私の研究室がある建物は科学計測研究棟、通称科研棟というとても古めかしい建物です。ここには科学計測に人生を捧げた先人の情熱が科学計測の神様(なのか幽霊なのか?)となって棲みついているようです。夜遅く実験室で一人で実験していると、通気口の奥の方から「新しい計測を開発せんかい!」という静かな声が聞こえてきます。怖いでしょう?あんまりに怖いんで柄にも無く極低温磁気測定用プローブを開発してみました。市販品の帯磁率測定装置と組み合わせるという意味では誠に中途半端ですが、とっても手軽に0.5K程度まで帯磁率等が測定出来ます。季節外れのホラーでした。
Taku J Sato, Daisuke Okuyama and Hideo Kimura,
Tiny adiabatic-demagnetization refrigerator for a commercial superconducting quantum interference device magnetometer,
Rev. Sci. Instrum. 87, 123905 (2016)
DOI: http://dx.doi.org/10.1063/1.4972249