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概要

TAGEN FOREFRONT 03

TERM INFORMATION 「一般の肥料として日本中に広げてもいいのではないかと考えます。全国規模のプロジェクトにしていろいろ知ってもらいたいですね」と北村教授。日本だけでなく東南アジアでも必要な水田は多いと言います。 「ただ、現時点では、副産物なので肥料としてベストな品質がわかっていない状況です。スラグの中の何が影響して好結果になっているかをもっと科学的に突き詰めていって、製品としてもしっかりとしたものにしていきたいと思っています」。 現在、東北大学だけでなく山形大学や県の農業試験場とプロジェクトを組んで共同研究というカタチで進めています。スラグ系肥料が様々な問題を抱える日本の農業の生き残りに寄与する日が来るかも知れません。高機能鉄鋼材料を支える高純度化技術を開拓したい 北村研究室が現在行っている研究のひとつに、高機能鉄鋼材料を支える高純度化技術開発があります。 「10ミクロンの小さな酸化物が鉄を作る過程でできてしまって残っています。この酸化物が腐食や割れの起点となったりします。この酸化物を無害化することはできないかという研究を行っています」。 鉄が溶けているうちに酸化物組成をコントロールするにはどうするか?鉄が固まった後で加熱すると組成が変わってしまわないか?などをシミュレーションしながら、高純度な鉄鋼を作る技術に活かしていく研究を企業との共同で行っています。 「鉄鋼材料にとって今後どのようなものが求められているのか、鉄鋼業にとって将来ボトルネックとなるような課題は何なのかを考えながら研究を進めないといけないと考えています。鉄鋼とは受注生産なんです。注文が来てはじめて生産できるものです。国内外のお客さんが日本の鉄に何を求めているかを知らないとダメになると思います」。「今まで日本は大トロを作っていました。これからは大トロだけでなく赤身をどうおいしくしていくか?ということにシフトしていく必要がある」と北村教授は熱く語ります。 「コイルを作るとします。このコイル全部がまったく一緒の強さかというと違うのです。すべて均一だというコイルができればすごい競争力になるわけです。ベースの製造技術を高度化していること、これが必要です。高度化した製鋼の技術を業界全体で一緒に開発できればと思っています」。北村研究室が求めるのは、高機能鉄鋼材料を支える高純度化技術です。高度化した製鋼の技術を業界全体で一緒に開発できればと思っています。塩害広義では塩分による被害を指すが、ここでは海水中の塩分によって農作物が被害を受ける事を示している。塩害を引き起こす自然災害としては、台風による高潮、地震による津波がある。団粒構造団粒とは土壌粒子が集まってできた塊。団粒構造は団粒間に間隙ができるので、通気、通水性が良く、保水性もあるので微生物の活動が盛んになるため農作物の生育に適している。バイプロダクト副産物のこと。様々な産業では、目的の物を得る過程で、目的外の物が生成する。このうち廃棄されずに生産物として有効利用されるものが副産物である。鉄鋼製錬では、目的物は鉄鋼だが、その他に、スラグやガスが大量に生成し、それらをプロセス内外で有効利用している。スラグ系肥料農業用肥料の中で鉄鋼製錬の副産物であるスラグを原料としたものをスラグ系肥料と呼ぶ。欧州では産業革命の頃からリン酸を多く含む製鋼スラグを肥料として利用している。日本でも、スラグに含まれるリン酸、珪酸、石灰、鉄など利用した肥料があり、珪酸質肥料、石灰肥料、含鉄資材等として活用されている。高機能鉄鋼材料鉄鋼材料は、自動車、家電、建材、土木資材等として身の回りに溢れているが、すべてが、それぞれの用途に必要な特性(強度、強靭性、耐食性、加工性、耐摩耗性等)に応じて成分や金属組織を作り分けている。この中で、特に高い特性を持ったものの総称が高機能鉄鋼材料で、日本でしかできないものも多くある。酸化物の無害化鉄鋼材料には不可避的に数十ミクロンから数ミクロンの酸化物粒子が混在しており、これを介在物と呼んでいる。この酸化物は圧延や加工の時に疵等の欠陥を生じさせたり、疲労破壊や腐食の起点になったりする。酸化物をすべて除去する事はできないので、それが無害になるように組成をコントロールする必要がある。効果があること分かってきたスラグ肥料ですが、副産物なので肥料としてベストな品質がわかっていない状況です。スラグの中の何が影響して好結果になっているか、科学的に検証中です。農学関係の専門家とプロジェクトを組んで研究を進めています。TAGEN FOREFRONT 34