ブックタイトルTAGEN FOREFRONT 04
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TAGEN FOREFRONT 04
TERM INFORMATIONπ電子系化合物ベンゼンやナフタレンなどを代表とする芳香族化合物であり、炭化水素のみで構成された芳香族炭化水素と環構造に炭素以外の元素を含むものを複素芳香族化合物がある。伝導性・光機能・磁性などの機能発現に利用可能な活性な電子を有する事から、有機エレクトロニクスへの応用が研究されている。両親媒性物質左は、X線結晶構造解析装置。X線を物質に当てると、一部は吸収されたり、原子核のまわりを回っている電子によって散乱されたりします。この散乱されたX線を観測することにより、物質の中の電子の分布、つまり物質の3次元構造を知ることができます。右は、ナノ構造測定室にあるAFMを活用したオリジナルの電導性測定装置。1つの分子内に水になじむ親水基と油になじむ疎水基の両方を持つ分子であり、界面活性剤として利用されている。また、水中で疎水部分が凝集してミセルやベシクルなどのナノからメゾスケールの特徴ある分子集合体を形成する。説明します。作製した材料について測定装置を自作して物性評価作製した材料の物性評価、たとえば、電気伝導度・磁性・誘電率の測定、単結晶X線結晶構造解析なども、芥川研究室においては重要なファクターのひとつとなっています。ナノ構造測定室には、日本でも3台しかないという希少な装置があります。AFM(原子間力顕微鏡)は、ふつう物質表面の構造などの形状を測定しますが、ナノスケールの物体の伝導性を測る場合に、試料表面を傷つけないようにしなければいけません。こうした課題をクリアする目的で、芥川教授はこの分野に詳しい大阪大学との共同で装置を製作したものです。今では多くの研究者の測定依頼も受けています。測定装置の自作をしながら、物性評価のノウハウを蓄積し、材料創製段階後の研究過程にスピード感をもって臨んでいます。「研究室のメンバーがせっかく苦労して作ったものなら、すぐにでも測定して検証してみたいという思いから」と芥川教授。「作る」ところから「測る」ところまで、よどみなく完結できるわけです。物性評価の経験とノウハウを蓄積していくと、材料作成段階で「こういう物質では測定できない」というような予測を立てられるようになるといいます。化学の分野では、電子回路の勉強まではふつうしませんが、化学専門でありながら、物理学、あるいは電子工学への関心が深いのは「北大にいた時に自分は化学でしたが同僚が物理専攻で、何かと身近で影響を受けたことが土台になっている。今は測定システムのプログラミングもやります」と、芥川教授は話します。巨大無機クラスターモリブデン酸の脱水縮合により形成するポリオキソメタレートは、直径が数ナノメートルにもおよぶ環状や球状の巨大クラスター構造を形成する。ナノスケールで構造が正確に決まったクラスターは、次世代のナノ電子材料として興味深い研究対象である。また、一つのクラスター内に100個以上の遷移金属イオンを含むことから、たくさんの電子を貯蔵することが可能な多段階電子貯蔵物質として興味が持たれる。金属錯体分子の中心に金属、金属イオンが存在し、それを取り囲むように非共有電子対を持つ配位子と呼ばれるものからなる化合物。中心金属は、Fe,Co,Ni,Cuなどの遷移金属が一般的である。金属錯体は、有機化合物や無機化合物のどちらとも異なる多くの特徴的性質を示すため、伝導性・磁性・光機能性の観点から活発な研究が行われている。柔粘性結晶固体と液体の中間状態であり、結晶構造に3次元的な位置規則性があるものの、分子配向に規則性が無い状態をとなる。温度や圧力変化に対して秩序相から無秩序相への相転移を示す。柔粘性結晶の代表的な化合物として、四塩化炭素、シクロヘキサン、アダマンタン、フラーレンなどが挙げられる。芥川研究室では、有機分子の設計自由度に着目した分子集合体の多重機能の構築および無機材料とのハイブリッド化を試みています。導電性・磁性・強誘電性の観点から、分子性材料の電子-スピン構造を設計し、その集合状態を制御することで、マルチファンクショナルな分子性材料の開発を行っています。Langmuir-Blodgett膜水面に両親媒性分子を滴下すると、水と空気の界面に1分子層からなるLangmuir膜が形成する。表面圧を上昇させ固体状態に膜を変化させ基板に累積すると、親水基と疎水基が配向した単分子膜が累積される。これを繰り返すことにより、分子レベルで厚みが制御されたLangmuir-Blodget膜が作製できる。TAGEN FOREFRONT 8