世界初の高度分析技術の開発
燃料電池や蓄電池といった電気化学エネルギー変換デバイスの性能を向上させるためには、電池性能を支配する電極反応のメカニズムを明らかにし、その理解に基づいた適切な材料選択や電極設計、作動条件の最適化を行う必要があります。各種電池の電極反応を調べるには、直流分極測定や交流インピーダンス測定などの電気化学測定が便利であり、広く一般的に使われています。しかし、電気化学測定は、デバイス作動時の電極や電解質の状態に関する直接的な情報を与えてはくれません。そのため、電極反応についての理解を深めるためには、デバイスを作動させながら電極や電解質の物理・化学状態を評価することのできる、いわゆるoperando測定(実動作環境下測定)を行うことが有益です。 雨澤研究室では、特殊環境における測定を可能にする試料ホルダを開発するとともに、兵庫県にある大型放射光施設SPring-8で得られる高輝度X線を利用することで、高度operando測定を行う技術を開発しています。