環境粉体工学 【地球環境保全に貢献する粉体工学の創成】
加納研究室では、粉体工学に立脚し、DEMコンピュータシミュレーションを活用する粉体プロセスの省エネルギー化や高温粉体プロセスにおけ省化石燃料化による二酸化炭素の排出削減、メカノケミカル法を活用した水素エネルギーの創製による低炭素社会ならびに環境負荷を軽減したリサイクルプロセスの構築による資源循環型社会の実現に貢献する研究を行っています。
1. 省エネルギー化
DEMコンピュータシミュレーションを最大限に活用し、粉体プロセスの高効率化ならびに多様な粉体に対応できる省エネルギー型粉体プロセスシステムの構築
対象プロセス: 粉砕、混合、分級プロセスなど粉体プロセス全般
Fig. 遊星ミル、振動ミルにおける媒体挙動シミュレーション
Fig. DEMと実験を併用した、混合メカニズムの解明と最適装置設計
Fig. DEMによる羽形状の混合速度への影響の解析(左画像をクリックで再生)
Fig. DEM-CFDによる液中での砕料粒子挙動
Fig. ADEM-CFDによる液中での砕料破壊挙動1
Fig. ADEM-CFDによるボール衝突角度が液中での砕料破壊挙動に及ぼす影響
Fig. DEM-MPSによる湿式ボールミル中のボールの運動(左画像をクリックで再生)
Fig. ADEMによる金属粒子群の圧縮(左画像をクリックで再生)
Fig. DEM+SPHによる粒子間の液架橋,ミルククラウンの再現
Fig. DEM-CFDによるスラリーのせん断流動場
Fig. DEM-CFDを用いたジェットミル中の粒子挙動の再現
2. 省化石燃料化
高温粉体プロセス、とりわけ製鉄プロセスを対象とし、コークス使用量の低減による二酸化炭素の排出削減への貢献
対象プロセス: 高炉プロセス、焼結プロセス、造粒プロセス
Fig. 焼結プロセスにおける偏析現象の解析
Fig. ADEM+SPHを用いた加熱による軟化溶融挙動の再現(左画像をクリックで再生)
3. 創エネルギー
メカノケミカル法の導入による低温・常圧化でのバイオマスからの水素製造法を創成し、低炭素社会の実現への貢献
対象プロセス: バイオマスガス化プロセス、バイオマス由来の炭素の水性ガス化プロセス
Fig. 下水汚泥からの連続的水素製造プロセスの創製
4. 再資源化
廃棄物からの目的物質の高効率回収を分級プロセスなどの乾式プロセスに積極的に導入し、環境負荷を低減した方法を考案し、循環型社会の実現に貢献
対象プロセス: 破砕・解砕プロセス、ふるい分けを活用する物理プロセス、メカノケミカル法を活用する化学プロセス
Fig. 都市鉱山(廃電子基板等)からのレアメタルの回収
Fig. 電気パルス粉砕における基板からの部品剥離シミュレーション
Fig. 機械的粉砕による基板の破壊シミュレーション
5. シミュレーションソフトウェアの開発
ボールミル粉砕のシミュレーションツールを開発しました。
学生の皆様へ
加納研究室では上記の研究内容をベースに、それぞれの希望する研究テーマを設定します。
また、研究室で学ぶことで以下の技術や知識を習得できます。
- 粉体工学に関する基礎的、応用的な知識
- コンピュータシミュレーションのプログラミング技術
- DEM、CFD、MPSといった固体や流体に関する数値解析の技術
- メカノケミカル法や水素製造に関連した化学的知識、あるいは実験技術
研究室の方針として学生時代における国際経験を奨励しており、希望する学生には国際会議での発表や海外留学を支援します。
研究内容や学生生活、その他興味がある方は気軽にご連絡ください。
(連絡先アドレス:tagen-kano[at]grp.tohoku.ac.jp) [at]は@に変換して下さい。