固体イオニクスについて
固体イオニクスとは?
固体イオニクスとは、固体内のイオンの動きを研究する学問分野です。固体のイオン伝導性がどのように発現するのか、固体内をどのイオンが、どのように伝導するのかを明らかにし、それに基づき材料機能の設計、あるいは新規材料の開発を行うことを目的としています。燃料電池や二次電池などのエネルギー変換デバイスは、物質中をイオンが動く現象を利用したデバイスであるため、固体イオニクスは、これらのデバイスの開発ならびに高性能化・高信頼性化に取り組む上で必須の学問であると言えます。
固体イオニクス材料
固体イオニクスの研究対象となる、固体内をイオンが伝導できる材料のことを、固体イオニクス材料と呼んでいます。固体イオニクス材料は、無機化合物、ガラス、固体高分子あるいはそれらの複合材料など、非常に多岐に及びます。その中でも、雨澤研究室は、特に無機化合物に着目しています。その主な応用展開先としては、燃料電池の中でも最も高いエネルギー変換効率を有する固体酸化物形燃料電池(SOFC)や、スマートフォン、ラップトップPCや電気自動車などのモバイル機器用電源として欠かせないリチウムイオン二次電池(LIB)などがあり、まさに現代の環境・エネルギー問題解決のためのキーマテリアルの一つであると言えます。