固体酸化物形燃料電池用空気極におけるCr被毒メカニズムの評価

固体酸化物形燃料電池の構造材、配管には、Cr 含有合金が使用されています。燃料電池作動中に空気極がさらされるような高温、酸化雰囲気においては、このCr含有合金から、六価のCr を含む化合物が気化します。この六価Cr 含有ガスがSOFC の空気極に到達すると、Cr 化合物が析出し、Cr 被毒と呼ばれる電極性能劣化を引き起こすことが知られています。雨澤研究室では、上述のモデル電極を使用し、固体酸化物形燃料電池用空気極におけるCr 被毒挙動を調べています。このモデル電極は、分極させた際に、電極／電解質界面（ゲート）を起点とし、比較的単純な酸素ポテンシャル分布を示すことに加え、電極表面には、部位に依らず、等濃度のCr 含有ガスが供給されます。そのため、Cr 被毒の定量評価および機構解明に対しても有効であると期待されます。