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概要

TAGEN FOREFRONT 04

FOREFRONT REVIEW02高分解能な生体試料観測から、さらにコヒーレント軟X線領域へ開発した透過型軟X線顕微鏡の模式図/こちら側から光源、照明光学系、試料位置、SO光学系、可視用の折り返しミラー、EUV用のCCD。両脇に排気用のポンプがつけられ、全体は除震台の上にマウントされています。物質対の選択、成膜法開発を経て、驚異的な多層膜を実現高性能な軟X線顕微鏡の実現のためには、高精度の多層膜反射鏡が不可欠、という説明を前ページでしました。「多層膜鏡の開発にも、多層膜を構成する物質対の選択や設計法、成膜法の開発など、いくつもの基礎研究と試練の段階がありました。どの物質対にすれば最も高い反射率になるかを知るには、さまざまな物質について超薄膜状態での屈折率や吸収係数など光学定数の基礎データの収集が必要でした。表面・界面が平滑な物質で、それに適した蒸着法も確かめ、物質対のそれぞれの厚さを決める設計法も検討しました」と栁原教授は解説します。軟X線顕微鏡の心臓部である対物鏡には、凹面鏡と凸面鏡で構成するシュヴァルツシルト反射鏡を採用。この反射鏡に開発した多層膜をスパッタ法で蒸着します。反射鏡各点で入射角が一定でないため、一定波長の軟X線を反射させるには、入射角が大きい外周部では厚い膜厚、入射角が小さい中心部では薄い膜厚にする必要があります。これに対しては「蒸着装置に特殊なシャッターを装備して蒸着を制御し、結果的に反射鏡マウス大脳皮質の軟X線画像/試料の厚さは500nm。図中の白線が50μm。大脳の内側から伸びた軸索が細胞体を通して樹状突起を伸ばし、その樹状突起が複雑に絡み合っている様子が明瞭に写っています。細胞体内部に見えるのは、核やその他の微細構造。の中心波長を±0.2%という驚異的な精度で一致させることに成功しました」。実際の生物試料の観測で広範囲、高解像度を実現こうした軟X線顕微鏡に必要な装置や設備の開発を行いながら、最終的に顕微鏡の作製までを栁原研究室では行っています。「独創的な研究は、反射鏡や装置も自前で開発してこそ初めて可能になるということを信条に研究してきた」と教授。東北大多元研には機械工場もレンズ工場もあり、顕微鏡本体や対物鏡のガラス基板の作製には、工場スタッフに協力してもらったといいます。「作製された部品の性能をこちらで評価して情報を還元し、修正点を協議することで、世界に2つとない性能を実現できた」と教授は評価しています。こうして完成した軟X線顕微鏡で実際の生物試料(マウスの大脳皮質)を観察し、広い範囲を光学顕微鏡より高い解像度で観察することに成功しています。からだを動かすスポーツで、爽快に、楽しく、リフレッシュOFF TIME下手の横好きですが、その時々の環境でできるスポーツを何でも楽しみました。小中学校時代は野球でしたが、若い頃は登山やバレ-ボール、今はテニスと自転車を楽しんでいます。自転車というのは、仙台市泉区の自宅から大学までロードレーサーで通勤する、ということです。西回りで陸前落合方面を経由して約20km程度、季節のいい時に週に1回はトライしています。科学計測研究所時代は、毎日苦もなく自転車通勤でした。ただし、その時の自宅は長町でしたが。いずれにしても、私にとってからだを動かすスポーツは、ストレス解消に大きな役割を果たしています。15TAGEN FOREFRONT