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お知らせ
サテライトキャンパスにて村松淳司教授が公開講座を行いました

20170624_6929 6月24日(土)仙台市民活動サポートセンターにて開催された、学都仙台コンソーシアムサテライトキャンパス公開講座に、多元研所長の村松淳司教授が「ビールの泡から最先端ナノ材料の創造へ」と題して講演し、26名の参加者を集めました。
 村松教授は、私たちの身近にあるコロイドの例として温泉や牛乳を取り上げ、水酸化鉄や乳脂肪の粒子が水の中で安定して分散するしくみについて、顕微鏡写真や図を用いて詳しく解説しました。牛乳の成分である乳脂肪分は、そのままでは水と分離してしまいますが、たんぱく質が乳脂肪分を覆い、界面活性剤の役割を果たして「乳化」現象をおこすことで、水の中で分散します。また、それぞれの物質固有の物質量である「ゼータ電位」を高く保つと、粒子同士が電気的に反発しあうため、凝固することなく安定して分散することが分かっています。「ゼータ電位」が水溶液のphによって変化することを利用して、ph8くらいの水でコーヒーを淹れると、粒子が安定的に分散して美味しくなるので試してみてください、と豆知識も紹介しました。さらに、実際にビールをグラスに注いで、上手なビールの注ぎ方を紹介しました。グラスの1/3くらいまで一気に注いで一度にたくさんの泡を作り、あとはその泡を壊さないようにそっと注ぐと均一な泡が出来ました。
20170624_6923 この、ビールの泡が出来るしくみと照らし合わせて、村松教授らが研究開発に成功した「ITOナノインク粒子」の合成方法を紹介しました。最初にたくさんの核をつくって、凝集しないように粒子を成長させるしくみです。大きさや形が均一で、溶媒中で安定的に分散するITOナノインク粒子を用いて、丸めたり畳んだりできる夢のようなディスプレイや、未来の太陽電池などが実用化に向けて研究開発されているとお話しました。
参加者の皆さんは、時折メモを取るなどしながら熱心に聞き入っていました。

 
関連リンク:
ハイブリッドナノ粒子研究分野(村松研究室)
学都仙台コンソーシアムサテライトキャンパス公開講座