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ドクター進学者へのインタビュー (藤巻義信君)





-博士をとろうと思ったきっかけは?
何よりも実験が好きだったことが一番の理由です。修士の段階である程度形になってきていた研究を、自分が納得できるところまで突きつめてみたいと考えて、進学を選びました。また、もともと英語が好きだったので、将来は国際的な場で活動したいという希望がありましたが、進学した方がそのチャンスが多いと考えたことも理由の一つです。

-進学を決めるに当たり、両親や家族に相談しましたか?
僕の両親は、進路は自分の好きなように決めていいと言ってくれていたので、進学を決めた後に報告させていただきました。

-進学する際には、どのような試験を受けたのですか?大変でしたか?
僕の場合、修士の頃は環境科学研究科に属していたため、ドクターへの進学は、工学研究科への編入という形になりました。編入の際、修士の頃の研究と、博士課程で行いたい研究に関して、工学研究科の先生方数名の前で発表しました。これが試験の代わりとなりました。
修論提出から試験までほとんど時間がなかったので、発表資料の準備がとても大変でした。しかしながら、雨澤先生が親身にアドバイスを下さったので、とても助かりました。

-講義は大変ですか?
いえいえ。基本的には、夏休みと冬休みの間の集中講義を受講して、さらに国際学会への参加を単位として認定してもらうよう申請を行えば、卒業に必要な単位は揃うので、特に大変だと感じたことはありません。

-修士と博士では、何が大きく違いますか?
やっぱり、自由度が高いことだと思います。最終的なゴール以外は、実験計画も、一日の過ごし方も含めて、全て自分でマネージメントすることになります。そのため、考えなければならないことが増える半面、ある程度自分の好きなように研究に進めることができる点が、博士と修士の大きな違いだと思います。

-教授、スタッフのサポートはどうですか?
僕は、人に聞くよりも自分であれこれ試行錯誤を繰り返すタイプなので、先生方に実験に関する直接的なアドバイスを乞うことはそこまで多くありませんでした。一方で、実験結果の解釈の仕方や、学会発表における論理的なプレゼンの仕方などに関しては、毎月のゼミでの進捗報告会や、学会発表練習などで、いつも大変親身に指導していただいていると感じています。

-ドクターに進学してみて大変だと思ったことは?
後輩の指導かなと思います。博士課程に進むと、自分の研究を進めるだけでなく、ある程度後輩の面倒も見ることになります。そのため、後輩の研究内容や、進捗状況なども常に頭に入れておく必要があります。その上で、ある程度研究の方向性を示してあげたり、助けを求められたときには適切なアドバイスをしなければならないので、修士の頃に比べて責任が増したなと感じますね。

-ドクターに進学してみてよかったと思うことは?
僕は、産総研やドイツの大学などと共同研究をさせてもらっていますが、そのような場を通じて色々な人と交流をもてるのがとても楽しいです。また、国内外の学会にも数多く参加させてもらいましたが、そこで似たテーマを研究する同世代の研究者とつながりをもてたことも、ドクターに進学してよかったと思ったことの一つですね。それに、修士の頃から行っていた研究を形にできたことが、やっぱりなによりうれしいです。

-進路に悩む後輩に、何かメッセージはありますか?
進路などに悩んだら、まず先輩に生の声をたくさん聞いてみるといいですよ。ただやみくもに進路を選択するのではなく、色々な人の話を聞いたうえで、自分に合うかどうかを判断するのがいいと思います。