中で、金属及びその周辺材料に関する
研究・教育を行い、優れた成果・教育的貢献が顕著な将来性豊かな方々に授与さ
れる記念賞です。
◆受賞題目
「遍歴電子メタ磁性転移を利用した高性能磁気冷凍材料の開発」
◆本多記念会
http://hondakinenkai.or.jp/
◆化学機能制御研究分野 鈴木研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/suzuki/index-j.html
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早くも7月後半、夏休みの時期に入りました。
小中学校のように長期休みとはゆかないものの、夏の風物詩が気になります。
仙台近辺では夏祭りが目白押し。8月開催の一部をご紹介します。
・7月31日(金)-8月2日(日) 石巻川開き祭り
・8月1日(土) 名取夏まつり大会
・8月1日(土)-2日(日) 気仙沼みなとまつり
・8月6日(木)-8日(金) 仙台七夕まつり
・8月15日(土) おおがわら夏まつり
・8月15日(土) わたりふるさと夏まつり
・8月17日(月) 松島灯籠流し花火大会
・山形県の夏祭り一覧
山形花笠まつりは、8月5日(水)-7日(金)
イベントには混雑がつきもの。暑いといつもに増してイライラしやすくなります
が、「人混みを楽しむ」くらいの心構えで参加しましょう。
また、普段と異なり、夏休み中は日中も子供が屋外を駆け回っています。
子供は視野が狭い上に交通ルールも破りがち。
お車でお出かけの際は、いつも以上に周囲に気を配りましょう。
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_/ 発行元:
_/ 東北大学多元物質科学研究所
_/ 広報情報室 022-217-5198
_/ network-tagen[at]grp.tohoku.ac.jp
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