共同研究部門では、共同研究成果を発信するために、資源素材学会を中心に成果発表を行っております。
また、産学による非鉄金属製錬業の啓発活動、共同研究活動の紹介も行っております。全国の大学で、資源開発、非鉄金属製錬を専門とする研究室、研究者が減少している状況を改善する一助となるべく、産学連携による研究の推進を図っております。
2022年
2022年9月6日火曜日
資源・素材2022(福岡)企画講演「環境親和性を指向する銅製錬研究の成果と今後の展望」
東北大学多元物質科学研究所と住友金属鉱山株式会社は、国内非鉄製錬業の持続的発展への貢献を目的として、2018年に共同研究部門を立ち上げ、学生への啓発活動と環境に配慮した非鉄金属製錬の研究開発を軸として活動をしてきました。本企画講演では、銅製錬反応に関わる物性研究、反応速度論、未回収有価金属の回収、さらに忌避金属の有効活用まで多岐にわたる研究成果について報告し、今後の展望について議論します。
※残念ながら、当日台風の影響によりセッションが中止となりました。プログラムを掲載致します。
今後もますます共同研究、啓発活動に注力し、国内非鉄金属製錬業へ大きく貢献するために邁進したいと存じます。
皆様のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
講演題目 | 講演者 | |
趣旨説明 | 村松淳司 (東北大学) | |
1 | 自熔炉プロセスにおける銅ロス低減と有用成分回収・利用に関する研究の概要 | 高橋純一、浅野聡 (住友金属鉱山株式会社) |
2 | 高温酸素気流中における各種硫化物の燃焼挙動 | 埜上洋、西村伊織、伊藤昭久、王笑語、夏井俊悟 (東北大学) |
3 | ガスジェット浮遊法を用いたCu2S-FeS融体の表面張力測定 | 安達正芳1、正岡諒也1、大塚誠1、渡邉匡人2、高橋純一3、福山博之1 (1東北大学、2学習院大学、3住友金属鉱山株式会社) |
4 | 銅製錬スラグの粘度測定 | 助永壮平、高橋一誠、田代公則、川西咲子、柴田浩幸 (東北大学) |
5 | 副産物の有効利用に向けた機能材料開発: 太陽電池材料Enargite型Cu3AsO4の電気化学的陽イオン置換による合成 |
鈴木一誓1、小俣孝久1、渡邉寛人2、浅野聡2 (1東北大学、2住友金属鉱山) |
6 | 電気力分離による銅製錬副産物からの有価金属分離手法の開発 | 石原真吾1、久志本築1、加納純也1、浅野聡2 (1東北大学、2住友金属鉱山株式会社) |
7 | 銀塩吸着部位を有するイオン液体による 銅電解液からの銀の選択的濃縮抽出および逆抽出 |
蟹江澄志、宮西遼、富木優介、松原正樹、村松淳司 (東北大学) |
8 | 多段陰イオン交換カラム法による銅電解液からの銀の回収 | 打越雅仁1、渡邉寛人2、浅野聡2 (1東北大学、2住友金属鉱山株式会社) |
2021年
2021年9月14日火曜日
資源・素材2021(札幌)企画講演「銅製錬未踏領域への挑戦—製錬反応の理解から未利用副産物の活用まで—」
人類最初の工業の一つと言える銅製錬は様々な技術の変遷、改良を経て、現在の技術に辿り着きました。しかしながら、それでも未解明な現象が多くあり、今後も改善されていくでしょう。未だ不明な精鉱の燃焼反応、セトラー部での銅ロス、有価副産物の不十分な回収、環境汚染物質の処理などの課題を抱えています。世界を持続可能なものとするためには、情報化社会を支える非鉄金属素材の効率的生産が要求されています。銅製錬の未踏領域である製錬反応の解明から未利用副産物の活用について議論するため、セッションを企画致しました。
住友金属鉱山株式会社と本研究部門の共同研究成果について講演を行いました。住友金属鉱山株式会社からは、高橋純一様より、共同研究成果をいかにして実業へつなげるかについての方針についてのご講演がございました。続いて具体的内容について、共同研究各担当者から講演を行いました。
前回企画講演に引き続き、100名以上の方々が聴講してくださいました。本共同研究部門の活動への高い関心の現れであり、業界発展に寄与する成果への期待の大きさに身の引き締まる思いです。今後もますます共同研究、啓発活動に注力し、国内非鉄金属製錬業へ大きく貢献するために邁進したいと存じます。
皆様のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
講演題目 | 講演者 | |
趣旨説明 | 村松淳司(東北大学) | |
1 | 自熔炉銅ロス低減研究の概要と具体的展開について | 高橋純一(住友金属鉱山株式会社) |
2 | Deep Learningによる実銅精鉱燃焼パターン分類の基礎検討 | 夏井俊悟、西村伊織、伊藤昭久、埜上洋 (東北大学) |
3 | 浮遊法を用いたCu2SおよびFeS融体の熱物性測定 | 安達正芳1、正岡諒也1、大塚誠1、渡邉匡人2、高橋純一3、福山博之1 (1東北大学、2学習院大学、3住友金属鉱山株式会社) |
4 | Effect of FeS concentration on SO2 formation at Cu2S-FeS matte/magnetite interface investigated by in-situ observation |
Seung-Hwan Shin1, Sakiko Kawanishi1, Sohei Sukenaga1, Junichi Takahashi2, and Hiroyuki Shibata1 (1Tohoku University, 2SMM Co., LTD) |
5 | 電気力分離による銅製錬工程未回収有価金属の選別手法の開発 | 久志本築1、石原真吾1、浅野聡2、加納純也1 (1東北大学、2住友金属鉱山株式会社) |
6 | イオン液体による銅電解液からの銀の選択的抽出および逆抽出 | 蟹江澄志、宮西遼、村松淳司(東北大学) |
7 | 陰イオン交換カラム法による銅電解液からの銀の回収 | 打越雅仁1、渡邉寛人2、浅野聡2 (1東北大学、2住友金属鉱山株式会社) |
2020年
2020年9月8日火曜日
資源・素材2020(仙台)企画講演「ポストコロナ新時代の非鉄金属製錬研究への期待と展望」
新型コロナウィルス禍で、Web 会議の有用性が認識され、情報化社会へ一段と加速し、一気に Society 5.0 時代の到来が予想されます。Society 5.0 時代における情報機器を基盤とする社会を支えるのは、金属素材であるといえるでしょう。加えて、新型コロナウィルスの蔓延は、行き過ぎたグローバリゼーションに警鐘を鳴らし、我が国の資源確保と製錬技術の維持発展の重要性を再認識させました。そこで、ポストコロナ時代の金属製錬業における課題抽出を行い、新たな方向性について広く議論するこ とを目的として、本企画講演を企画致しました。
企画講演では、東北大学工学研究科長 長坂徹也教授、同レアメタル・グリーンイノベーション研究開発センター長 杉本諭教授に、現代の冶金学、資源循環研究を取り巻く状況について基調講演を頂きました。
続いて、住友金属鉱山株式会社と本研究部門の共同研究成果について講演を行いました。住友金属鉱山株式会社からは、高橋純一様、浅野聡様より、共同研究成果をいかにして実業へつなげるかについての方針についてのご講演がございました。具体的内容について、共同研究各担当者から講演を行いました。
全体を通じて、100名以上の方々が聴講してくださいました。本共同研究部門の活動への高い関心の現れであり、業界発展に寄与する成果への期待の大きさに身の引き締まる思いです。今後もますます共同研究、啓発活動に注力し、国内非鉄金属製錬業へ大きく貢献するために邁進したいと存じます。
皆様のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
講演題目 | 講演者 | |
基調講演1 | 資源が循環する社会の創造を目指して —磁石研究から見たレアメタル・グリーンイノベーション— |
杉本諭(東北大学) |
基調講演2 | 冶金学は本当に絶滅危惧種か? | 長坂徹也、松八重一代(東北大学) |
1 | 非鉄金属製錬研究乾式テーマ成果の 実業への具体的展開について |
高橋純一(住友金属鉱山株式会社) |
2 | ガスジェット浮遊技術を用いた Cu2S融体の熱物性測定 |
安達正芳1、後藤宏樹1、大塚誠1、渡邉匡人2、高橋純一3、 福山博之1(1東北大学、2学習院大学、3住友金属鉱山株式会社) |
3 | マグネタイト/マット間界面の その場観察による反応解析 |
川西咲子1、申勝煥1、助永壮平1、高橋純一2、柴田浩幸1 (1東北大学、2住友金属鉱山株式会社) |
4 | 鉄濃度の高いケイ酸塩スラグのガラス化 | 助永壮平、Mai Paolo、川西咲子、柴田浩幸(東北大学) |
5 | 懸垂した銅精鉱小塊の燃焼挙動の その場観察による反応メカニズムの検討 |
西村伊織、夏井俊悟、伊藤昭久、埜上洋(東北大学) |
6 | 湿式テーマ成果の実業への具体的展開について | 浅野聡(住友金属鉱山株式会社) |
7 | 浮選による銅製錬工程未回収有価金属の分離手法の開発 | 石原真吾、打越雅仁、加納純也(東北大学) |
8 | イオン液体による銅電解液からの銀の抽出 | 蟹江澄志、宮西遼、半澤直諭、村松淳司(東北大学) |
9 | 陰イオン交換法による銅電解液からの 銀の回収における脱離溶媒の検討 |
打越雅仁1、渡邉寛人2、浅野聡2(東北大学) |
10 | 副産物の有効利用に向けた機能材料開発: 太陽電池材料Enargite型Cu3AsO4のイオン交換による合成 |
鈴木一誓1、小俣孝久1、渡邉寛人2、浅野聡2 (1東北大学、2住友金属鉱山株式会社) |
本企画講演では、基調講演をお引き受けくださった長坂徹也先生、杉本諭先生をはじめ、多くの方々にご協力を頂きました。
ここに謝意を表します。
2019年
2019年学会活動では、まず資源・素材学会平成31 (2019) 年度春季大会において、中村プロジェクト(東北発素材技術先導プロジェクト:希少元素高効率抽出技術領域)の総まとめを行いました。続いて、資源・素材2019(京都)において、共同研究部門発足から1年半の研究成果を報告致しました。また、最近様々なところで活発化している非鉄金属製錬業の産学連携について広く知ってもらうために、産学連携を推進している大学、企業の方々とともにシンポジウムで当部門をアピールしました。
2019年11月28日木曜日
東北大学 多元物質科学研究所–住友金属鉱山共同研究ユニット発足2年目の実績
東京大学 生産技術研究所 非鉄金属資源循環工学寄付研究部門(JX金属寄付ユニット)主催の「素材プロセッシング分野(環境リサイクルを含む)における産学連携に関するシンポジウム」にて、小俣孝久教授が講演致しました。本講演で、共同研究部門の教育、研究に関する取り組みについて紹介致しました。
題目:東北大学 多元物質科学研究所–住友金属鉱山共同研究ユニット発足2年目の実績
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2019年9月24日火曜日
資源・素材2019(京都)企画講演「非鉄金属製錬業における課題と解決に向けた取り組み」
共同研究部門では「国内非鉄金属製錬業の持続的発展」を目指し、「非鉄金属製錬業全体に資する研究」を推進しております。
- 各種スクラップを含めた製錬原料に含まれる多様な金属を効率的に分離回収、およびその金属の用途開発に関する研究
- 非鉄金属製錬操業の先進化技術に関する研究
- 非鉄金属製錬中間物および廃棄物の有効利用と再資源化に関する研究
共同研究部門発足から1年半の成果を発信するために企画致しました。当日は、更なる研究の推進に向けてのご意見、ご指導を多く頂戴し、活発な議論をすることが出来ました。
講演題目 | 講演者 | |
1 | 懸垂銅精鉱小塊の燃焼試験 | 埜上洋、西村伊織、夏井俊悟(東北大学) |
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2 | 鉄ケイ酸塩スラグの還元過程における表面張力変化 | 助永壮平1、川西咲子1、打越雅仁1、石原真吾1、夏井俊悟1、大野光一郎2、 齊藤敬高2、中島邦彦2、柴田浩幸1(1. 東北大学、2. 九州大学) |
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3 | Cu2S融体の非接触熱物性測定 | 安達正芳1、後藤宏基1、大塚誠1、高橋純一2、福山博之1 (1. 東北大学、2. 住友金属鉱山株式会社) |
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4 | 粉砕による銅製錬工程からの有価金属回収 | 石原真吾、打越雅仁、加納純也(東北大学) |
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5 | 陰イオン交換法による銅電解液からの銀の回収 | 打越雅仁1、渡邉寛人2、浅野聡2 (1. 東北大学、2. 住友金属鉱山株式会社) |
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6 | アミノ基修飾機能性イオン液体を用いた貴金属元素の 高効率かつ高選択的抽出/逆抽出 |
蟹江澄志、半澤直諭、村松淳司(東北大学) |
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7 | 副産物の有効利用に向けた機能材料開発; Enargite型Cu3As(S,O)4の太陽電池材料としてのポテンシャル |
鈴木一誓1、小俣孝久1、大橋直樹2、渡邉寛人3、浅野聡3 (1. 東北大学、2. 物質・材料研究機構、3. 住友金属鉱山株式会社) |
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2019年3月7日木曜日
資源・素材学会平成31 (2019) 年度春季大会企画講演「希少金属元素の抽出と利用の最前線」
平成24年から29年の5年間、中村崇先生をプロジェクトリーダーとする東北発素材技術先導プロジェクトの一つとして
「希少元素高効率抽出技術領域」の研究開発が行われました。
このプロジェクトは東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地域の復興を目的の一つとして掲げており、それまでの大学の研究開発とは異なり、地元企業、地元自治体にご協力頂き、積極的に参加して頂きました。復興だけではなく、現在日本が抱える資源リサイクル、再生に関する課題を解決するという目的もあり、得られた成果を総括して、総合的レアメタル・金属リサイクルプロセスを提案することを目標としました。
本企画講演は、共同研究部門と密接な連携をとっている弊所金属資源プロセス研究センターと共同の企画講演です。
希少元素高効率抽出技術領域の成果を報告し、資源リサイクルに関する今後の研究活動、実用化に向けての第一歩とするために企画致しました。物理選別技術と化学分離技術の高度化から一つずつ、応用技術開発から四つ、構造解析支援から一つ、計七つの研究テーマについてご講演を頂きました。
講演題目 | 講演者 | |
1 | 電気パルスによるプリント基板破砕 | 石原真吾、加納純也(東北大学) |
2 | 臭素系難燃剤の熱分解と金属成分との反応に関する諸挙動について | 柴田悦郎、飯塚淳(東北大学) |
3 | 貴金属等の回収を目的とする高効率抽出剤の開発 | 柴山敦、山田学、芳賀一寿(秋田大学) |
4 | 貴金属類の選択抽出用イオン液体の設計と合成 | 村松淳司(東北大学) |
5 | 自動車系レアメタルの回収に関する基礎的研究 | 山口勉功(早稲田大学) |
6 | Taを含む溶融塩の構造解析 | 篠田弘造、打越雅仁、佐藤修彰(東北大学) |
7 | タンタルの溶融塩電解 | 打越雅仁、秋山大輔、篠田弘造、佐藤修彰(東北大学) |
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本企画講演には、多方面の方々にご協力、ご講演頂きました。ここに謝意を表します。
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2018年
2018年9月10日月曜日
資源・素材2018(福岡)企画講演「非鉄金属製錬における産学連携の推進」
非鉄金属製錬分野では秋田大学-DOWAホールディング、東北大学-住友金属鉱山、東京大学-JX金属、京都大学-三菱マテリアルと寄付講座が設置されています。非鉄金属製錬分野における産学連携の、過去の実績、現在の状況、将来のあり方について整理し、共通認識を形成するとともに、財産・情報として共有することを目的として企画されました。
- 過去:大学の個別研究室と非鉄金属製錬企業との強い結びつきを基にした研究開発。
- 現在:企業による教育や情報公開主体の寄付講座の開設。講座を通じての人材確保。
- 将来:大学の製錬分野講座、寄付講座を巻き込む連携を通じた非鉄金属製錬業の新たな展開、持続的発展。
講演題目 | 講演者 | |
1 | 非鉄製錬分野における産学連携の過去、現在、未来 | 中村崇(福岡県リサイクル総合研究事業化センター) |
2 | これからの産学連携のあり方と課題 | 岡部徹(東京大学生産技術研究所) |
3 | 東京大学との産学連携1期目の成果と2期目の展望 | 結城典夫(JX金属株式会社) |
4 | 教育をベースとした産学連携の実践と社会人向けWEB講座の紹介 | 宇田哲也(京都大学) |
5 | 共同研究部門設立の背景と期待 | 今村正樹(住友金属鉱山株式会社) |
6 | 共同研究部門発足と今年度の予定 | 打越雅仁(東北大学多元物質科学研究所) |
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本企画講演には、多方面の方々にご協力、ご講演頂きました。ここに謝意を表します。