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プレスリリース
回って、廻る、細菌べん毛 ~コマのような新しいべん毛運動が明らかに~

下權谷祐児(東北大学学際科学フロンティア研究所 助教)及び石川拓司(同大学院工学研究科 教授)は、石島秋彦(大阪大学大学院生命機能研究科 教授)、井上裕一(東北大学多元物質科学研究所 助教)、澤野耀一郎(同大学院生命科学研究科 大学院生)及び分部寛道(元同大学院生命科学研究科 大学院生、現同大学院医工学研究科 大学院生)との共同研究において、細菌のべん毛(細菌の表面から生えている細長い繊維)が「スピン+旋回運動」というコマのような回転挙動をしていることを実験により見出しました。また独自の理論により、その回転メカニズムは、べん毛が作り出す流れで説明できることを明らかにしました。
本研究の成果は、細菌のべん毛運動の裏に潜む物理法則をあぶり出すものであり、べん毛モーターの理解と制御に向けた重要な一歩となることが期待されます。
本成果は、2015年12月22日(火)10時(UK時間)、Scientific Reports誌(オンライン版)に掲載されました。
なお、本研究の一部は、日本学術振興会科学研究費補助金の助成を受けて行われました。
プレスリリース本文 (PDF)

 

20151228

べん毛の「スピン+旋回運動」。べん毛の回転軌跡を連続的に繋げて図示している。

 

論文情報

“Torque-induced precession of bacterial flagella”
Yuji Shimogonya, Yoichiro Sawano, Hiromichi Wakebe, Yuichi Inoue, Akihiko Ishijima, Takuji Ishikawa
Scientific Reports 5, 18488, published online 22 Dec 2015
doi: 10.1038/srep18488

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