交互最小自乗法により、1. 紫外可視吸収分光測定で測定した吸収スペクトルAを、化学種分布Cと各化学種モル吸光係数Eの行列に分解します。
A = C‘ × E
特異値分解により、上の式のCとEを求めることはできますが、特異値分解による分解は単なる数学的分解で、得られた結果に物理的・化学的意義はありません。下の図は特異値分解による分解結果で、左側が化学種分布、右側がモル吸光係数の行列をプロットしたものですが、両方ともありえない負の成分を含んでいます。これをどうにかして負の成分を含まない適切なCとEの行列に分解することが大事です。
ここでは交互最小自乗法(multi-variate curve resolution-alternative least square)を使います。まず、Cの初期値を決めてから、実際上の制約を入れて、繰り返し計算により最適なCとEを求めます。
2.2.2. 解析