メールマガジン 2016年 4月号
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★ 多元研 メールマガジン ★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2016/4月号 No.129 ━━━━━━
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~ 目次 ~
2) 行事予定 — 東北大学多元研-産総研東北センタージョイントセミナー
3)研究成果 — 2種の酵素機能の融合が新たな生体反応を生み出す
4) 受賞報告 — 平成28年度文部科学大臣表彰 科学技術賞・若手科学者賞
8) 行事報告 — 物質・デバイス領域共同研究拠点キックオフシンポジウムおよび第6回物質・デバイス領域共同研究拠点活動報告会
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1) お知らせ
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新任教授のご紹介
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平成28年4月に多元物質科学研究所に着任された教授より自己紹介の
コメントをいただきました。
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■■ 環境無機材料化学研究分野
■ 殷 シュウ(いん しゅう)教授
4月1日付で新機能無機物質探索研究センター環境無機材料化学研究分野の
教授に着任しました殷シュウと申します。ソルボサーマル反応等の溶液プロ
セスを中心に、環境に優しいソフトケミカル手法を利用し、無機機能性ナノ
材料の組成やサイズ及び形態等の組織制御を通じて、環境無機材料の機能性
制御に関する研究を行っております。
私は中国安徽省に生まれ、高知大学水熱化学実験所客員研究員を経て、東
北大学工学研究科にて博士の学位を取得しました。その後、東北大学反応化
学研究所及び多元物質科学研究所にて仕事をさせていただき、マルチ機能性
光触媒、赤外線遮蔽材料、導電性薄膜、ガスセンサー材料等、幅広い環境応
答機能無機材料の創製と機能性向上について研究しております。どうぞ宜し
くお願い致します。
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■■ 高機能ナノ材料創成研究分野
■ 小俣 孝久(おまた たかひさ)教授
4月1日付けで、高機能ナノ材料創成研究分野に着任いたしました。生まれ
育った横浜市を24歳で離れた後、栃木県栃木市で2年間、再び横浜市で3年間、
神奈川県厚木市で2年間、大阪府吹田市で20年間を過ごしてきました。多元
研への着任により、自身の生息北限は緯度にして1.88度北上しました。
博士前期課程を修了して以降、新しい無機材料の開拓をこれまで続けてき
ました。北へ上るほどに美味になる海の幸とアルコールを刺激として、この
地においても幾つもの新物質、新材料を見出せるよう、双眼を見開き研究に
邁進する所存です。ご指導のほど、どうかよろしくお願いいたします。
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■■ 有機・バイオナノ材料研究分野
■ 笠井 均(かさい ひとし)教授
平成28年4月1日付で有機・バイオナノ材料研究分野の教授に昇任しました。
千葉県船橋の出身ですが、大学からはずっと東北大でして、本所では約25年、
中西・及川研究室にお世話になりました。研究内容としましては、従来とは
真逆の薬剤設計といえる、薬効化合物に難水溶性置換基を化学的に連結した
化合物に対して、長年研究してきた再沈法を駆使することにより、100 nm以
下のナノドラッグを作製する技術を確立することであり、本技術が抗癌剤や
点眼薬などに幅広く応用展開することを夢見ております。「明るく、楽しく、
厳しく」をモットーにして、活気ある研究室を作り上げたいと思っておりま
すので、(特に多元研OB先輩の)皆様方、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願
いいたします。
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■■ タンパク機能解析研究分野
■ 水上 進(みずかみ しん)教授
4月1日付けでタンパク機能解析研究分野に着任しました。東京大学大学院
薬学研究科にて学位取得後、産業技術総合研究所界面ナノアーキテクトニク
ス研究センター、スタンフォード大学化学科、大阪大学大学院工学研究科を
経て、初めて東北に参りました。前任地の阪大では、有機化学・ナノ科学・
蛋白質化学を組み合わせたものづくりに基づいた生体解析技術の開発を行っ
てきました。アカデミックな雰囲気が漂う片平キャンパスで、念願の研究室
の立ち上げができることを大変嬉しく、そして有難く思っております。研究
所の更なる発展に向けて全力を尽くす所存ですので、御指導・御鞭撻の程宜
しくお願い申し上げます。
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2) 行事予定
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東北大学多元研-産総研東北センタージョイントセミナー
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「ナノ」「ハイブリッド」「材料」というキーワードで共通項の多い東北
大学多元物質科学研究と産業技術総合研究所 化学プロセス研究部門。無機
ナノ素材を含むハイブリッド材料開発で最先端を走る両研究機関の研究者が
一堂に会して情報交流をすることで、材料・構造・機能について理解を深め、
ハイブリッド材研究の動向を展望します。また、Clayteam企業会員も参画す
ることで成果の社会への橋渡しを議論する機会になると期待されます。
日時:2016年5月30日(月)13:00~17:20(受付12:30~)
場所:東北大学片平キャンパス 片平さくらホール 2F会議室
〒980-8577 仙台市青葉区片平2-1-1
主催:産業技術総合研究所東北センター 化学プロセス研究部門Clayteam、
多元物質科学研究所
参加費:無料(懇親会は有料)
◆プログラム等、詳しくはこちらをご覧ください。
第25回Clayteamセミナー
https://unit.aist.go.jp/cpt/clayteam/img/25th/25th-program.pdf
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3) 研究成果
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2種の酵素機能の融合が新たな生体反応を生み出す
~結核菌の特殊なヘム代謝戦略~
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多元物質科学研究所 タンパク機能解析研究分野の松井敏高准教授らの研
究グループは、結核菌の特殊なヘム分解酵素の反応機構を解明し、同一活性
部位で異なるタイプの反応が進行することを発見しました。本成果は新たな
抗菌薬の開発を促すだけでなく、酵素の意外な柔軟性を示した点で重要です。
従来、「鍵と鍵穴」のイメージ通り、酵素の活性部位は1つの機能しか持た
ないと考えられてきました。しかし、異種機能を融合すれば特殊な代謝反応
が可能となり、生体の複雑な要求に対応した多様な酵素が生み出されます。
さらに、機能融合は人工酵素の新たな設計指針としても期待されます。
本研究成果は、米国科学誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」にて2016
年4月5日に公開されました。
論文題目:”Unique coupling of mono- and dioxygenase chemistries in
a single active site promotes heme degradation”
PNAS(2016)vol.113, no.14, 3779-3784
DOI:10.1073/pnas.1523333113
論文掲載URL:http://www.pnas.org/content/113/14/3779
◆詳しくはこちらをご覧ください。
東北大学プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2016/03/press20160330-01.html
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4) 受賞報告
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平成28年度文部科学大臣表彰 科学技術賞・若手科学者賞
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多元物質科学研究所の寺内正己教授と加納純也教授が、平成28年度文部科
学大臣表彰科学技術賞を受賞しました。また、藤枝俊助教と山﨑優一助教が
若手科学者賞を受賞しました。
これらの賞は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成
果を収めた方へ贈られます。表彰式は4月20日、文部科学省・講堂にて行わ
れました。
***受賞者と業績名***
科学技術賞【開発部門】寺内正己 教授
「電子顕微鏡用軟X線発光分析システムの開発育成」
科学技術賞【研究部門】加納純也 教授
「シミュレーションによる粉体プロセスの革新的設計の研究」
[若手科学者賞] 藤枝 俊 助教
「遍歴電子メタ磁性転移誘起による巨大磁気熱量効果の応用研究」
[若手科学者賞] 山﨑優一 助教
「多重計測電子分光による電子波動関数の立体形状の研究」
◆詳しくは文部科学省のWebサイトをご覧ください。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/04/1369460.htm
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5) 受賞報告
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丸文財団 第19回丸文研究奨励賞
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多元物質科学研究所 機能材料微細制御研究分野の藤枝俊助教が丸文財団
第19回丸文研究奨励賞を受賞しました。
この賞は、国内外の若手研究者の研究交流活動を支援助成している丸文財
団が、科学技術の進歩ならびに次世代の産業創出に資する創造的産業技術の
向上に対して、将来的に最も貢献が期待される顕著な研究や、将来的に貢献
が期待される研究業績、成果を上げつつある研究者に贈っております。
受賞研究テーマ:
「遍歴電子メタ磁性転移による巨大磁気熱量効果の発見と磁気冷凍への応用」
◆詳しくは、こちらをご覧ください
丸文財団 受賞
http://www.marubun-zaidan.jp/winner_new.shtml
機能材料微細制御研究分野 鈴木研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=33
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6) 受賞報告
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日本鉄鋼協会 浅田賞・西山記念賞
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鉄鋼に関する学術技術の振興および研究者の育成において顕著な業績を挙
げたとして、日本鉄鋼協会より当研究所 機能材料微細制御研究分野の鈴木
茂教授と環境適合素材プロセス研究分野の埜上洋教授が表彰されました。
・学術貢献賞(浅田賞)
鈴木 茂 教授 「鉄鋼分野の材料解析技術の高度化」
・学術記念賞(西山記念賞)
埜上 洋 教授 「高炉内現象の解明と解析技術開発」
◆詳しくは、こちらをご覧ください
日本鉄鋼協会
http://www.isij.or.jp/
機能材料微細制御研究分野 鈴木研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=33
環境適合素材プロセス研究分野 埜上研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=94
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7) 受賞報告
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日本化学会 第34回化学技術有功賞
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多元物質科学研究所の猪狩佳幸技術職員が、日本化学会より第34回化学技
術有功賞を受賞しました。この賞は、化学および化学技術に関連する研究支
援を主な業務とし、装置・器具の開発・改良、特殊技能などにより、特に貢
献のあった方に贈られます。
受賞功績:固体表面化学反応のための超高真空分子線装置の開発
◆詳しくはこちらをご覧ください。
日本化学会
http://www.chemistry.or.jp/
多元物質科学研究所 技術室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=68
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8) 行事報告
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物質・デバイス領域共同研究拠点キックオフシンポジウム
および 第6回物質・デバイス領域共同研究拠点活動報告会
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多元物質科学研究所が拠点本部を務める「物質・デバイス領域共同研究拠
点」が4月25日、キックオフシンポジウムをホテルメトロポリタン仙台にて
行われました。また翌日には、平成27年度活動報告会を東北大学片平さくら
ホールにて行われました。両日とも200名近い参加者が集まり、所属組織や分
野の垣根を超えた研究活動の意義について活発な議論・報告がなされました。
◆詳しくは新しくなった共同研究拠点HPをご覧ください。
物質・デバイス領域共同研究拠点
http://five-star.tagen.tohoku.ac.jp/
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14日から未だ余震が続いている熊本地震。
多元研から熊本の大学へ数年前に異動した先生に以前大変お世話になってい
たことや、昨年の5月の連休に阿蘇・別府地域を旅行で訪れていたこともあ
って他人事に思えません。
幸い現地の知人に大事はありませんでしたが、5年前の東日本大震災時の仙
台を思えば、日常を取り戻すことが一苦労。
多元研としても、研究者受け入れや共同機器利用等、学術面から何か支援で
きないかと考えているところです。
先ずは、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げますと共に、安全と一
日も早い復興をお祈り致します。
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_/ 発行元:
_/ 東北大学多元物質科学研究所
_/ 広報情報室 022-217-5198
_/ network-tagen[at]grp.tohoku.ac.jp
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