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概要

TAGEN FOREFRONT 04

FOREFRONT REVIEW03大腸菌内の情報処理・伝達の可視化。蛍光の観察と通常の明視野観察を同時に行える顕微鏡システムを開発することにより情報伝達機構の解明に向かって一歩一歩進んでいます。大腸菌の分子の動きをもとに普遍的な生命の仕組みを濃度差により駆動されることがわかってきました。考えて行動するバクテリア最も小さな生き物の運動器官の機構「1997年研究室を独立するときに、フランスの生物学者・ジャック・モノーの『大腸菌で起こっていることは象でも同じことが起きる』という説を知って、それでは、大腸菌などのバクテリアの運動様式を研究してみようと決めました」。単細胞生物である大腸菌は、細胞表面にらせん状の繊維であるべん毛を数本持ち、これをスクリューのように回転させ大腸菌のべん毛のモーターはまるで人工的なモーターのよう。この機構がどのようなエネルギー変換で動くのかを解明しようとしています。て水中を泳ぎます。大腸菌は周囲の化学物質の濃度に応じてこの回転を制御して、より良い環境を求めて移動する「走化性」という性質を持っています。「大腸菌などのバクテリアは考えて行動する最も小さな生き物の一つと言えます。この情報伝達システムは、真核細胞の情報伝達システムにも共通する部分があると考えられており、バクテリアの走化性システムを理解することは、生命に普遍的に存在する情報処理システムの解明につながる可能性を秘めています」。べん毛のモーターはまるで人工的なモーターのような外見をしていることが電子顕微鏡でわかっていました。このモーターは固定子と回転子から構成されていて、細胞膜に埋め込まれています。一つの回転子の周囲に複数の固定子が配置されており、それぞれの固定子がイオンを通過させ、その際に回転子との間でトルクを発生させて回転すると考えられています。この回転は膜を横切って形成されるイオン駆動力、つまり膜電位差とイオンの細胞内シグナル伝達タンパク質によるモーターの回転制御を生きた細胞の中で可視化に成功それでは、大腸菌はどのように外界の環境を知り、それに反応するのでしょうか?「周囲の化学物質の濃度を知るための走化性受容体と呼ばれるセンサーは細胞の極にクラスター(集団)化されていて、そこで情報を得ます。そしてその情報を大腸菌内の情報処理・伝達システムでべん毛モーターまで伝え、最終的に回転を制御します」。この情報処理・伝達システムでキーとなるのがリン酸化CheYというシグナル伝達タンパク質です。以前より、このリン酸化CheYが細胞内を伝わり、べん毛モーターに結合することで回転方向を制御すると考えられてきました。「しかし、直接的な観察はされていませんでした。我々は、この仕組みをしっかり計測するために、遺伝子組換え技術によって、細胞内で生産されるCheYを、それに緑色蛍光タンパク質(GFP)が融合したもの優れものの子どものおもちゃ、メカニズムの完成度の高さに感動OFF TIME昔はバイクや外車などの趣味もあったんですけどね。ボルボという外車も好きで乗っていましたが、今はもうやめてしまっています。スキューバーダイビングも趣味だったんですが、東北にはできるところがないので、こちらもご無沙汰になりました。2歳と4歳になる小さな子どもがいるので、週末はほとんど子どもたちとの遊びが主になっています。その中で、おもちゃと言われるものの中にも優れたものがあるので驚いています。子どもの学習用の顕微鏡はまさに本物と同じメカニズムでできていてすごいです。車のおもちゃも細部にこだわって組立てられていて驚きです。スケルトンになっていて、エンジンのピストンの動きやギアチェンジの仕組みを学ぶことができる完成度の高さに感動しています。21TAGEN FOREFRONT