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概要

TAGEN FOREFRONT 04

X線吸収分光法を用いることにより、特殊環境における固体イオニクス材料の化学・物理状態のその場測定が可能になりました。特に放射光施設で得られる高輝度のX線を利用することにより、短時間、微小領域の分析も実現しています。TERM INFORMATION特殊雰囲気固体イオニクスデバイスが作動する特殊な作動条件を指す。例えば、固体酸化物燃料電池の場合、650~1000℃の高温で作動し、かつ、その周囲の雰囲気も、空気極側は酸化性雰囲気、燃料極側は強い還元性雰囲気に曝される。における材料の化学・物理状態のその場測定が可能です。特に放射光施設で得られる高輝度のX線を利用することにより、ナノ?マイクロメートルの高位置分解能あるいはミリ秒の高時間分解能での分析も可能となっています」。X線吸収分光スペクトルを解析することにより、多角的な分析も可能になります。原子の価数や電子構造に関する情報は、励起された電子が遷移選択則を満たしつつ空軌道へ遷移するときのスペクトルであるX線吸収端構造(XANES)から得ることができます。また、隣接原子の配位数、結合距離、局所歪などの局所構造に関する情報は、励起後の電子が隣接原子によって散乱されるときのスペクトルである広域X線吸収微細構造(EXAFS)の振動を解析することから得ることができます。新規高性能固体イオニクス材料・界面の創製現在、雨澤研究室では、固体イオニクスデバイスのさらなる性能向上を目指し、新規高性能材料の開発も行っています。「固体イオニクス材料は、燃料電池・蓄電池以外にも、化学センサ?、選択透過膜、触媒など、様々なカタチで活用されています。例えば、自動車の排気ガスをクリーンにするための制御用酸素センサーなどに活用されており、排気ガスの清浄化に欠かせないものとなっています」。異種材料界面における特異な応力、化学状態を利用した高機能界面の設計など、イオン機能性を飛躍的に向上させる新規概念に基づく材料開発手法の確立を目指しながら、「固体イオニクス」を利用した新しい環境調和型デバイスの研究・開発を進めています。「現在、東北大学内を含む、国内外の研究グループと様々な共同研究を進めています。今後も固体イオニクス材料についての研究から、新しい環境調和型エネルギー変換デバイスの創出を目指していきます」。内殻電子の励起物質に含まれる電子は、通常、低いエネルギー準位(内殻)に存在しているが、光の照射等により、ある特定のエネルギー以上のエネルギーが物質に加えられると、内殻に存在していた電子が、電子の存在していない、高いエネルギー準位へと遷移する。内殻電子の励起が起こるエネルギーは、元素の種類によって異なるため、元素分析に利用できる。X線吸収分光法物質にX線を照射する際、内殻電子の励起が起こると、X線の一部が物質によって吸収される。X線吸収分光法は、照射するX線のエネルギーを変化させながら、入射X線量に対する吸収X線量を測定する分析手法である。観測される吸収スペクトルより、物質に含まれる元素の化学状態や局所構造に関する情報を得ることができる。導電率物質の電気の流しやすさを表す物性値である。電気伝導率ともいう。抵抗率の逆数で定義され、単位はS(シーメンス)・m-1もしくはΩ-1・m-1。値が大きいほど、電気を流しやすい。輸率物質内を電気が流れる場合、電荷を運ぶ粒子(イオンや電子など。電荷担体と呼ぶ。)は、一般的には複数種類存在する。ある特定の電荷担体によって担われた電流の、全電流に対する割合を輸率と呼ぶ。全ての電荷担体の輸率の総和は1である。拡散係数粒子(分子、原子、イオン)、熱などが自発的に散らばり広がる現象を拡散という。粒子の拡散は、濃度勾配(厳密には化学ポテンシャル勾配)を駆動力として起こる(フィックの第一法則)。拡散係数は、粒子の濃度勾配に対し、単位時間に単位断面積を通って拡散する粒子量として定義される。拡散係数は、粒子の動きやすさを表す物性値である。直面する環境問題、化石燃料などエネルギー供給の逼迫、地球温暖化などの問題。雨澤研究室では「固体イオニクス材料」を利用した環境調和型デバイスの研究・開発を通して、これらの問題の解決に貢献していきたいと考えています。TAGEN FOREFRONT 40