■自立GaN基板上への非極性m面GaNホモエピタキシャル成長
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(a)m面GaN基板の表面AFM像。m面GaNホモエピタキシャル薄膜の(b)表面AFM像と(c)X線ロッキングカーブ
Appl. Phys. Lett. 92, 091912 1-3; erratum 93, 129901 1. |
左図に本研究室で成長したm面GaN薄膜の原子間力顕微鏡(AFM)像、とX線ロッキングカーブ(XRC)を示します。成長用基板にはハライド気相法によりc軸方向に成長させ、その後c面と垂直に切り出した自立m面GaNを用いました。この基板上にホモエピ成長したところ、表面には規則的に並んだ原子層ステップが観測され、XRC半値幅は(10-10)回折で31arcsec、(10-12)回折で48arcsecと基板と同等な値が得られています。
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(a)m面GaN基板およびm面GaNホモエピタキシャル薄膜の室温PLスペクトル
(b)室温時間分解PL信号
(c)有効PL寿命(τPL,eff)とPL半値全幅のV/III比依存性
Appl. Phys. Lett. 92, 091912 1-3; erratum 93, 129901 1. |
(a)には、室温のPLスペクトルを示しました。
スペクトルは対数表示なので注意して下さい。3.41eVにバンド端発光が支配的に観測されています。半値全幅(FWHM)は37~43meVとなりました。
(b)には、室温の時間分解PL信号を示しました。
m面GaNホモエピタキシャル薄膜で、最も長い減衰が得られていました。
(c)には、有効PL寿命(τPL,eff)とPL半値全幅のV/III比依存性を示しました。
室温では、非輻射再結合過程が支配的となるため、有効PL寿命は非輻射再結合を表していると考えることができます。V/III比の増加に伴いτPL,effが増加していることから、非輻射性の欠陥の混入が抑制されていることが分かります。
τPL,effは268psとなりました。この値は、世界最長記録です!
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10Kにおける偏光依存PLスペクトル
α(k // c,E ⊥ c)、σ(k ⊥ c,E ⊥ c)、
π(k ⊥
c,E // c)は偏光測定の配置関係を表す。
cは結晶のc軸、kは光の進行方向、
Eは光の電場ベクトルの方向を表す。
Appl. Phys. Lett. 92, 091912 1-3; erratum 93, 129901 1. |
左図に10Kにおける偏光依存PLスペクトルを示します。
ご覧下さい、GaNの価電子帯の光学異方性を反映した詳細な構造が観測されています。
これらの結果は、本研究室で成長したm面GaN薄膜が優れた品質であることを示しています。^^)v |
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