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お知らせ
中学生の職場体験を実施しました

 多元研技術室機械工場では、仙台市教育委員会が「自分づくり教育」の一環として推進する職場体験活動を受け入れ、2018年11月13日から3日間、仙台市立桜丘中学校2年生3名の職場体験を実施しました。

1日目

 1日目の11月13日には、技術室機械工場内にある設計室で、CADを用いた製図を体験しました。複雑な形をしたブロックを使って図面に起こす練習をしてから、「ハンドスピナー」を設計しました。自分たちでそれぞれに作りたい形を決めて、サイズや重心などの条件の中で、どうすれば思い通りの形が完成するか考えました。難しいところは技術職員に手伝ってもらいながら図面を完成することができました。

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 1日目の午後には、コンピュータ制御により自動で加工できる工作機械や、ワイヤー放電加工機を実際に操作して、アクリルやステンレス等を、削ったり、切り抜いたりする加工作業に挑戦しました。

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2日目

 2日目の11月14日は、1日目の設計図を元に3Dプリンタで作成したハンドスピナーの本体に、重りとベアリングを付ける加工に挑戦しました。本体は軟らかい素材で出来ているため、壊れたり歪んだりしないように力の加減に気をつけて作業しました。ハンドスピナーが完成した後は、旋盤加工を体験し、レーザーによる金属加工を見学しました。さらに、Xステージの分解と組み立て作業に挑戦しました。Xステージがうまく動くように完成させるには、順番に組み立てる必要があるため、難しそうでした。

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 2日目の午後には、ナノスケール磁気デバイス研究分野(北上修研究室)を訪問し、微細加工に挑戦しました。微細加工に用いる感光材が変質するのを防ぐために設置された短波長をカットした黄色いライトの下で、クリーンルーム用の作業着を身に着けて、作業しました。ピンセットを用いて小さなサンプルを扱う作業は難しそうでしたが、研究室のスタッフが丁寧にアドバイスしてくれました。

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3日目

 3日目の11月15日は、ガラス細工を体験しました。ガラス管を切って試験管を作る作業や、ガラス棒の先端を加工してマドラーを作る作業に挑戦しました。バーナーや加工器具の使い方から加工の仕方まで、技術職員がひとりずつ丁寧に教えてくれました。

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 3日目の午後は、X線回折装置と電子顕微鏡による分析を体験しました。最初に、分子レベルで分析できるX線回折装置のしくみについて説明を受け、サンプル(塩)を装置にセットし、データを確認する作業に挑戦しました。

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 次に、光の波長よりもさらに小さい物を観察することができる電子顕微鏡を用いて、ナノメートル単位での、物質表面の構造観察に挑戦しました。電子顕微鏡の構造やしくみ、観察する際の操作方法について、技術職員から説明を受けてから、それぞれ自分の髪の毛をサンプルにして、その表面の構造を観察しました。

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 体験した中学生は、3日間を通して通常では体験できないことを体験できてとても面白かった、難しい部分もあったけれども、楽しく学ぶことが沢山あった、この経験を活かしていきたいと話していました。

関連リンク:
ナノスケール磁気デバイス研究分野(北上修研究室)