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概要

TAGEN FOREFRONT 02

1962年、福岡県生まれ。九州大学大学院薬学研究科・修士課程修了。薬学博士。城西大大学薬学部 助手、九州大学薬学部 助手、九州大学大学院薬学研究院 助教授、2006年より現職http://www.tagen.tohoku.ac.jp/modules/laboratory/index.php?laboid=37多元物質科学研究所有機・生命科学研究部門生命機能分子合成化学研究分野 教授NAGATSUGI, FumiFOREFRONT REVIEW永次史新しい手法で生命現象を解明するIn Cell Chemistryを目指した有機化学 ヒトゲノム解析の終了が宣言され、様々な遺伝子情報が明らかとなった今、その機能に注目が集まっています。永次研究室では化学の力で生命科学を解き明かしていくこと(ケミカルバイオロジー)を目的に、細胞内の遺伝子発現を解明する化学的ツールの開発を目指し研究を行っています。 「生命の設計図」って何でしょう? この「生命の設計図」に例えられる遺伝子には、たったひとつの細胞から生命をスタートさせ生命活動を維持していくために必要な情報がすべて記録されています。細胞はこの遺伝子の情報をもとに、そこで必要とするたんぱく質を作り、生命活動を維持しています。 この遺伝子に異常が起こることで、がんをはじめとする様々な病気がおこることがわかってきています。永次研究室ではこのような遺伝子の発現機構を化学的に制御する方法の開発を目指して研究を行っています。 細胞内で遺伝子発現をコントロールする化学的方法として理想的なのは、標的の遺伝子があるときのみ活性化され、その機能を発現することです。 永次研究室では標的遺伝子があるときにのみ活性化されて非常に選択的に化学反応するインテリジェント人工核酸を研究開発しています。 これらの細胞内での遺伝子発現を解明する化学的ツールの開発は化学の力で生命科学を解き明かしていく、ケミカルバイオロジー研究に大きく貢献できると考えられます。 永次研究室では細胞内の遺伝子機能解明を行う化学的な手法の開発を目指し、遺伝子発現をコントロールできる機能性分子を独自に設計・合成し、さらに細胞内での機能及びその分子の動態を調べ、既存の分子ではできなかった新たな機能を持つ人工分子を開発することを目標に研究を行っています。 特に新しい機能を持つ分子を設計・合成する際に、常に細胞内での機能を意識しながら研究を進めることから、「In Cell Chemistry」という新しい分野への展開を考えています。この分野は化学と生物化学の融合が必要とされる分野であり、この中から従来にはなかった新しい科学が生まれてくる可能性があると考えています。02FOREFRONT REVIEWTAGEN FOREFRONT TAGEN FOREFRONT 11 12