ブックタイトルTAGEN FOREFRONT 03
- ページ
- 37/52
このページは TAGEN FOREFRONT 03 の電子ブックに掲載されている37ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは TAGEN FOREFRONT 03 の電子ブックに掲載されている37ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
TAGEN FOREFRONT 03
1968年10月生まれ。1991年東京工業大学理学部物理学科卒業。1996年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。博士(理学)。 国立金属材料技術研究所研究員、アメリカ国立標準技術研究所客員研究員、(独)物質・材料研究機構材料研究所主任研究員を経て2004年東京大学物性研究所附属中性子科学研究施設准教授。2012年4月より現職。国際結晶学連合磁気構造委員会委員など。http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=80東北大学大学院理学研究科物理学専攻多元物質科学研究所スピン量子物性研究分野 教授SATO, Taku J佐藤卓量子物性研究分野の最前線をさらに前に押し出す試み 研究というのは、さまざまな人がさまざまなアプローチとタイミングで行ってきた積み重ねで成り立っています。もし、あるテーマに対する理解や検証が充分と了解すれば、そこで終わりですが、「まだまだ解明されていない」ととらえることで、さらにその先に新たな地平を切り開いていけるかもしれない研究があります。 量子物性研究分野において、量子スピンの特異なゆらぎを詳細に調べ、巨視的な量子現象の直接観測を目指して取り組んでいる佐藤卓教授は、常に対象への深い関心と真摯なまなざしを持ち続けてきました。 たとえば、ごく普通の物質においては固まってしまう低温下において、ゆらゆらと量子スピンがゆらいだ状態が続く物質があります。どんな化合物でどんな条件の時に、その現象が現れるのか。あるいは、特殊なゆらぎの現象を観測した時に、そこにどのような新しい物質が考えられるのか。 この基礎的で継続的な取り組みが求められる研究の場面で、最も効果的な手法と判断されているのが、中性子散乱法です。佐藤卓教授の、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)との共同研究、金属材料技術研究所(現NIMS)、東京大学物性研究所以来の経験と実績は、国内外の中性子施設との迅速で円滑な連携を可能にしています。 近年いちだんと進化した装置による新たな実験の展開は、量子力学における原理的な理解をさらに深めるものとなり、また理論のフロンティアを広げていくものと期待されています。06FOREFRONT REVIEWTAGEN FOREFRONT 36