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概要

TAGEN FOREFRONT 05

FOREFRONT REVIEW05TERM INFORMATION電子波束あるいは国内で閉じるのではなく、海外との協目指しています。量子論において粒子は波動関数を用いて表現さ力体制の中で研究を進めています。れる。特に局在化した一粒子状態の波動関数は波の塊としての波束で表され、粒子の運動は波束「マクロな分子の構造の変化はミリ秒の運動と見なされる。従って物質中の電子の動的過程(ダイナミクス)は電子波束の動きとして捉える(10先端計測技術を開発し秒)、分子の反応はピコ秒(10-12秒)、必要がある。電子波束ダイナミクスはフェムト秒(10-15秒)量子過程のオーダーです。電子の動きを詳細に見最先端の光源と組み合わせるようとすると、アト秒(10-18物質中の原子・分子・電子などミクロな粒子の動秒)レベルの分的過程は量子論により記述される。量子過程は、単一分子の量子過程を見るために独自の最先端計測技術を提案上田潔教授は1982年より多元物質設、例えばSPring?8に持っていって研究をしているわけです。」と語る上田教授。大型放射光施設であるSPring?8は、解能が必要になってきます」。上田研究室では、フェムト秒の分解能を持つフェムト秒パルスレーザーをもとに超高速分子イメージングを行ってきました。レーザーで誘起した再衝突電子を用いてラスターの多光子イオン化過程を明らかにしました。光学レーザーと組み合わせたポンプ・プローブ計測による時間分解光電子分光法も確立し、これらの研究をさらに展開しています。最新の極紫外自由子の内殻多重イオン化実験、分子のX線2光子光電子分光、ポンプ・プローブ法による超高速電子ダイナミクスに関する国際共同研究を展開しています。X線自由電子レーザーは通常の光共振特に古典論では説明困難な波動的性質を持つミクロな粒子の動的過程のことを指しており、波に特有の干渉や回折などの現象を伴う。希ガスクラスター原子・分子が複数個集まって生成した集合体のことをクラスターと呼ぶ。不活性な希ガス原子でも弱科学研究所の前身のひとつである科学計世界最高性能の放射光を利用することが電子回折実験を行うことにより、原理的に電子レーザー施設FERMI(伊)では、空器を用いた光増幅ではなく、多数の磁石い分子間力(ファンデルワールス力)により数個か測研究所に所属して、独自の計測法のできる実験施設で、国内外の研究者に広は1フェムト秒を切る時間分解能での構造間的にコヒーレントなだけでなく時間的に列からなる非常に長い挿入デバイス(アンら数万個を超えるサイズのクラスターを生成することができ、気相でも固相でもないその中間にある状研究をしてきました。以来、様々な「新しく開かれた共同利用施設として、物質科解析が可能となります。このレーザー誘もコヒーレントなパルスが生成されるので、ジュレーター)内を光の塊が蛇行運動する態として注目されている。い計測法」と「最新の光源」とを組み合わせて、電子・分子ダイナミクスを詳細に観察することを研究主題としてきました。「我々の研究室では、まさに化学反応をしている最中の原子の動き、電子波束の学・地球科学・生命科学などの分野で優れた研究成果をあげています。上田研究室ではこのような施設で国際共同研究を続けています。「新しく開発した計測技術と最先端の起再散乱電子を用いた原子・分子の時間分解イメージング法の開発に向けた第一歩を示しました。SPring?8、Soleil、PETRAⅢなどのシンクロトロン放射光施設が誕生すると、このフルコヒーレントパルスを利用して初めて可能となる分光実験やコヒーレント制御実験も開始しました。まさに光源の進化とあわせるように、研究内容の深化につながっていることがわ際に、後ろの電子から出る光と前の電子との相互作用によって電子を波長間隔に並べ、コヒーレントなX線を発生させる自己増幅自発放射機構によって実現しています。多光子イオン化過程一般に物質を光イオン化するためにはそのイオン化ポテンシャル以上のエネルギーを持つ短波長光を照射する必要がある。だがイオン化ポテンシャル以下のエネルギーしか持たない長波長の光でも、ピーク強度の強いパルスレーザー光などを用いる動きを捉えることを目指しています。単一光源によって、電子の動きがどうなっていそれらの施設で超高速分子ダイナミクス・かります。2014年の時点において、米国のLCLSと、複数の光子を物質が吸収しイオン化すること分子の『量子過程』を見るために、私たちは独自の最先端計測技術を提案・開発るか?分子の形がどうなっているか?など様々な観点で観察しています」。超高速エネルギー・電荷移動などの研究を行ってきました。その他、等核2原子X線自由電子レーザーでの他に、日本の技術の粋を結集することによって完成したSPring?8Angstromが可能となる。この現象を多光子イオン化過程と呼ぶ。し、世界の様々な最先端の光源がある施分子の内殻光電子放出、オージェ電子超高速電子分子ダイナミクスを見るCompactfree electronLaser(SACLA)内殻光電子放出短い時間領域の現象を見るために放出における量子干渉と量子もつれ、分自由電子レーザーとは自由電子のビーが稼働しています。上田研究室では、こ原子や分子中の電子は電子軌道に収容されてい最先端の光源を活用電子・分子のダイナミクスを調べようとすると、より短い時間スケールでの観察が子座標系における内殻光電子放出角度分布測定による分子イメージングなどの研究を行ってきました。ムと電磁場との共鳴的な相互作用によってコヒーレント光を発生させる方式のレーザーのことです。媒質によって発する光のX線自由電子レーザーを用いて超高速電子ダイナミクスの研究、ナノ結晶や生体分子のダイナミックイメージング、文部る。原子核に近い電子軌道を内殻軌道と呼び、内殻軌道に収容されている電子を内殻電子と呼ぶ。X線のような高エネルギーの光を原子や分子に照射すると内殻電子が原子や分子から飛び出す。この現象を内殻光電子放出と呼ぶ。内殻光電子は必要になります。さらに、FLASH(独)、SCSS(日)などの波長が決まる一般のレーザーと異なり、科学省重点戦略研究課題「気相・液相・対応する原子核近傍から放出されるとみなすことが出来る。キセノン原子線気相の原子や分子を高真空中に導入する際、比てそれらの成果をもとに、反応を自由に制御することです。較的高圧下の気体ガスを小さな径のピンホールか「その中で、アメリカLCLSでX線自由電電子移動観測などの実験を進めるためにら真空槽内に噴出させることで、速度の揃った粒子ビームを得ることが出来る。これを原子線・分子子レーザーができた時は、世界が震撼しま必要な装置を次々と開発しています」。線と呼ぶ。原子線・分子線中ではほとんど衝突がMY FAVORITEした。X線領域で可干渉性を持ち、短いないことから、単独の気相原子・分子やクラスター海外の文化に触れる楽しみ。オペラ座でバレエを見ることもありますの実験に理想的な環境であり、Xe原子の測定にパルス幅、大きなピーク輝度を持つことが国際会議などで海外に行くことが多いのですが、風景の違い、風土の違い、文化の違いを体我々はキセノン原子線を用いた。験することができて楽しいです。また、海外の研究者と地元の風景の中で語らいができるのも有意義です。オフタイムにはその地域ならではの文化を楽しむことが好きですね、例えばパリのオペラ座などにバレエを見にいくことがあります。やはり本場で観ると壮観ですね。特長です」。上田研究室は、LCLSでもX線自由電子レーザーによってはじめて可能となる原オージェ電子放出励起状態にある原子がより安定な状態に遷移するとき、準位間のエネルギー差に等しいエネルギーを原子内の他の電子に与えて非放射的に遷移もう亡くなってしまいましたが、世界的に有名なドイツのモダンバレエの振り付け師であるピナ・バ日本では、技術の粋を結集することによって完成したSPring?8し、その際に1個の電子を放出する現象をオージェウシュの舞台をフランスで見ることができました。帰国してからもピナの映画を家族で観て、我が家AngstromCompactfreeelectronLaser(SACLA)が稼効果と呼び、その時に放出される電子はオージェでは当分の間ブームになっていました。働しています。上田研究室では、最新鋭のSACLAにおいて、電子と呼ばれる。X線自由電子レーザーを用いた分子イメージング・分子動画フランスでの国際学会でモンサンミッシェルを撮影などの実験を進めていきます。右の写真はSACLAで見よ訪れた時の学会議長との散策のひとときうとする化学反応を誘起する光学レーザー。31 TAGEN FOREFRONTTAGEN FOREFRONT