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概要

TAGEN FOREFRONT 04

FOREFRONT REVIEW06求められる計測のポイントはその場(insitu)計測というものです。高温雰囲気制御型insituX線吸収分光測定装置により真空や極低温といった特殊環境を要しないSOFC材料反応の直接観察を実現しました。その場(insitu)計測できる手法を開発し、イオン輸送や反応の機構解明に成功大型放射光施設との共同研究によりその場(insitu)計測を可能に今後SOFCを本格的に普及させていくには、SOFCスタック・セル・部材のさらなる高性能化、高耐久性化、長寿命化が要求されています。これを可能にするためには、電池作動時の各構成材料(電解質、空気極、燃料極など)の化学・物理状態を正確に把握することが必要不可欠となります。しかし、SOFCは、高温、特殊雰囲気(酸素、水素雰囲気)、通電状態という、通常の分析手法にとって苛酷な条件で作動します。そのため、これまでSOFC作動時の各構成材料の状態を正確に評価することはとても困難だったといいます。「触媒材料や電池材料などでは、作動中の材料の構造や状態は室温、大気中に取り出した構造や状態とは異なります。それを正しく評価するには、温度や共存ガスを実際に作動している条件にあわせて測定する必要があります。つまり、求められる計測のポイントはその場(insitu)計測というものです。そこで測定に真空や極低温といった特殊環境を要しないX線吸収分光(XAS)法に着目しました」。環境調和型エネルギー変換デバイスに関わる固体反応、固体内・界面イオン移動現象。これらを正しく理解するには、実際に作動している条件にあわせて現象を観測する必要があります。高温その場(insitu)測定という直接評価の手法の開発を行っています。特殊環境下におけるその場X線吸収分光法さっそく、京都大学・高輝度光科学研究センターとの共同研究を通し、高温、制御雰囲気、通電状態における測定が可能なその場XAS測定法の可能性について検討。「その結果、大型放射光施設(SPring-8等)でのX線吸収分光法を適用することにより、高温、制御雰囲気、通電状態におけるその場(insitu)計測を可能にしました。SOFC各種材料の物理・化学状態やSOFC電極反応の直接評価にこれらを適用してきました。最近では、これらの手法をリチウムイオン2次電池など蓄電池研究にも応用しています」。物質にX線を照射すると、含まれる元素に応じて、特定のエネルギーをもつX線が吸収されます。これは内殻電子の励起に伴うものであり、このときの吸収スペクトルを解析するのがX線吸収分光法(XAS)です。「材料分析手法としてのXASの一つの大きな長所は、極低温や高真空などの特別な測定条件を必要としないことです。そのため、XASを用いれば、特殊環境自然志向なところがあって、ぷらっと鉱物採集に出かけますOFF TIME自然の中で休日を過ごすことが好きで、山に行ったり、川に行ったりという感じでリフレッシュしています。釣りに行ったりするのも好きですね。中でも今はまっているのは、鉱物採集です。山でいろいろ石を集めてきて喜んでいます。東北大学に赴任してきてからも、東北地方の鉱山跡など足しげく通ってます。自然界で作られた結晶はとても美しくて見ていて飽きないですね。結晶の育ち方など、自分の研究ともリンクしてくる所で興味があります。例えば水晶はらせん状に成長するのですが、右回りと左回りがあるんですね。水晶を眺めながら、自然の神秘を感じています。39TAGEN FOREFRONT