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[Publication]歪んだ籠目格子反強磁性体の磁気構造; Magnetic structure in the distorted kagome antiferromagnet

all-in-all-out-kagomeS=1/2 の量子スピンが作る籠目格子反強磁性体は、量子性、次元性、およびフラストレーションの三重効果により新奇な量子液体的基底状態を持つと夢見られています。籠目格子反強磁性体が少し歪むことによりフラストレーションが多少解消されますが、このような系では興味深い磁気秩序が見られることが多くあります。今回調べたCs2Cu3SnF12 もそのような歪んだ量子籠目格子反強磁性体です。結晶構造は P21/nまでおちています。この系で詳細に磁気測定と中性子回折を行ったところ磁気構造はP2′1/n’ で表される all-in-all-out型磁気構造で説明されることがわかりました。あれ?all-in-all-out?もしや?お楽しみですね。ちなみにこの仕事は昨年度 Matan 先生が JSPS 招聘研究者として多元研に滞在された半年で仕上げました。やっぱり同じ場所にいると仕事がはかどりますね。JSPSに大感謝です。

Magnetic structure and high-field magnetization of the distorted kagome lattice antiferromagnet Cs2Cu3SnF12
K. Matan, T. Ono, G. Gitgeatpong, K. de Roos, P. Miao, S. Torii, T. Kamiyama, A. Miyata, A. Matsuo, K. Kindo, S. Takeyama, Y. Nambu, P. Piyawongwatthana, T. J. Sato, and H. Tanaka
Phys. Rev. B. 99, 224404 (2019)
DOI: 10.1103/PhysRevB.99.224404

 

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