ブックタイトルTAGEN FOREFRONT 04
- ページ
- 11/52
このページは TAGEN FOREFRONT 04 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは TAGEN FOREFRONT 04 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
TAGEN FOREFRONT 04
TERM INFORMATIONスピントロニクス超分子ローター構造を利用した強誘電体材料の開発/分子性結晶内の分子運動に関する自由度を設計することで、分子がシーソーのように傾く方向を変えながら振動する運動を利用した双極子モーメントの反転が実現できます。超分子ローター構造の回転周波数・対称性・方向性などの精密制御から、強誘電体の転移温度、応答速度などの諸物性が設計可能となります。速応答性のある強誘電体メモリーの開発応用は、おそらく10年ぐらいのオーダーに着手しています。「他ではやらないことでさまざまなものが実用化されてくるのでをやるのが好きですね」と話すように、基はないか」と教授はとらえていますが、もう礎的な物理化学の観点から、まったく新少し時間がかかるとみているものに「分子固体中の電子が持つ電荷とスピンの両方を利用した物性現象やデバイス応用などと関連する研究分野であり、スピンとエレクトロニクスから生まれた造語である。電荷の自由度のみが利用されてきたエレクトロニクスに、スピンの自由度も加味することでこれまでのエレクトロニクスでは実現できなかった機能や性能を持つデバイスの実現を目指している。有機強誘電体自発的に電気分極を生じる物質を強誘電体と呼び、自発分極の向きを電場によりスイッチングする事で、強誘電メモリやピエゾ素子として利用できる。その代表例は、チタン酸バリウムなどの無機化合物であるが、最近では、フレキシブルデバイスの観点から有機材料を利用した有機強誘電体の開発に注目が集まっている。しい独創的な材料開発に道を拓いています。現在、芥川教授は強誘電体についての研究にとくに力を入れており、さまざまな試みを続けています。「機能の多重化についてさらに追求していきたい。たとえば発光特性。光で制御できるような複数の機能を組み合わせるやり方」と、着想はさらに広がっています。分子モーターなど先端的なテーマも視野にとくに有機物をつくっている狙いについて、芥川教授は「シリコンなどの半導体は折ったり曲げたりできないけれども、もし有機物でつくれば基本的にやわらかいので、たとえば紙のようなものの上に回路をつくって曲げるということもできる」と説明します。「有機強誘電体のエレクトロニクスへのモーター」などの先端的な分子メカニカル材料の研究があります。超分子を用いた人工分子モーターについての研究などが活発に行われていますが、芥川教授は、分子集合体中の分子運動と連動したバルク物性の開拓から、分子メカニカルデバイスの創製に関する研究を行っています。分子機械は、変わり続ける環境に適応し、どんな条件下でも対応できる柔軟性を実現するため、いわゆる「分子の揺らぎ」を利用すると言われています。芥川教授は「超分子ローター型強誘電体の物性制御」をテーマとした研究において、分子の揺らぎや回転の自由度を導入し、結晶格子の柔らかさを利用した新規な物性開拓を追求しています。芥川研究室では、こうした時間のかかる先端的な研究分野も視野に入れながら、幅広い機能性材料の研究に立ち向かっています。メモリ素子デジタル情報機器に使用される基本的な記憶素子であり、大別するとハードディスクドライブ(HDD)やDVD/CDのような物理動作を必要とする記憶装置の一群と、物理動作を必要としない半導体メモリを使用した記憶装置に分類できる。強誘電体メモリは、書き換え可能な電源を切ってもデータが消えない不揮発性のメモリである。ポリ酸クラスターオキソ酸が縮合してできた陰イオン種であり、化学式が[MxOy]n?(M=Mo,V,W,Ti,Al,Nbなど)で表される分子性クラスターを示す。複数の酸素原子が結合しているため最高酸化数まで酸化された状態である場合が多い。例えば、Mo(VI)、V(V)やW(VI)などから構成されるポリ酸が典型的な化合物として知られている。分子モーター細胞内で化学エネルギーを機械的な動きに変換するタンパク質の集合体を分子モーターと呼ぶ。分子モーターの働きによって細胞は変形や移動を行い、細胞内における様々なイオンや分子輸送に関与している。これらの優れた機能を人工的に実現するための人工分子モーターの開発が活発に行われている。分子ナノワイヤー金ナノ粒子ハイブリッドの量子伝導/電気伝導性を有する有機分子の集合体が形成する一次元ナノワイヤと金ナノ粒子から構成される複合ナノ構造を基板上に作製し、電気伝導度の温度依存性から、100K以下の温度領域で金ナノ粒子間のトンネル効果による量子伝導を出現させたものです。分子の揺らぎ室温環境下におけるナノメートルサイズの分子は、絶えず強い熱揺らぎにさらされている。この熱揺らぎは、生命分子の機能制御の本質を解明するのに重要であると考えられている。また、ある種の有機固体内においても分子の回転運動などの大きな分子ユニットの熱揺らぎが生じている場合がある。TAGEN FOREFRONT 10