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概要

TAGEN FOREFRONT 01

KURIHARA, Kazue東北の素材産業の発展を目指して「東北発 素材技術先導プロジェクト」栗原和枝1951 年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科工業化学専攻博士課程修了。工学博士。東京大学技官、テキサスA&M 大学科学科博士研究員、クラークソン工科大学化学科博士研究員、生産開発科学研究所学術員、界面化学研究所客員研究員、新技術事業団グループリーダー、名古屋大学工学部応用物理科助教授を経て1997 年東北大学反応化学研究所教授、2001 年4月より多元物質科学研究所(改組による)、2010 年より現職http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/kurihara/index.html 東北地方はナノテク・材料分野において先進的な地域であるということをご存じですか?電子部品・デバイス・電子回路などの分野に強みを持つ製造業。材料、光やナノテク分野において優れた研究成果を誇る大学。この地域特性をもとに、東日本大震災復興構想会議でも希望のテクノロジー分野と位置付けられています。 このナノテク・材料分野の研究力・技術力を基盤に、東日本大震災からの復興の推進力になることを目指して、「東北発 素材技術先導プロジェクト」(素材技術研究開発拠点形成事業)がスタート。東北大学が拠点となり平成24年度から5年間のプロジェクトとして始動しています。 ナノ界面化学研究分野を専門とする栗原和枝教授もこの東北発素材技術先導プロジェクトの中のひとつ「超低摩擦技術領域」に代表研究者として参画。ポイントとなるのは産学の強力な連携であり、被災地域の大学、公的研究機関、産業の知見や強みを最大限活用し、地域が一体となった「知と技術革新の拠点機能」を形成することを目指しています。世界最先端の技術を活用した先端材料を開発することにより、東北素材産業の発展を牽引することが期待されています。 栗原教授が専門とする摩擦学である「トライボロジー分野」は東北大学加藤康司名誉教授が2007年に日本学士院賞を受賞するという実績を持ちます。ナノレベルの計測技術や量子化学計算を基盤とする摩擦研究が展開されていて、学術分野にとどまらず民間企業との共同研究も活発。従来からのトライボロジー分野の枠にはまらない研究が密接な連携のもとに集積しています。今回のプロジェクトで推進される機械分野と材料・ナノテクの融合は、トライボロジーの研究における新しいアプローチとして期待されています。東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AIMR)教授・主任研究者多元物質科学研究所 ナノ界面化学研究分野 教授 物質が小さくなると、界面が増えます。界面の特性を極めることが、新しい物性科学のブレイクスルーになると期待されています。 栗原研究室のキーとなるテクノロジーはナノレベルでの表面力測定法。表面や界面の分子レベルでの構造や物質・分子間の相互作用を測定し、具体的に理解することにより、新しい物性研究分野を拓いています。装置の高度化や新しい装置の開発を行い、分子論に基づく新しいナノ界面基盤技術の構築を目指しています。