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メールマガジン

Mail Magazine 4月号

メールマガジン 2011年 4月号

━━ ☆☆ 多元研 HOT NOW! ☆☆  ━━━━━━━━━━━━━━
   ★ 多元研 メールマガジン ★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2011年4月号 No.69 ━━━

 3.11大地震の影響で、2ヶ月ぶりの配信となりました。
 3月,4月合併号としてお届けいたします。

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 ~ 目次 ~

1)研究成果 — アモノサーマル法による高純度窒化ガリウムバルク単結晶
       の高速育成

2)研究成果 — 長寿命の透明太陽電池

3) 研究成果 — 単分子磁石のオン・オフ制御

4)研究成果 — 強誘電体ニオブ酸銀の結晶構造を解明

5)受賞報告 — 日本金属学会 金属組織写真最優秀賞

6)受賞報告 — 日本鉄鋼協会より受賞5件

7)受賞報告 — 文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)

8)教員公募 — 固体イオニクス・デバイスに関する研究分野 教授

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    1) 研究成果
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    アモノサーマル法による高純度窒化ガリウムバルク単結晶の高速育成
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 東北大学多元物質科学研究所の石黒研究室、横山研究室、秩父研究室と
同大学原子分子材料科学高等研究機構の福田研究室は共同で、アモノサーマ
ル結晶育成とヘテロ構造の有機金属化学気相エピタキシャル(MOVPE)成膜技
術を開発してきました。
 その中で今回、超臨界アンモニアを用いる「アモノサーマル法」による窒
化ガリウム(GaN)結晶成長において、酸性鉱化剤の気相合成法を開発し、
育成結晶中の残留酸素濃度が従来の100分の1以上低い窒化ガリウムバルク単
結晶の高速育成に成功しました。更に、これを基板結晶として、歪のない窒
化ガリウム結晶や、原子層オーダーで平坦かつ急峻な窒化アルミニウムガリ
ウム(AlGaN)と窒化ガリウムのヘテロ接合のエピタキシャル成長にも成功
し、ヘテロ界面に形成される二次元電子ガスを観測しました。
 この研究結果は、アモノサーマルGaN基板が高性能デバイス用基板として
の素養に優れる事を示し、また、今後の産業界で求められる基板の大型化に
向けた有力な基盤技術確立への道を拓きました。

 ◆詳しくは、こちらのPDFをご覧ください。
東北大学プレスリリース

量子構造形成/基板・デバイス評価研究分野 秩父研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=64

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    2) 研究成果
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    長寿命の透明太陽電池
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 多元物質科学研究所の秩父重英教授と東京理科大学の杉山睦講師が共同で
取り組んでいる透明太陽電池。今回、ガラスに酸化ニッケルと酸化亜鉛の2
種類の透明化合物が重なる3層構造の「半導体薄膜型」と呼ぶタイプが試作
されました。試作品の出力は市販の太陽電池に比べ大幅に低いものの、物質
の性質上20年以上の長寿命が見込まれます。今後は化合物の原子の並びを均
一にするなどしてエネルギー変換効率の向上をめざすとのこと。この取組み
が、3月4日付の日経産業新聞で紹介されました。

 ◆詳しくは、研究室HPをご覧ください。
量子構造形成/基板・デバイス評価研究分野 秩父研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=64

東京理科大学 杉山研究室
http://www.rs.noda.tus.ac.jp/~optoelec/jindex.html

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    3) 研究成果
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    単分子磁石のオン・オフ制御
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 科学技術振興機構(JST)課題解決型基礎研究の一環として、東北大学多
元物質科学研究所走査プローブ計測技術研究分野の米田忠弘教授と同大学理
学研究科の山下正廣教授らは、1つの分子で磁石の性質を示す単分子磁石を
用いて、単分子の単位で磁石をオン・オフすることに成功しました。
 この研究では、単分子磁石であるテルビウム・フタロシアニン錯体分子
(TbPc2)に電流を流して向かい合う配位子をくるりと回転させるという手
法を開発。2枚の平面型フタロシアニン配位子の相対角度を制御することで、
分子磁石のオン・オフに成功しました。この成果は、電流による分子の構造
変化を利用した単一分子のスピン操作手法を示したもので、今後、単一分子
メモリーへの応用が期待されます。

 本研究成果は、英国オンライン科学雑誌「NATURE COMMUNICATIONS」に掲
載されました。
論文名: Observation and electric current control of a local spin in
    a single-molecule magnet
Nature Communications 2, 217
doi:10.1038/ncomms1210
論文URL:http://www.nature.com/ncomms/journal/v2/n3/full/ncomms1210.html

  ◆詳しくはこちらをご覧ください
東北大学プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2011/03/press20110302-01.htmlovel

走査プローブ計測技術研究分野 米田研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=58

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   4) 研究成果
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    強誘電体ニオブ酸銀の結晶構造を解明
    -有害な鉛を使わない電子材料の開発を促進-
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 東京工業大学総合理工学研究科の八島正知准教授を代表とする共同研究
チームは、強誘電体ニオブ酸銀(AgNbO3)の結晶構造を世界で初めて解明する
ことに成功しました。ニオブ酸銀は、有害な鉛を含まない強誘電体であり、
優れた圧電性を示すことから、電子材料や光触媒として注目されています。
 この研究は、収束電子回折、電子回折、中性子回折、放射光X線回折、第
一原理計算を駆使して成され、多元物質科学研究所電子回折・分光計測研究
分野の津田健治准教授は、ニオブ酸銀試料の空間群と呼ばれる結晶の持って
いる対称性が中心対称性を持たないPmc2_1であることを収束電子回折により
明らかにして、この成果に大きく貢献しました。
ニオブ酸銀の優れた電気的特性を原子スケールで解明できたことから、今
後、原子スケールでの材料設計ができるようになり、ニオブ酸銀系電子材料
や光触媒の開発を促進すると期待されます。

 この成果は、材料化学の専門誌「Chemistry of Materials」の速報
「Communications」に掲載されました。
論文名:Structure of Ferroelectric Silver Niobate AgNbO3
Chem. Mater., 23 (7), pp 1643-1645
doi: 10.1021/cm103389q
論文URL:http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/cm103389q

  ◆詳しくは、こちらをご覧ください
東北大学プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2011/03/press20110308-02.html

電子回折・分光計測研究分野 寺内研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=14

東京工業大学総合理工学研究科 八島研究室
http://www.materia.titech.ac.jp/~yashima/Yashima-Jpn.html

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    5) 受賞報告
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    日本金属学会 金属組織写真最優秀賞 受賞
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 多元物質科学研究所 電子線干渉計測研究分野の赤瀬善太郎助教、進藤大
輔教授らが日本金属学会金属組織写真最優秀賞を受賞しました。
 金属組織写真賞は、試料、方法、結果などにオリジナリティーのある高い
学術的価値が認められるものや、試料処理、写真処理他において技術的価値
が高く、また、オリジナルな技術が含まれるものなど、教材や写真集の編集
などの際に利用できるような組織写真に対して贈られます。

受賞題目:「電子線ホログラフィーによる高温超電導材料のマイスナー効果
    と磁束ピニングの可視化」

 ◆詳しくはこちらをご覧ください
電子線干渉計測研究分野 進藤研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=57

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    6) 受賞報告
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    日本鉄鋼協会より受賞5件
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 鉄鋼に関する学術技術の振興および研究者の育成において顕著な業績を挙
げたとして、日本鉄鋼協会より当研究所の下記の方々が表彰されました。

・学術功績賞
有山達郎 教授 「環境との調和を目指した製銑研究」

・学術記念(西山記念賞)
柴田浩幸 准教授 「高清浄度鋼製造技術の基盤研究」

・研究奨励賞
小畠秀和 助教 「Si融体熱物性の非接触高精度測定」

・研究奨励賞
丸岡伸洋 助教 「環境調和型製鋼プロセスの研究」

・澤村論文賞
 井上亮 准教授、植田滋 准教授、和久田康司(元工M2)、佐々木光平(工M2)、
有山達郎 教授「塩基性酸化物へのCO2吸収に関する熱力学的考察」

 ◆詳しくは、こちらをご覧ください
日本鉄鋼協会
http://www.isij.or.jp/

基盤素材プロセッシング研究分野 北村研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=50

表界面反応制御・基板作製研究分野 福山研究室
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=17

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    7) 受賞報告
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    平成23年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)受賞
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 多元物質科学研究所 高分子ハイブリッドナノ材料研究分野の宮下徳治教授
が、平成23年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受賞しました。

業績名:フィルムエレクトロニクスを目指した高分子ナノ集積体の研究

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    8) 教員公募
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    固体イオニクス・デバイスに関する研究分野 教員公募案内
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公募人員:固体イオニクス・デバイスに関する研究分野 教授1名

分野内容: 固体イオニクス分野における電気化学や速度論等に関する学術
研究をふまえつつ、燃料電池・リチウム電池・水素貯蔵・化学センサー・ア
トムスイッチなどのデバイス開発を通してサステイナブル社会の実現および
機械工学の発展に寄与できる研究を展開する。

応募資格:協力講座としての大学院(工学研究科機械知能系専攻)の研究指
導を担当できる博士号取得者。

着任時期:平成24年4月1日(任期なし)

提出書類:
1)履歴書
2)研究業績リストおよび主要論文5編以内の別刷と要約各2部
3)研究費獲得状況、受賞、学会活動などのリスト
4)これまでの研究概要と採用された場合の研究の抱負(2000字程度)
5)照会可能な方2名の氏名と連絡先(住所、電話、E-mail Address)
*資料は返却しません。

公募締切日:平成23年6月末日

書類提出先:〒980-8577 仙台市青葉区片平2-1-1
      東北大学多元物質科学研究所 中村 崇 教授

 ◆詳細は、多元研HPをご覧ください
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/www00/index.php?content_id=48

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2011年3月11日に発生した東日本大地震。
マグニチュード9.0、最大震度7を記録する観測史上最大級のもので、津波が
甚大な被害をもたらしました。

制震構造の建物の4階にいたところ、数分にわたる大きな横揺れにみまわれ、
立っていられずに机の下に避難しました。
大きな揺れはありましたが、多元研では安全が確保され、幸いなことに人的
被害はありませんでした。電気・ガス・水といったライフラインも復旧し、
研究基盤の回復を完了させた研究室が多く見受けられます。
修復半ばの研究室も、新たな飛躍に向けたスタートと捉えて、総力を挙げて
進んでおります。

ご心配、ご支援いただきました皆様に心より厚く御礼申し上げます。

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  _/   発行元:
  _/      東北大学多元物質科学研究所
  _/      広報情報室 022-217-5198
  _/      network-tagen[at]grp.tohoku.ac.jp
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