ブックタイトルTAGEN FOREFRONT 04
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TAGEN FOREFRONT 04
FOREFRONT REVIEW05プロジェクトでは融合素過程を直視するために様々な計測機器の開発を行いました。でき上がった接合界面の原子構造を明らかにし、活性金属ろう接の素過程を原子または原子集団レベルで直視する「高分解能透過型電子顕微鏡」や、拡散接合での界面相変化を動的・定量的に把握し、時間ー温度状態図および構成元素の拡散挙動を把握できる「高速高温X線回折装置」などを開発しています。動的な界面現象を解明する田中固体融合プロジェクトいかなる素過程で形成されるか?」だとい固体界面の生成過程のダイナミックな本質に迫るシステムというものは、どんなものも部品の集合体です。その部品も微視的に見ると金属、セラミックス、半導体など異質物質が2次元、3次元の界面をもって接する構造となっています。こうした構造体を作製する、ろう接・固相接合・積層・接着などのプロセス研究は、工学的見地から盛んに行われてきたものの、「界面形成の本質」に迫る総合的な研究事例は少なかったと田中俊一郎教授は話します。「金属とセラミックスの接合法として、拡散接合法、メタライズ法、活性金属ろう接法などさまざまな手法が実用化されてきました。中でも活性金属ろう接法は、高接合強度が得られるだけでなく複雑形状対応が可能で量産性に富む手法として、機械部品、電子部品、エンジン部品に多用されています。高強度接合体が得られる機構は、ろう材が溶融し、添加したTi(チタン)などのⅣ族元素がセラミックスとの濡れを改善して反応した結果であると、界面生成物を解析して推定はされてきました」。しかし、こうした従来の解析からは、高強度界面形成機構への直接的な説明はできないと田中教授は考えます。ポイントは「どのような界面原子構造が、います。「固体界面の生成過程は複雑かつダイナミックです。液相を介する接合反応や、構成原子の拡散・固溶・析出、界面生成物の核生成・成長、さらには界面近傍での格子欠陥および残留応力の生成・消滅、界面での電子状態変化などの様々な多段階反応が伴う現象です。固体融合現象の解明と界面制御手法の探索には、『動的な界面現象』を解明する必要がありました」。固体が接したときのダイナミックな界面形成素過程を明らかにしたい。田中教授が総括責任者となった「田中固体融合プロジェクト」は、科学技術振興事業団の創造科学技術推進事業(ERATO)の一つとして1993年10月から1998年9月までの5年間実施され、界面形成の本質に迫る研究が進められました。「その場観察」により界面の現象を動的に総合的に研究界面形成をどのように、動的に、そし固体融合現象の解明と界面制御手法の探索を目ざした「田中固体融合プロジェクト」の概念図。固体―液体、固体―固体界面での原子スケールのその場観察を中心に、異種材料界面の動的形成素過程と特性を実測することを目指しました。て本質に迫るか?プロジェクトでは融合素過程を直視するために、その場(in-situ)観察手法を採用しました。お互いの文化を認め合う、フランスとの連携の窓口にMY FAVORITE海外の人たちと文化を認めあうことはとても大切なことだと思っています。日本酒会の会長をするぐらい日本酒が好きだったのですが、フランスに行くとやはりワインですね。南部の山間部に行って貴重なワインを見つけてくるなんてことをしていました。大学では、フランスとの連携・共同研究の窓口になっています。東北大学は、フランス研究機関と先進材料に関する合同ワークショップを定期開催していますが、その事務局を努めています。その際に日本酒の枡にワークショップのロゴを焼き印してプレゼントして喜ばれましたね。やはりフランスというのは、それぞれの伝統文化を尊重して、楽しむことができる国なんだなと思いました。31TAGEN FOREFRONT