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概要

TAGEN FOREFRONT 04

FOREFRONT REVIEW06固体イオニクス材料に着目し新しい燃料電池・蓄電池の設計から開発まで21世紀の科学者・技術者に課せられた大きな課題のひとつとしてあるもの。それは、環境問題、エネルギー問題を解決し、持続可能社会を実現することです。雨澤研究室でも、環境問題・エネルギー問題の解決をテーマに掲げています。そして、これらの問題の解決を目指し、燃料電池や蓄電池など、環境にやさしいエネルギー変換デバイスの実現・普及のための基盤研究を行っています。研究のキーワードとなるのが、「固体イオニクス」材料。固体でありながらその中をイオンが高速移動できる注目の素材です。研究の方向性は3つに分けられます。1固体イオニクス現象がなぜ起きるか?─固体におけるイオン輸送、界面反応、欠陥構造についての学理を探求するとともに、固体イオニ多元物質科学研究所サステナブル理工学研究センター固体イオ二クス・デバイス研究分野教授雨澤浩史AMEZAWA, Koji1968年三重県生まれ。1991年京都大学工学部原子核工学科卒業、1993年京都大学大学院原子核工学専攻修了。1998年京都大学博士(工学)取得。1994年から京都大学大学院人間・環境学研究科にて助手、2007年から東北大学大学院環境科学研究科にて准教授を歴任。1994-95年ノルウェー工科大学(現ノルウェー科学技術大学)招聘研究員。2012年から現職。専門は固体イオニクス、電気化学、固体化学。クスデバイス(SolidStateIonicDevices)の開発・高性能化に向け、固体中をイオンが動く現象の原理解明を目指しています。2どのようなカタチで応用できるか?─燃料電池や蓄電池として活用することを中心に位置づけ、材料機能設計、材料開発を行っています。3その場測定ができるか?─パッケージされて中を見ることができない電池の中をそのまま見ようというもので、高温/制御雰囲気/通電といった特殊環境下でのその場測定を可能とする高度分析技術の開発を行っています。固体イオニクス材料を活用した燃料電池の一つである固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、水素などに代表される燃料の燃焼反応により得られるギブスエネルギー変化を直接電気エネルギーに変換する発電システムであり、その高いエネルギー変換効率から、次世代の環境調和型エネルギー変換システムとして期待されています。燃料適応性に優れる、排熱を利用したコンバインドサイクルの構築が可能である、等の特長も有しており、分散型電源や大規模発電システムとして、実用化に向けた活発な研究が進められています。http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/amezawa/index-j.htmlTAGEN FOREFRONT 36