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概要

TAGEN FOREFRONT 04

FOREFRONT REVIEW05「励起反応場」から多様な次元性を有する非平衡物質や低次元ナノ材料の創成、ハイブリッド構造体構築、ナノ構造と表面・界面制御、高次機能特性制御を行い、次世代ナノデバイス構成要素を提供することを目指しています。界面操作から励起反応場での新しいナノ構造創成に発展性を活かして排ガス触媒やナノデバイス材料などへの応用を目指します」。界面形成過程を自由にコントロール「田中固体融合プロジェクト」には、もうひとつの成果がありました。「原子集団を動かしてナノ構造を創る」ということです。「電子線ビームを照射することより、Al(アルミニウム)、Nb(ニオブ)、Au(金)、Pt(白金)等の超微粒子を生成、融合し、基板のアモルファスカーボンに玉ねぎ状のフラーレンや層間化合物を作ることができるようになりました」。電子線照射による金属ナノ粒子の創製とマニピュレーション技術。これにより、従来困難であったAl、W(タングステン)などの易酸化性金属超微粒子の生成と移動、回転、融合および埋め込み操作などを可能にしました。「電子線照射強度の適正化により、Al2O3のナノワイヤー、ナノボール複合体の創成が、また、Arイオン転写法により、Cuナノ構造パターニング(線状、メッシュ構造)ができるようになっています。超微細デバイスや触媒、電池電極などの要素技術になりうるものと思われます」。「ナノ構造創成では、電子線やイオンなどの汎用アクティブビーム照射を用いた新規ナノ構造体のボトムアップ的構築と、高エネルギー重粒子線の単一飛跡内での限定空間架橋反応を利用した1次元ハイブリッドナノ構造体誘起を研究しました。特長は、低温にもかかわらずかなり自由度の高い設計性があるということ。この特さらに化学反応場を用いた低次元ナノ構造制御から様々な展開があり得ます。酸化物ナノチューブの高次機能設計と環境・エネルギー分野への応用、ナノ複合材料の機能化、異種材料界面制御による界面機能化および残留応力テンソル分布計測に関する研究を行っています。活性物質を産み出す励起反応場を利用した革新的ものづくりへ「そして現在、電子線・イオンなどの照射による界面操作は『励起反応場でのナノ構造創成』という概念に発展させ、現在に至っています」。電子線、keV級イオン、集束超音波、偏光レーザー、集束マイクロ波が単独または複合照射される空間は、原子規模の活性化と励起過程によりボトムアップ的非平衡反応が誘起されます。これを「励起反応場」と呼びます。田中研究室ではボトムアップ型ナノアーキテクチャーとしてこの「励起反応場」に着目し、多様な次元性を有する非平衡物質や低次元ナノ材料の創成、ハイブリッド構造電子線ビームの照射により、Al、Nb、Au、Pt、W等の超微粒子と玉ねぎ状のフラーレンが得られることを発見しました。様々な応用が可能になると田中教授は考えます。体構築、ナノ構造と表面・界面制御、高世界中の鉄道に乗る旅、学生たちにも海外に行くことを奨めていますOFF TIME世界中の鉄道に乗ることが趣味ですね。世に撮り鉄・乗り鉄というジャンルがありますが、私はその両方です。世界中の鉄道に乗って写真を撮るというのが好きですから。中国では夜行列車で広大な国土を優雅に旅しました。ヨーロッパでも、大陸を横断する列車を楽しみました。オーストリアから出てドイツ、フランスというように巡りましたね。学生を連れて行って2人ヨーロッパ周遊を体験したこともあります。自分の学生時代になかなか海外に行けなかったというアンチテーゼもあり、学生の間に世界を知ってもらいたいと欧州留学を奨めています。フランスやドイツなど海外の優秀な研究を見る経験を学生時代にしてもらいたいと思っています。33TAGEN FOREFRONT