ブックタイトルTAGEN FOREFRONT 04
- ページ
- 13/52
このページは TAGEN FOREFRONT 04 の電子ブックに掲載されている13ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは TAGEN FOREFRONT 04 の電子ブックに掲載されている13ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
TAGEN FOREFRONT 04
FOREFRONT REVIEW02超高分解能顕微技術で軟X線光学の新たな地平を拓く可視光より波長が短い電磁波の波長帯は紫外線。さらに波長が短くなるとX線領域です。X線は非常に高いエネルギーをもち、物質への透過性があります。X線の中で、紫外線に近い、比較的波長の長い領域は「軟X線」と呼ばれ、X線でありながらエネルギーが低く透過力も弱いという、独特の性質を表します。この軟X線を扱う軟X線光学は、とくに顕微鏡技術において研究開発が進められ、期待の分野となっています。可視光ではないため見えませんが、言わば「見えない光で極小の世界を見る」軟X線顕微鏡の研究開発を追求しているのが栁原研究室です。軟X線顕微鏡は、可視光より高い分解能で、ミクロなものをより正確に観察できることが期待されています。しかし顕微鏡として「ナノの世界を見る」ためには、いくつかの課題があります。軟X線は可視光のようにレンズを通過でき多元物質科学研究所先端計測開発研究センター軟X線顕微計測研究分野教授栁原美廣YANAGIHARA,Mihiroない。そして通常の鏡では反射しない。つまり、光学顕微鏡で行われているような方法では試料を結像できない、ということです。実験には、高度の真空状態が必須であることも、課題のひとつということができます。軟X線顕微鏡技術の研究とは、これらの課題を克服した上で、本来の顕微鏡として他の方式の顕微鏡を上回る高機能を実現させる、という難問に立ち向かうことになります。栁原研究室では、研究室内で顕微鏡装置を開発製作し、軟X線領域ならではの高分解能を達成するなど、軟X線光学の最先端で取り組みを進めています。1949年長野県生まれ。1978年金沢大学大学院理学研究科修士課程修了。1982年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。1982年高エネルギー物理学研究所非常勤講師。1984年東京都立大学理学部物理学科助手。1987年東北大学科学計測研究所助手。1994年同助教授。2004年東北大学多元物質科学研究所教授。2012年日本学術振興会特別研究員等審査会専門委員表彰。http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=43TAGEN FOREFRONT 12