ブックタイトルTAGEN FOREFRONT 04
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TAGEN FOREFRONT 04
FOREFRONT REVIEW05原子集団の配列操作によるナノ構造体創成および固体界面制御セラミックスと金属など異種材料がうまく接合できるとどんなことができるようになるでしょうか?セラミックスと金属など、異種材料の接着・接合を達成することで、磨耗や腐食をなくし、長寿命化や、信頼性の向上、耐熱性付与や高機能化を実現することができます。しかし、従来の研究では、界面現象の理解に基づいて接合状態を原子レベルで制御するまでには至っていませんでした。この問題に対して、田中俊一郎教授は、固体融合現象の解明と界面制御手法の探索を目的として、固体―液体、固体―固体界面の原子スケールのその場観察を中心に動的な界面現象を解明する、JST‐ERATO「田中固体融合プロジェクト」を1990年代に展開しました。このプロジェクトの狙いは「異種材料界面への注目」、「ナノ構造形多元物質科学研究所プロセスシステム工学研究部門高機能ナノ材料創成研究分野教授田中俊一郎TANAKA, Shun-Ichiro1950年、神奈川県生まれ。東北大学大学院工学研究科博士課程修了、工学博士。㈱東芝研究開発センター研究主幹、科学技術振興機構ERATO「田中固体融合プロジェクト」総括責任者、東京大学工学系研究科客員教授、名古屋工業大学工学部教授、2005年より現職。2000年井上学術賞、2014年文部科学大臣表彰科学技術賞研究部門などhttp://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/tanaka/index-j.html成素過程の実測と制御」、「原子集団を動かしてナノ構造を創る」というもの。接合時に起こる動的な界面現象の解明し、濡れや界面反応のより詳細な理解への道を拓き、また、界面物理特性の把握、界面近傍での残留応力分布、機械特性、電子構造などへの影響を明らかにしました。その後も田中研究室ではボトムアップ型ナノアーキテクチャーとして「励起反応場」に着目し、多様な次元性を有する非平衡物質や低次元ナノ材料の創成、ハイブリッド構造体構築、ナノ構造と表面・界面制御、高次機能特性制御などを実現し、広義の次世代ナノデバイス構成要素を提供することを目指して研究を進めています。ナノ構造創成では、電子線やイオンなどの汎用アクティブビーム照射を用いた新規ナノ構造体のボトムアップ的構築と、高エネルギー重粒子線の単一飛跡内での限定空間架橋反応を利用した1次元ハイブリッドナノ構造体誘起を研究し、その任意設計性を活かした排ガス触媒や各種ナノデバイス材料への応用を目指します。さらには化学反応場を用いた低次元ナノ構造制御に基づく酸化物ナノチューブの高次機能設計と環境・エネルギー分野への応用、ナノ複合材料の機能化、異種材料界面制御による界面機能化および残留応力テンソル分布計測に関する研究を行っています。TAGEN FOREFRONT 30