ブックタイトルTAGEN FOREFRONT 04
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TAGEN FOREFRONT 04
FOREFRONT REVIEW04電子デバイスに革新をもたらす新たな結晶成長技術を創製蓄積した技術から、新たな結晶成長プロセスを創製窒化アルミニウム(AlN)などの窒化物半導体は、とくに次世代の発光素子、あるいはハイパワー半導体素子として注目さ次世代技術への応用に期待窒化物半導体の開発福山研究室における研究の柱のひとつに、化学熱力学を学理とする材料創製の研究、とくに窒化物半導体の結晶成長があります。窒化物半導体とは、Ⅲ-Ⅴ族半導体において、Ⅴ族元素として窒素を用いた半導体のことで、代表例として窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)などがあります。発光材料として有望視されるなど、多くの分野への応用が期待され、世界的にも開発競争が激しい研究分野です。それと同時に、窒化物半導体の基礎となる結晶成長技術は、さらに重要性を増しています。結晶成長とは、単結晶である支持結晶基板や種結晶を元にして、その結晶を成長させることで、自然界に存在する雪などが結晶する状況と似ています。これらは、成長条件を整えることにより人工的に形成することができるので、再現性に優れているのが特徴です。窒化物半導体の結晶においても成長しやすい方向があるとされ、そういった結晶成長に関する物理化学的な知見を蓄積しながら、研究室では結晶性向上を目指しています。窒化物半導体のひとつである窒化アルミニウムは、いわゆるセラミックスで熱伝導率が高く、電気絶縁性が高い。粉末状のものは空気中の水と容易に反応するため、高純度窒素ガス中で保管する。この窒化アルミニウムをテーマとして、福山研究室では、単結晶合成、サファイア窒化法による薄膜の作製、液相成長法あるいは反応性スパッタ法による厚膜の成長など、さまざまな開発を行っています。れているものです。福山教授は「結晶成長の観点から、素子として適応できる窒化物半導体の組成領域を拡大し、その性能を最大限に発揮させるためには、高品質な窒化物基板の開発が求められています」と研究の要点を指摘します。福山研究室では、窒化物半導体の結晶成長にかかわる課題を克服し、工学的な重要度の高い紫外発光素子など各種の素子としての可能性を顕在化させるため、結晶成長、物性評価および素子利用の観点から多元的な研究を進め、それによって飛躍的な素子の性能向上を目指しています。「対象とする結晶は、窒化アルミニウム単結晶であり、サファイア基板上に従来法では得られない高品質な窒化アルミニウム薄膜の作製をするとともに、窒化アルミニウムバルク結晶の合成に成功しています」と福山教授は話します。これらは福山研究室で開発してきた結晶成長技術をベースに、結晶成長に関する物理化学的な知見を蓄積しながら、新たな結晶成長プロセスの創製を図っていくもので、学術的にも工業的にも重要な研究テーマとなっています。議論も大切、コミュニケーションも大切MY FAVORITE研究室では、スタッフや学生と研究や実験の課題になっていること、行き詰まっていることなど、よく話し合います。みんなで真剣に意見を出し合うと、けっこう突破口が見つかったりします。ふだんから、お互いにわかり合うことも大切なので、イベントも、けっこうこまめにやっている方で、研究室サイトにも写真をたくさんアップしています。追いコンは安比にスキーに行ったり、お花見は研究室でみんなで軽く調理して、学内のきれいな桜の下で、と、とても楽しく過ごしています。受賞した学生が卒業式に賞状を見せに来てくれたりすると、ほんとうにうれしいものです。25TAGEN FOREFRONT