電極反応がどの場所でどのくらい進んでいるのかを明らかにする
藤巻 義信
電池が作動していても、電極全体で均等に化学反応が起こっているわけではありません。実際は電極の一部しか機能していないことがほとんどです。私は、その“実際に電極反応が進行する領域”である電極反応場の評価に取り組んでいます。特に、次世代を担うクリーンエネルギー技術の1つ、固体酸化物形燃料電池 (SOFC)の空気極を対象とする研究です。
電極反応場はSOFCの高性能化/高信頼性化のために重要な情報です。電極反応の分布を正しく把握することにより、電極設計・作動条件の最適化に活かすことが出来るのです。
電極反応場の評価手法には、(1)X線吸収分光(XAS)測定を用いています。私たちの研究グループでは、モデルセルを作動させながらXAS測定ができる装置を開発し、電極反応場のその場測定に成功しています(世界初!!)。さらに、最近では(2)シミュレーションによる評価、(3)二次イオン質量分析(SIMS)測定による定量的な評価にも挑戦しています。
※それぞれ以下の研究機関との共同研究
1高輝度光科学研究センター(JASRI)
2Karlsruhe Institute of Technology、Heidelberg University(Germany)
3産業技術総合研究所(AIST)