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概要

TAGEN FOREFRONT 03

リウマチや乳がんの早期発見さらに工業分野等へも展開OFF TIME囲碁はいろんなものに通じているから面白いですね 単身赴任中で、なかなか自分の趣味時間が取れないですね。今やっている唯一と言っていいものが囲碁ですね。対戦型のインターネット囲碁です。なかかな面白いものですよ。気軽にできて、頭のリフレッシュにもなります。 囲碁は始めてからかなり経ちますが、いかに次を見据えて筋道を立てて有利にコトを運んでいくかという「戦略を立てる」部分で、いろんなものに通じるものだと思っています。 将棋はコンピュータが人間に迫る勢いですが、囲碁ではまだまだコンピューターが人間に勝てないようですね。相手との駆け引きが大切になる感覚のゲームなんですね。そのあたりの微妙な感覚と奥深さが好きですね。臨床応用を目指して埼玉医科大学・名古屋医療センターと連携 「まず応用分野として医療分野がありました。X線タルボ・ロー型干渉計を関節リウマチや乳がんの診断装置に適用することを目指して、埼玉医科大学と名古屋医療センターで研究が進んでいます」。 埼玉医科大学との共同研究ではリウマチをターゲットにしました。リウマチは関節軟骨が薄くなったり消失することによって強い痛みが生じ、日常生活に大きな障害を与えます。吸収コントラストによる従来のX線画像では、軟骨を映し出すことができませんでした。リウマチの画像診断としてはMRI が有効と言われていますが、装置の価格が高いことや、撮影時間が長く患者に負担をかけるという問題があります。「このような状況の中で、我々が開発したX線タルボ・ロー干渉計を活用して関節軟骨の画像を撮ってみました。関係者が驚きの声をあげるほど、鮮明な画像を得ることができました。X線タルボ・ロー干渉計の医用画像への適用可能性を示す第一歩となりました」。 名古屋医療センターとは、乳がんを対象に研究開発。従来のX線画像では確認できなかった乳がん部位の撮影に成功しました。乳がんは乳管内で発生し乳管内を進展、乳管壁を破って乳管周囲の間質に浸潤するため、乳管内成分を鋭敏に描出できる画像は早期がんの発見により貢献できる可能性があります。 「散乱画像から得られる情報は病理像での所見とよく対応しており、X線タルボ・ロー干渉計による診断装置が乳がんの早期診断に有用である可能性を示すものです」。 現在研究チームでは、リウマチ診断装置および乳がん診断装置の製品化に向けた開発を加速させ、日本発の新型X線撮影装置を世に展開することを目指しています。工業用非破壊検査法として応用の可能性を探る 我が国の製造業の競争力を高めるためには、品質の高いものづくりと生産の高効率化がポイントなります。これらを実現する上で、非破壊検査はとても重要な技術です。この非破壊検査にX線タルボ干渉計やX線タルボ・ロー干渉計が活かされようとしています。 「X線は非破壊検査に広く用いられていますが、従来の検査で得られるX線吸収像だけでは、電子部品内部の金属配線03FOREFRONT REVIEW埼玉医科大学に設置されたX線タルボ・ロー干渉計装置。関節軟骨を映し出す画期的な診断装置を研究開発。関係者が驚きの声をあげるほど、鮮明な画像を得ることができました。百生研究室にあるX線タルボ・ロー干渉計装置1号機。現在、関節リウマチと乳がんへの臨床応用を目指して、埼玉医科大学と名古医療センターにて臨床試験を行っています。非破壊検査などへの応用も期待されています。TAGEN FOREFRONT 21