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概要

TAGEN FOREFRONT 04

FOREFRONT REVIEW07「化学の力」を駆使して高機能フォトセラミックスの創製へ垣花研究室は無機材料の機能の飛躍的向上、そして新無機物質の探索を可能にする材料化学の確立を目指しています。現在、我々は携帯電話やパソコン、家電製品など便利な材料に囲まれて生活しています。これらの材料をさらに高い機能にするためにはどうしたらいいか?垣花研究室では、「ある物質に際立った機能が備わっているのはなぜか?」を知るためには、その構造を深く知る必要があると考えます。物質における機能と構造との相関が明らかになれば、新物質や新機能を設計・開拓できるといいます。垣花研究室の特徴は、より良い材料を手にするために“化学”のあらゆる力を活用するということ。例えば、デザインされた溶液を活用することで、今まで以上の機能を持つ光触媒や蛍光体を“つくる”ことができます。また、結晶の“かたち”を制御することで光触媒の機能を飛多元物質科学研究所新機能無機物質探索研究センター無機材料創製プロセス研究分野教授垣花眞人KAKIHANA, Masato1954年東京都生まれ。1983年東京工業大学大学院総合理工学研究科エネルギー科学専攻修了。理学博士。防衛大学校化学教室助手、東京工業大学工業材料研究所助教授、東京工業大学応用セラミックス研究所・助教授、2004年より現職。http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=38躍的に向上させることができます。物質における「合成・構造・機能」の相互関係を深く理解し、より高機能な無機材料を提供できる化学プロセスを展開すると共に新物質及び新機能の探索をします。具体的な研究対象は、「光触媒」と「蛍光体」に分かれます。「光触媒研究」は結晶の形態や露出結晶面を制御する化学プロセスを開発することで光触媒の性能を飛躍的に向上させます。バンドエンジニアリングをはじめとする物理化学的アプローチにより、新しい水分解光触媒の設計・開発を行っています。「蛍光体研究」では、結晶学的な観点からの新物質設計・合成による様々な特性の蛍光体を開発します。ありふれた鉱物を手本に、多数の試料を同時に合成できる溶液並列合成法を駆使し、新しい蛍光体の探索を行います。社会からの要請の強い、可視光応答型光触媒や白色LED用蛍光体を想定した、新しい酸化物及び非酸化物系フォトセラミックスの開発と、産学連携による実用化にも注力しています。実際に使える材料の開発を視野に入れた産学連携を強力に推進しています。民間企業への技術移転を積極的に推進すること、また“モノづくり”に必要な高度な知識および技術を身につけた有為な人材を育成することで、研究室における成果を社会に還元しています。TAGEN FOREFRONT 42