構造ギャラリー
当研究室で立体構造が解かれた代表的なタンパク質を並べてみました。なかなか美しいですね・・・
大腸菌由来DsbB-DsbA複合体
Ref.: Inaba, K. et al., Cell (2006)
この構造解析により、大腸菌におけるジスルフィド結合形成システムDsbB-DsbAの構造基盤が確立されました。
DsbB-Fab fragment複合体
Ref.: Inaba, K. et al. EMBO J (2009)
はっきり言ってDsbBオタクの域に達してます。これによりDsbBのさらに奥深い分子機構の詳細が解明できました。
ヒト由来Ero1α
Ref. Inaba, K. et al. EMBO J (2010)
ヒト細胞中のジスルフィド結合形成における中心的プレーヤーEro1の結晶構造です。
マウス由来ERdj5
Ref. Hagiwara, M., Maegawa, K. et al., Mol. Cell (2011)
小胞体において初めて見つかったジスルフィド結合還元酵素ERdj5の全長の構造です。この構造から小胞体で生じたミスフォールドタンパク質の分解除去機構の理解が深まりました。
マウス由来 Peroxiredoxin 4
Ref. Sato, Y., Kojima, R., Okumura, M., Hagiwara, M. et al. Scientific Reports (2013)
Ero1に代わるジスルフィド結合形成酵素Peroxiredoxin4の全長の構造です。ドーナツ型のリング構造が実に美しい・・・この構造を用いて、PDI familyタンパク質との相互作用機構も解明できました!
ヒト由来ERp46
Ref. Kojima, R., Okumura, M. et al. Structure (2014)
これまでに報告されたPDIファミリー酵素とは全く異なるチオレドキシン様ドメインの配置をしており、この構造からPDIとは異なるERp46独自の機能的性質が見えてきました。
ERdj5の新しいタイプの結晶構造
Ref. Maegawa et al., Structure (2017)
2011年に報告したものとは全く異なるERdj5の結晶構造を解くことに成功しました!
セレノインスリンの結晶構造
Ref. Arai, K. et al. Angewandte Chemie (2017)
インスリンのA鎖とB鎖のCys7をセレノインスリンに置換したセレノインスリンの結晶構造を解くことに成功しました。セレノインスリンは、通常のインスリンよりインスリン分解酵素に対する高い分解耐性を示します。
ERp44のpH6.5における結晶構造
Ref. Watanabe et al., PNAS (2017)
初期分泌経路におけるタンパク質品質管理において重要な役割を担うERp44の高分解能結晶構造を解くことに成功しました!
ERp44のpH7.5における結晶構造
Ref. Watanabe et al., PNAS (2017)
pH7.5においてもERp44の高分解能結晶構造を解き、ERp44がpH依存的に構造変化を示すメカニズムを明らかにしました。
亜鉛結合型 ERp44 (dimer) の結晶構造
Ref. Watanabe, Amagai et al., Nat. Commun. (2019)
初期分泌経路におけるタンパク質品質管理において重要な役割を担うERp44の高分解能結晶構造を解くことに成功しました!
基質依存的に形成するPDIの二量体構造
Ref. Okumura, Noi et al., Nat. Chem. Biol. (2019)
高速原子間力顕微鏡の観察により、PDIがアンフォールド基質依存的にface to faceの二量体構造を形成することを発見しました!
ヒト由来小胞体カルシウムポンプSERCA2b の結晶構造
Ref. Inoue et al., Cell Reports (2019)
Lipid Cubic Phase法を用いることにより、ヒト由来小胞体カルシウムポンプSERCA2b の結晶構造を世界で初めて解くことに成功しました!
FTの結晶構造
Ref. Nakamura et al., iScience (2019)
花の開花にかかわるFTタンパク質の高分解能結晶構造を解くことに成功しました!
ヒト由来SERCA2b (E1ATP state) のクライオ電顕構造
Ref. Zhang et al., Science Advances (2020)
クライオ電子顕微鏡単粒子解析により、ヒト由来小胞体カルシウムポンプSERCA2b(カルシウムとAMPPCPが結合している状態) の高分解能構造を決定しました!
ヒト由来SERCA2b (E2P state) のクライオ電顕構造
Ref. Zhang et al., Science Advances (2020)
クライオ電子顕微鏡単粒子解析により、ヒト由来小胞体カルシウムポンプSERCA2b(ATP加水分解後のカルシウム非結合状態) の高分解能構造を決定しました!
ヒト由来PDIファミリー酵素P5のSAXS構造
Ref. Okumura et al., Structure (2021)
X線小角散乱法により、ヒト由来P5の全長構造を決定しました!P5のa0 ドメインにはユニークな二量体化モチーフが存在することが明らかになりました。