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概要

TAGEN FOREFRONT 05

FOREFRONT REVIEW03ナトリウムを利用した新物質合成と新規材料合成プロセスへFOREFRONT REVIEWあくなき、窒化物をはじめとする新規無機化合物の探索。キーワードは溶媒(フラックス)。山根研究室では、新物質の合成とそれらの結晶構造や特性の解明を進めるとともに、その過程で見いだされる知見を応用して、より低温・低圧力条件での合成が可能となる既存材料の新たな合成プロセスの開拓を目指しています。多元物質科学研究所新機能無機物質探索研究センター無機固体材料合成研究分野教授山根久典YAMANE, Hisanori1958年、岩手県生まれ。大阪大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。東北大学金属材料研究所助手、東北大学素材工学研究所助教授、東北大学多元物質科学研究所助教授、アメリカ合衆国コーネル大学文部省在外研究員、東北大学多元物質科学研究所教授、東北大学学際科学国際高等研究センター教授、2011年より現職。日本セラミックス協会、日本化学会、日本金属学会、応用物理学会、粉体粉末冶金協会、日本結晶学会所属。第39回市村学術賞、第63回日本セラミックス協会学術賞。希少資源・不足資源をどうしていくか?我が国では今、「希少資源および不足資源の代替並びに効率的利用」を目的とした元素戦略に関する研究が進められています。山根研究室ではこの課題に対して、豊富に存在する元素の従来とは異なる新たな利用法を開拓することも、資源の有効活用として意味あることだと考えます。多種元素の組み合せからなる無機化合物には未開拓の物質群が数多く存在し、既知の材料にはない特性をもつ物質が潜んでいる可能性があります。新規物質の発見が直ちに実用材料に結びつくとは言えませんが、未知の性質を有する物質が見出される可能性があり、多元系で生成する物質の探索や生成相の関係を明らかにすることは、大学の基礎研究に託された大切な課題のひとつではないかと山根教授は考えます。研究室では固体化学の観点から、新規多元系無機化合物の探索と、得られた物質の構造解析や特性評価を行い、それらの新しいセラミックス素材としての可能性を探求しています。さらにこれまで無機物質合成であまり用いられることのなかったナトリウム(Na)をフラックス(溶媒)に利用することで、新たな化合物群の合成を研究しています。セラミックス素材の作製法として一般的な固相反応法に加え、金属ナトリウムなどの金属融液を利用した新たな合成方法を研究することで、従来法では合成が困難な条件での微粉体や単結晶、多孔体など様々な形態の無機材料合成と、新たな機能を有するセラミックス素材の開拓を目指しています。金属溶媒による新たなプロセスの開拓により、低温で低圧力という簡易な環境で効率よく合成を行うことができ、既存の素材の実用化が進むと同時に、従来法では不可能だった新規物質の発見につながることが期待されています。http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=1617 TAGEN FOREFRONTTAGEN FOREFRONT18