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第71回固体イオニクス研究会
(京都, 9/28, 2018)体験記 (Writer:西舘)



研究会テーマ:「プロトニックセラミックスの最前線」
主催:日本固体イオニクス学会

京都大学吉田キャンパスにて開催された、第71回固体イオニクス研究会に、雨澤先生と参加しました。この研究会では、「プロトニックセラミックスの最前線」のテーマのもと、
大学や企業の垣根を越えた活発な議論が行われました。プロトン伝導性セラミックスの基礎物性や特性の研究から、それを用いた燃料電池、水蒸気電解の開発状況に至るまで内容は多岐にわたり、他大学の方々の研究のアプローチや、企業の開発目標や開発の視点についても学ぶことができました。特に、東大の山口先生の高度な内容のご講演、京大の宇田先生の膨大な量のデータに基づく結果には圧倒されました。また、プロトン伝導体の応用例として、燃料電池だけでなく、水蒸気電解も積極的に検討されているということは、今回初めて知ったことでした。将来的には、再生可能エネルギーで発電した電気を用いて水蒸気電解を行うことで水素を得て、物質として水素を貯蔵し、必要に応じてその水素を燃料として燃料電池で発電することが期待されているとのことでした。
私は、現在プロトン伝導性セラミックス燃料電池の電極反応の研究をしており、電解質として使用しているプロトン伝導性セラミックスへの理解は深くありませんでした。今回の研究会を通し、一日という短い時間ではありましたが、プロトン伝導体への理解を深めることができ、自身の研究にも繋がった貴重な機会となりました。今後は、同分野の発展に携わるだけでなく、将来有望視されている「水素社会」の実現に少しでも貢献できるように取り組んでいこうと改めて意識した機会となりました。
最後に、今回の研究会は、雨澤先生の提案で開催となった研究会であり、プロトン伝導体に関わる研究・開発を盛り上げるような素晴らしい機会を設けてくださったことは、同分野に携わるものとして嬉しく思います。参加を勧めて下さった雨澤先生に感謝申し上げます。


B4 西舘 克弥