2)生細胞内・生体内分子機能の光操作 〔光薬理学・光化学生物学〕
細胞内の生理活性分子の機能を調べるもう一つの手法は、特定の分子の局在・量・機能に摂動を与えて、その細胞応答を観察する手法があります。薬物を用いたこのようなアプローチは薬理学と呼ばれ、古くから医学・生物学における重要な研究手法の一つでした。近年、この薬理学的手法を光技術と組み合わせることでさらに高度に発展させた手法が注目されています。蛍光顕微鏡を用いると、特定の波長の光を、細胞内の微小領域に当てることができます。もし、光を当てたところに特定の蛋白質を集積させたり、その機能を活性化あるいは不活性化することができれば、光を照射した細胞と照射していない細胞の応答を同時に観察することで、生きた細胞内の分子の機能を精密に調べることができます。当研究室では、光によって不可逆的に機能を制御できるケージド化合物と、可逆的に制御できるフォトスイッチ化合物の二種類の機能性分子を設計・合成し、生体分子機能の光制御技術の開発に取り組んでいます。
進行中の主な研究テーマ
1)細胞内局所の生体分子ダイナミクスの可視化 〔バイオイメージング〕
3)蛋白質の機能解明と新機能の付与 〔生物無機化学・蛋白質工学〕
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