Fe-Ga単結晶の板材の低コスト量産製造技術を確立 ー電池を代替する振動発電デバイスの大幅コスト低減が実現, 各分野のIoT実用化が加速ー
2018.10.15
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発表のポイント
- Fe-Ga単結晶の大型結晶の製造に成功しました。
- 大型Fe-Ga単結晶を低コストで板状成形する技術を確立しました。
- 単結晶製造・板状成形の低コスト量産が実現可能となり、磁歪(じわい)振動発電技術の実用化への道筋がつきました。
- 同素材使用の発電デバイスと応用モジュール・システムをMEMSセンシング&ネットワークシステム展2018(10/17-19@幕張メッセ)で展示する予定です。
概要
磁歪材料の1つであるFe-Ga単結晶は、非常に優れたエネルギー変換材料であり、小型で高出力、高感度な振動発電デバイスの根幹部分を占める材料です。振動発電が実用化すれば、ボタン電池や乾電池を利用しない無線通信モジュールが実現でき、利便性が大幅に向上、見守りから防犯、防災、工場の機械の保全、インフラの管理など、さまざまな分野や用途でIoTを普及させることができます。振動発電デバイスはFe-Ga単結晶の「板」を利用したシンプルな構造で耐久性も高く実用的ですが、この「板」の価格が高いのが本格的な実用化に向けた大きな課題でありました。
今回、本研究チームでは、チョクラルスキー(CZ)法により従来にない直径4インチ直胴10センチの巨大Fe-Ga単結晶合金の製造に成功しました(4インチ=約10センチ)。さらに、この単結晶を、マルチワイヤーソーを用いたスライス加工により、低コストで板状に成形する技術を確立しました。これにより従来の乾電池利用のモジュール・システムに比べて1/2以下の価格で提供できることになります。本技術の確立により、単結晶製造における光熱費や人件費を大幅に抑制することが可能になり、材料ひいてはデバイスの量産化にめどがつき、磁歪振動発電の実用化への道筋がつきました。
今回の単結晶板を使用した発電デバイスや、そのデバイスのさまざまな応用モジュール・システムをMEMSセンシング&ネットワークシステム展2018(10/17-19@幕張メッセ)で展示する予定です。
プレスリリース本文(PDF)
関連リンク:
東北大学
金沢大学
株式会社福田結晶技術研究所
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学多元物質科学研究所
教授 鈴木茂
電話:022-217-5168
E-mail:ssuzuki*tagen.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えて下さい)
(報道に関すること)
東北大学多元物質科学研究所
広報情報室(担当:伊藤)
電話:022-217-5198
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えて下さい)
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