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★ 多元研 メールマガジン ★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2023年8月号 No.217 ━━━
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多元研が関わる学会、研究発表会・シンポジウム、その他、
毎回HOTな情報をお届けいたします。
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~ 目次 ~
1) 行事予定 — [9/6~8開催] JASIS 2023「最先端科学・分析システム &
ソリューション展」に出展
2) 行事予定 — [9/29開催]「多友会」第12回総会・講演会
3) 行事予定 — [10/7開催] 多元研 片平まつり2023
4) 受賞報告 — 日本セラミックス協会「進歩賞」を受賞
5) 受賞報告 — 第17回 固体イオニクスセミナー「若手優秀ポスター賞」を受賞
6) 研究成果 — カーボンナノチューブから生じる近赤外発光を、
広範囲・高選択的に波長制御する有機化学的方法を開発
7) 研究成果 — 東北大学とブリヂストンがゴムのシミュレーション基盤技術に
関する共同研究を開始
8) 研究成果 — X線顕微鏡で薄膜型全固体電池を “丸ごと” 可視化
~電池反応・劣化挙動を総合的に理解し性能向上に貢献~
9) 研究成果 — 層状超伝導物質への遷移金属挿入で 超伝導状態の長距離制御に成功
~量子コンピューターや量子情報通信への応用に期待~
10) 研究成果 — 3次元グラフェン造形のキープロセスを解明
~6員環のエッジに5員環や7員環が組み込まれてジッピング~
11) 研究成果 — 車体や建物を充電に使う3Dカーボン材料を開発
~3Dプリンタで強度と機能性を融合し、全く新しいエネルギー貯蔵へ貢献~
12) 研究成果 — マイクロ流路を備え液中で溶質を検出できる 分子センサーを開発
~疾病を早期発見できる体内埋め込み型などでの実用化に期待~
13) 研究成果 — クライオ電子顕微鏡により、ゴルジ体の亜鉛輸送体による
亜鉛輸送機構の全容を解明 細胞の亜鉛恒常性維持機構の理解に大きな進展
14) お知らせ — せんだい職人塾「親子ふれあい探検隊」が
ガラス工場を訪問しました
15) お知らせ — 夏休み大学探検を実施しました
16) メディア情報 — 次世代放射光施設「ナノテラス」について
テレビで紹介されました
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1) 行事予定
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JASIS 2023「最先端科学・分析システム & ソリューション展」に出展
◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
日時:9月6日(水)~8日(金) 10:00~17:00
場所:幕張メッセ国際展示場 5 ホール
小間番号:SA-05(学協会・研究機関コーナー)
2023年9月6日(水)~8日(金)に幕張メッセで開催される、JASIS 2023「最
先端科学・分析システム &ソリューション展」にブース出展を行います。
多元物質科学研究所のグリーン戦略、2022年6月より学内外へ供用を行ってい
る「クライオ電子顕微鏡」、最近の産学連携による実績に関するポスター展示の
他、大学での試作から始まり産学連携を経て、電子顕微鏡用軟X線発光分析装置
として世界初の商用化に成功した検出器も展示する予定です。
ご来場の皆さまにおかれましては、ぜひ多元研ブースへもお立ち寄りください。
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_event/20230825/
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2) 行事予定
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東北大学多元物質科学研究所同窓会「多友会」第12回総会・講演会
◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
日時:9月29日(金) 15:10~18:30
総会(15:10~15:30)
講演会(15:40~17:00) 飯島澄男 先生(名城大学 終身教授、東北大学特別招聘プロフェッサー)
懇親会(17:15~18:30) 会費:4000円(当日受付にて申し受けます)
場所:東北大学 片平さくらホール
多友会第12回総会・講演会・懇親会出欠フォーム:
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScFf2a7kJvKBUuXaUt0h9iJK3krwycTB-X0I2FCOEevq4hyGQ/viewform
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_event/20230929/
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3) 行事予定
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多元研 片平まつり2023
◇◆◇━━━━━━━━━◇◆
日時:10月7日(土) 10:00~16:00
場所:東北大学多元物質科学研究所 南総合研究棟1・2、片平さくらホール
完全予約制となります。
◆詳しくは下記URLをご覧ください。
多元研 片平まつり2023
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/general/event/katahira/2023
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4) 受賞報告
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日本セラミックス協会「進歩賞」を受賞
◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
小俣研究室の鈴木一誓講師が、日本セラミックス協会「進歩賞」を受賞しました。
研究題目:「薄膜太陽電池用の新規酸化物および硫化物半導体材料の開発」
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/omata/news_award/20230809/
◆小俣研究室(原子空間制御プロセス研究分野)
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/omata/
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5) 受賞報告
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第17回 固体イオニクスセミナー「若手優秀ポスター賞」を受賞
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小俣研究室の工藤咲季さんが、『第17回 固体イオニクスセミナー・新学術領域
「蓄電固体界面科学」第5回若手勉強会』において、「若手優秀ポスター賞 Gold
Prize」を受賞しました。
研究題目:「n型酸化物半導体MgIn2O4のプロトン伝導性」
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/omata/news_award/20230810/
◆小俣研究室(原子空間制御プロセス研究分野)
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/omata/
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6) 研究成果
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カーボンナノチューブから生じる近赤外発光を、
広範囲・高選択的に波長制御する有機化学的方法を開発
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東北大学多元物質科学研究所の笠井均教授らの研究グループは、フッ素原子
を置換したフルオロアルカンを用いた化学修飾によって、従来技術と比較して、
波長選択的かつ最も長波長域に近赤外発光を発現させることに成功しました。
実験と理論化学のインタープレーにより、フッ素原子の利用と反応点を2つ組
み込ませた反応試薬を用いることで、化学修飾率や付加様式の制御が可能とな
り、結果としてカーボンナノチューブから生じる近赤外発光を、著しく長波長
側へ波長制御できることを明らかにしました。
論文情報:
“Selective emergence of photoluminescence at telecommunication wavelengths
from cyclic perfluoroalkylated carbon nanotubes”
Yutaka Maeda, Yasuhiro Suzuki, Yui Konno, Pei Zhao, Nobuhiro Kikuchi, Michio Yamada,
Masaya Mitsuishi, Anh T. N. Dao, Hitoshi Kasai, Masahiro Ehara
Communications Chemistry
DOI:10.1038/s42004-023-00950-1
https://doi.org/10.1038/s42004-023-00950-1
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20230801/
◆笠井研究室(有機・バイオナノ材料研究分野)
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/kasai/
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7) 研究成果
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東北大学とブリヂストンがゴムのシミュレーション基盤技術に
関する共同研究を開始
◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
国立大学法人東北大学と株式会社ブリヂストンは、ゴムのシミュレーション
基盤技術に関する共同研究を開始しました。
本研究は、東北大学ソフトマテリアル研究拠点が社会実装を進める計測科学
と計算科学に、ブリヂストンが培ってきたゴムの知見を組み合わせることで、
ゴムの分子・原子レベルでの計測と、物性の計算(シミュレーション)技術の
向上を目指すものです。これにより、高レベルな解析を可能とする材料シミュ
レーション基盤技術を構築することで、データドリブンで革新的な材料開発を
実現していきます。
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20230728/
・。・゜★・。・。☆・゜・。・゜。・。・゜★・。・。☆
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8) 研究成果
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X線顕微鏡で薄膜型全固体電池を “丸ごと” 可視化
~電池反応・劣化挙動を総合的に理解し性能向上に貢献~
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東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センターの石黒志助教と
高橋幸生教授らの研究グループは、大型放射光施設「SPring-8」で全視野結像
型透過X線顕微鏡-X線吸収微細構造(TXM-XAFS)測定のもつ空間分解能及び視野サ
イズと、薄膜型全固体電池の断面スケールが適合することに注目し、充放電過
程における正極-電解質-負極層の化学状態変化を同一視野内で“丸ごと”可視
化することに初めて成功しました。
電子顕微鏡やX線タイコグラフィなどの高空間分解の顕微分光計測とTXM-XAFS
法のような広域測定、電池全体の詳細かつ総合的な観察を通して、充放電に伴う
化学状態の変化や劣化についての理解が進み、電池性能向上への貢献が期待でき
ます。
論文情報:
“Comprehensive Operando Visualization of the Electrochemical Events
in the Cathode/Anode Layers in Thin-Film-Type All-Solid-State Lithium-Ion Batteries”
Nozomu Ishiguro, Tsutomu Totsuka, Hideshi Uematsu, Oki Sekizawa, Kazuo Yamamoto, Yasutoshi Iriyama, and Yukio Takahashi
*責任著者:東北大学 国際放射光イノベーション・スマート研究センター
助教 石黒 志(多元物質科学研究所 兼務)
教授 高橋 幸生(多元物質科学研究所、金属材料研究所 兼務)
ACS Applied Energy Materials
DOI:10.1021/acsaem.3c01441
https://doi.org/10.1021/acsaem.3c01441
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20230804//
◆髙橋(幸)研究室(放射光可視化情報計測研究分野)
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/takahashi-y/html/
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9) 研究成果
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層状超伝導物質への遷移金属挿入で 超伝導状態の長距離制御に成功
~量子コンピューターや量子情報通信への応用に期待~
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東北大学多元物質科学研究所のフェルダス・アラ(Ferdous Ara)特任研究員、
シェド・モハマド・ファクルディン・シャヘド(Syed Mohammad Fakruddin Sha
hed)助教、米田忠弘教授教らの研究グループは、超伝導体である遷移金属ダイ
カルコゲナイドの一種である2セレン化ニオブ(NbSe2)の劈開表面にコバルト
(Co)原子をインターカレーション(層間挿入)することで超伝導体に特徴的な
超伝導ギャップ内部にコバルト原子の磁性で生じた散乱状態(Yu-Shiba-Rusinov
(YSR)状態)が生じることを見出しました。その散乱はCo原子からの距離に反比
例して強まり、次の相互作用領域である近藤状態に変化します。Co原子が長距離
の近藤効果を出現・制御可能なことを見出しました。加えて同じ表面に吸着した
単分子磁石であるテルビウム・フタロシアニン(TbPc2)錯体)について、イン
ターカレーションしたCoと外部磁場の組み合わせで、新規な近藤状態を形成し制
御可能なことを証明しました。
論文情報:
“Control of the Magnetic Interaction between Single-Molecule Magnet TbPc2
and Superconductor NbSe2 Surface by an Intercalated Co Atom”
Ferdous Ara, Syed Mohammad Fakruddin Shahed, Mohammad Ikram Hossain,
Keiichi Katoh, Masahiro Yamashita, and Tadahiro Komeda*
*責任著者:東北大学多元物質科学研究所 教授 米田忠弘
Nano Lettersy
DOI:10.1021/acs.nanolett.3c01298
https://doi.org/10.1021/acs.nanolett.3c01298
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20230807/
◆米田研究室(走査プローブ計測技術研究分野)
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/komeda/
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10) 研究成果
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3次元グラフェン造形のキープロセスを解明
~6員環のエッジに5員環や7員環が組み込まれてジッピング~
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グラフェンは軽くて強い上に、熱・電気伝導性が高いといったユニークな特
徴を併せ持っていますが、原子の厚みしかもたない2次元構造であり、電子デバ
イスなどの2次元的な用途に限定されてきました。蓄電デバイスなどへの応用に
は、グラフェンを積層させることなく3次元の立体的構造にすることが必須です。
しかしながら、グラフェンを自在に3次元造形することは困難でした。
東北大学らの研究グループは、実験と理論の両輪により、3次元グラフェン造
形のためのキープロセスである「ジッピング反応」によるグラフェン修復の機構
を解明しました。グラフェンの3次元化に必須である炭素5員環や7員環がジッピ
ング反応と同時に導入されることを見出し、3次元グラフェン造形のための新た
な合成ルートが確立されました。
論文情報:
“Chemistry of zipping reactions in mesoporous carbon consisting of
minimally stacked graphene layers”
Tian Xia, Takeharu Yoshii,* Keita Nomura, Keigo Wakabayashi, Zheng-Ze Pan,
Takafumi Ishii, Hideki Tanaka, Takashi Mashio, Jin Miyawaki, Toshiya Otomo,
Kazutaka Ikeda, Yohei Sato, Masami Terauchi, Takashi Kyotani, Hirotomo Nishihara*
*責任著者:
東北大学多元物質科学研究所 助教 吉井丈晴
東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR) 教授 西原洋知
Chemical Science
DOI:10.1039/D3SC02163G
https://doi.org/10.1039/D3SC02163G
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20230821/
◆西原研究室(ハイブリッド炭素ナノ材料研究分野)
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/nishihara/html/index.html
・。・゜★・。・。☆・゜・。・゜。・。・゜★・。・。☆
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11) 研究成果
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車体や建物を充電に使う3Dカーボン材料を開発
~3Dプリンタで強度と機能性を融合し、全く新しいエネルギー貯蔵へ貢献~
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東北大学材料科学高等研究所の工藤朗助教、唐睿特任助教(研究当時)、折
茂慎一教授、西原洋知教授、同大学多元物質科学研究所の金丸和也大学院生、
吉井丈晴助教らの研究グループは、機械的強度に優れる格子構造とキャパシタ
性能を付与する比表面積を併せ持つ炭素マイクロ構造「階層的多孔質カーボン
マイクロラティス」を作製しました。光造形3Dプリンタ用に調整した複合材料
樹脂を用いて、炭素化後に塩酸処理を施す事で梁の内部にマクロ・メソ・ナノ
の3段階サイズの孔の導入に成功しました。キャパシタとして機能する比表面
積を有しながら圧縮強度7.45-10.45MPa・ヤング率375-736MPaを実現し、水系・
有機系電解質で電極面積あたり最大容量11.5 F・cm-2および1.5 F・cm-2を達成し
ました。実用水準の機械的性能を持つミリメートル厚の構造全体を、電気化学
キャパシタとして初めて実証しました。
論文情報:
“Stereolithography 3D Printed Carbon Microlattices with Hierarchical
Porosity for Structural and Functional Applications”
Akira Kudo, Kazuya Kanamaru, Jiuhui Han, Rui Tang, Kazuaki Kisu, Takeharu Yoshii, Shin-ichi Orimo, Hirotomo Nishihara, Mingwei Chen*
Small
DOI:10.1002/smll.202301525
https://doi.org/10.1002/smll.202301525
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20230823/
◆西原研究室(ハイブリッド炭素ナノ材料研究分野)
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/nishihara/html/index.html
・。・゜★・。・。☆・゜・。・゜。・。・゜★・。・。☆
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12) 研究成果
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マイクロ流路を備え液中で溶質を検出できる 分子センサーを開発
~疾病を早期発見できる体内埋め込み型などでの実用化に期待~
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東北大学多元物質科学研究所の博士課程のモハメッド・ナシルディン(Md
Nasiruddin)大学院生、道祖尾泰之助教、高岡毅講師、福山真央講師、米田忠
弘教授らは、TMDを用いて溶液中で利用できる分子センサーを開発しました。
実験では、有機ELなどで使用される有機電子受容体のテトラシアノキノジメタ
ン(TCNQ)、その錯体であるF4-TCNQの2種類の分子を溶質とした溶液を用いて
それらの検出を試みました。作成したマイクロ流路FETで溶媒の影響を調べる
ため、溶媒をイソプロパノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドと変
化させ比較しました。その結果、TCNQとF4-TCNQ溶液とチャンネルの接触によ
る半導体素子としての特性変化の差がこの順に小さくなることを見出しました。
これらの溶媒の誘電率はこの順に大きいことから、分子の分極を溶媒が遮蔽し
ゲート効果を減少させているモデルを確認しました。
今回の結果は、溶液センサーの実用化への前進とともに、溶液FETセンサー
が固液界面での基礎的な物理化学現象の解明に貢献することを実証するものです。
なお、本研究成果は、東京工業大学の火原彰秀教授、産業技術総合研究所デ
バイス技術研究部門の安藤淳研究部門長付、物質・材料研究機構の荒船竜一主
幹研究員との共同研究によって得られたものです。
論文情報:
“Solvation Effects on the Electrical Properties of a Microfluid-Assisted
Solution Field-Effect Transistor with Atomically Thin MoS2 Layers”
Md Nasiruddin, Zhipeng Wang, Hiroki Waizumi, Tsuyoshi Takaoka,
Yasuyuki Sainoo, Atsushi Ando, Ryuichi Arafune, Mao Fukuyama,
Akihide Hibara, and Tadahiro Komeda*
*責任著者:東北大学多元物質科学研究所 教授 米田忠弘
ACS Applied Nano Materials
DOI:10.1021/acsanm.3c02828
https://doi.org/10.1021/acsanm.3c02828
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20230824/
◆米田研究室(走査プローブ計測技術研究分野)
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/komeda/
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13) 研究成果
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クライオ電子顕微鏡により、ゴルジ体の亜鉛輸送体による
亜鉛輸送機構の全容を解明 細胞の亜鉛恒常性維持機構の理解に大きな進展
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東北大学多元物質科学研究所のHan Ba Bui学術研究員、渡部聡助教、稲葉謙
次教授らの研究グループは、これまで、ゴルジ体に局在して亜鉛を運ぶ分子で
ある亜鉛トランスポーターZnT7やZnT5/6, ZnT4が、ゴルジ体における亜鉛濃度
を厳密に制御していることを明らかとしてきました。しかし、これら亜鉛トラ
ンスポーターの立体構造は未決定であり、亜鉛輸送の詳細なメカニズムは未解
明でした。
今回、同研究グループは、クライオ電子顕微鏡単粒子解析を用いて、亜鉛トラ
ンスポーターZnT7の立体構造を2.2A分解能という高分解能で構造決定すること
に世界で初めて成功しました。
さらに、亜鉛を放出する直前および直後の立体構造を捉えることにも成功し、
亜鉛輸送の一連のステップのほぼ全ての可視化に成功しました。亜鉛トランス
ポーターファミリーの一般的な分子機構の解明につながることが期待されるば
かりか、細胞内の亜鉛恒常性維持機構に関する理解が格段に進みました。
論文情報:
“Cryo-EM structures of human zinc transporter ZnT7 reveal the mechanism of
Zn2+ uptake into the Golgi apparatus”
Han Ba Bui, Satoshi Watanabe, Norimichi Nomura, Kehong Liu, Tomoko Uemura,
Michio Inoue, Akihisa Tsutsumi, Hiroyuki Fujita, Kengo Kinoshita,
Yukinari Kato, So Iwata, Masahide Kikkawa, *Kenji Inaba
*責任著者:東北大学多元物質科学研究所 教授 稲葉 謙次(大学院生命科学研究科/
理学研究科化学専攻 兼担、九州大学生体防御医学研究所クロスアポイント)
Nature Communications
DOI:10.1038/s41467-023-40521-5
https://doi.org/10.1038/s41467-023-40521-5
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_press/20230828/
◆稲葉研究室(生体分子構造研究分野)
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/inaba/html/
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14) お知らせ
◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
せんだい職人塾「親子ふれあい探検隊」が
ガラス工場を訪問しました
◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
2023年8月1日、「せんだい職人塾―親子ふれあい探検隊」が開催され、多元研の
ガラス工場に6組の親子が訪れました。
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_info/20230804/
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15) お知らせ
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夏休み大学探検を実施しました
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多元物質科学研究所では、2023年8月2日、夏休み大学探検を実施し、
仙台市内の中学生27名が参加しました。
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_info/20230808/
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16) メディア情報
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次世代放射光施設「ナノテラス」について
テレビで紹介されました
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2023年7月30日放送のテレビ朝日「サンデーLIVE!! 松岡修造のみんながん晴れ」と、
8月12日放送のJ:COM 仙台「LIVEニュース」で、次世代放射光施設「ナノテラス」が紹介
されました。
サンデーLIVE!!は、YouTube「ANNnewsCH」で公開されていますので是非ご覧ください。
テレビ朝日「サンデーLIVE!!」松岡修造のみんながん晴れ(2023年7月30日放送)
(ANNnewsCH)日本の未来を照らす世界最先端の技術」
※矢代研究室で撮影された画像も紹介されました!
https://www.youtube.com/watch?v=IGUI_DorMIM
◆詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_media/20230818/
◆矢代研究室(量子フロンティア計測研究分野)
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/yashiro/html/
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◆多元研|新型コロナウイルス関連情報まとめ
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/news_info/tagen_covid19/
多元物質科学研究所の教職員、学生を対象とした新型コロナウイルスの
関連情報をまとめていますのでご覧ください。
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第3回 ”世界の不思議” ~ウンガロの人々~
メキシコで生活をしているウンガロの人々の中には、何代かに1
人、不思議は力をもった人物が生まれることがあります。それも女
性にだけ。狩猟民族であるウンガロ族は、男性たちが狩りへ出かけ
ている間、女性たちは円を描くように集まり、狩りの成功を祈りな
がら帰りを待ちます。そのお祈りを長きにわたり行うなかで、特別
な力を持つ人物が生まれるようになったと言われています。
私がメキシコに滞在していたある日、ウンガロのお婆さんから「
日本から”オリオン”と、いう人物が訪ねてくる」と、言われました。
そのような知り合いもいなかったので信じてはいませんでしたが、
その日のうちに、「折尾(“オリオ”)」という人物が訪ねてきて、背
筋が凍る思いをしたのを未だに覚えています。
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◆広報情報室では、講演会、シンポジウム、研究成果など
メールマガジンに掲載させていただける情報をお待ち致しております。
登録・変更・削除は、こちらからお願いいたします。
↓ ↓ ↓
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/information/mailmagazine.html
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_/ 発行元:
_/ 東北大学多元物質科学研究所
_/ 広報情報室 022-217-5198
_/ network-tagen[at]grp.tohoku.ac.jp
_/ ([at]を@に置き換えてください)
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