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概要

TAGEN FOREFRONT 04

FOREFRONT REVIEW07光触媒による水分解の様子。水分解光触媒は、太陽光エネルギーと水を用いて水素を作り出す、夢のエネルギー技術です。結晶を制御する化学プロセス研究で光触媒の性能を飛躍的に向上が、金属が均一に溶けている溶液を利用して固体を作るという化学プロセスで精緻な結晶構造を生み出すために溶液を活用する化学プロセス研究垣花研究室の研究対象となるのが無機の固体材料。特に蛍光体や光触媒など光機能性のフォトセラミックスについて新物質の開発や高機能化を行っています。そして垣花教授は、この無機の固体材料に対して「作る」と「探す」という二つのアプローチがあると言います。「まず作るという観点ですが、従来は焼き物の世界だったんですね。原料をこねて、電気炉に入れて焼き固めるという作り方をしていました。しかし、この方法だと精緻な材料を作りこむことができないので、携帯電話などの電子機器には使えません。結晶というカタチで、きちんと制御することが必要です」。どのような手法を使えば、精緻な結晶構造を作りだせるのでしょうか?まず考えられるのが、気体をガスのようなカタチにして吹き付けて基板のようなもので反応させ結晶の膜を作るという方法。しかし、この手法だど、高真空に保たないといけないなど、実現するための設備が大変で、工業的に難しいといいます。「これに対して我々の研究室が研究を進めている手法垣花研究室で、研究の対象とするとのは「蛍光体」や「光触媒」など光機能性のフォトセラミックス。酸化物、硫化物、酸窒化物、リン酸塩など多様なセラミックスを対象として、セラミックスを構成する元素の種類や組成を制御することで新しい物質の開発を目指しています。す」。化学プロセスを用いることにより、コストをかけずに高性能な無機の材料を作ることができるといいます。安全な溶媒を使えば、環境にもやさしいというメリットがあり、いま注目されています。太陽光で水素エネルギーを得るクリーンな水分解光触媒垣花研究室の加藤英樹准教授を中心に進めている具体的な研究テーマの一つが、光を吸収して化学反応をおこす固体材料「光触媒」です。光触媒の特徴は、光のエネルギーによって光触媒の中に生じる励起電子と正孔が活性種として働き、光触媒の表面にあるさまざまな化学物質に対して酸化還元反応を起こすこと。例えば、水が電子と正孔により還元、酸化されると、それぞれ水素と酸素が生成します。「本多?藤嶋効果」として知られている反応で、この反応により、光のエネルギーを化学エネルギーに変換することができます。「この水分解光触媒は、無尽蔵な太陽光を使って水素エネルギーを得ることができる高いポテンシャルを秘めた技術です。ものごとに対する共感できる「佳き人」との対話を大切にMY FAVORITE日常の中には、いろいろなシチュエーションがあります。楽しいこともあれば、いやなこともあり、いろんな理不尽なこともあります。この日常の中で「佳き人」との出会いというものを大切したいですし、もし出会えたとしたら一番の喜びだと思います。佳き音楽との出会い。本当に人生を変えてしまうような書物との出会い。そして佳き人との出会いは、日常における「エネルギー源」だと思います。「佳き人」とは大切なことに対して共感できる人ということであり、世の中の理不尽なことに「おかしいんじゃないか」と同じように怒れる人だと思います。年配の方でも若い人でも共感することができれば、それは佳き人です。私にはそういう佳き人がたくさんいて、幸せに思います。43TAGEN FOREFRONT