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概要

TAGEN FOREFRONT 03

TERM INFORMATION 冷却材の喪失により原子炉燃料が溶融し、原子炉構造材や制御棒と共に冷えて固まった「燃料デブリ」は、圧力容器内や格納容器下部に存在していると考えられています。この燃料デブリを安全に効率よく回収し処理・処分するにはどうしたらいいか? 「燃料デブリの特性を把握し、適切な取り扱い方法を検討する必要があります。今回は海水が原子炉内に注入されたことから、燃料デブリを複雑なものになっていると考えられます」。高温状態の核燃料に海水を含む冷却水が接触し、発生した燃料デブリ中には、主にウランおよびジルコニウム酸化物相と、鉄ージルコニウム合金 相からなり、ここに、プルトニウムや核分裂生成物(FP)、ネプツニウム等マイナーアクチノイド(MA)といった成分が混在していると考えられています。 「今後、圧力容器を開封し、また、格納容器内に生成した燃料デブリ処理を行うことが予定されているものの、燃料デブリに関する情報は極めて少ない状態です。デブリ処理に関わる基礎研究が不可欠であり、人材育成と施設管理体制の維持が必要と考えています」。福島原発事故に係る研究活動環境修復への支援活動 佐藤研究室ではさらに、福島第一原発事故に関して河川、土壌等の放射能測定環境汚染評価や、水田、果樹園等現地における除染試験を行い、環境修復への支援活動を行っています。 「南相馬に水田を借りて、田植えと稲刈りをして玄米や精米の放射能を図り、どれだけの放射性セシウムが移行したかを調べています。10%程度が移行すると言われていますが、我々の実験では1%以下という結果が得られています」。 原子力学会クリーンアップ分科会の活動として、福島県南相馬市における水耕栽培実証試験を行い、カリウム施肥やゼオライト添加の効果を調べるとともに、土壌からの玄米への放射性セシウムの移行について評価しています。結果は・玄米、精米ともに食品基準値(100Bq/kg)より低い値・施肥によりやや放射性Cs濃度が低い傾向・土壌から玄米への移行は1%以下、という結果になったと言います。 「今後も継続的に調査を行い、環境修復への支援活動を行っていきたいと考えています。そのためにも持続的な技術開発のために人材育成と体制づくりが不可欠だと思っています」。今後、燃料デブリ処理を行うことが予定されているものの、燃料デブリに関する情報は極めて少ない状態だと言います。デブリ処理に関わる基礎研究が不可欠であり、人材育成と施設管理体制の維持が必要だと佐藤研究室では考えています。マイナーアクチノイド周期律表において、欄外にあるアクチノイド元素の中で、核燃料であるウランやプルトニウム以外に原子炉にて生成される主要なアクチノイドとして、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウムを含めた名称。核分裂生成物ウラン-235などを中性子により核反応させた場合、質量数が95付近と140付近に非対称に分裂して発生する核種を示し、前者ではストロンチウム-90やジルコニウム-95が、後者ではセシウム-137やヨウ素-131などが存在。レアメタル・レアアースレアメタルは埋蔵量や、生産量、使用量において希少あるいは偏在する金属であり、リチウムやインジウムなどハイテク産業に不可欠な元素。レアメタルの中で、磁石に不可欠なジスプロシウムなどランタノイド等が対象。揮発分離・溶融塩電解ニオブやタンタル、白金などのフッ化物や塩化物には揮発性を有するものが多く、蒸気圧差を利用した揮発分離が可能。一方、水溶液電解が難しいレアメタルについてはフッ化物や塩化物の溶融塩電解により金属製造が可能。低温硫化、酸溶解レアアース等の酸化物について、二硫化炭素混合下においてメカノケミカル処理により低温で硫化することができ、続いて硝酸等を用いて、硫化物を選択的に溶解し、酸化物を分離・回収するプロセス。福島第一原発事故に関して河川、土壌等の放射能測定環境汚染評価や、水田、果樹園等現地における除染試験を行い、環境修復への支援活動を行っています。カリウム施肥やゼオライト添加の効果を調べるとともに、土壌からの玄米への放射性セシウムの移行について評価しています。TAGEN FOREFRONT 28