研究概要
研究概要
タンパク質や有機分子は、複雑な立体構造を形成して機能や特性を発現するため、その構造を明らかにすることが極めて重要です。液体窒素で冷却し試料の電子線照射損傷を低く抑え観察できるクライオ電子顕微鏡(Cryo-EM)を用いると、多種多様な試料の立体構造を明らかにできます。代表的な手法である単粒子解析では、タンパク質の分子像の画像解析から原子配置の情報が得られます。構造変化や揺らぎを捉えることもできるため、構造ダイナミクス研究も可能です。電子線三次元結晶解析では、タンパク質に留まらずいろいろな分子の極微小な結晶から得られる回折パターンを測定・解析することで、試料の構造をより詳細に調べることができます。試料を傾斜させて像を集める電子線トモグラフィーは、細胞組織や大きく不均一な複合体に対して有効です。
「クライオ電子顕微鏡」による先端計測生体超分子や有機化合物の詳細な立体構造に迫る 米 倉 功 治 教授 (PDFで開きます)