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概要

TAGEN FOREFRONT 01

規則性ミクロ多孔性炭素「カーボンナノジャングルジム」は水素吸蔵に好都合。キャパシタなどエネルギー貯蔵材として利用できると期待されています。カーボンは軽量で、導電性があり、腐食にも強く、そして高強度といろいろな特筆すべき特徴があります。これから様々な分野に応用できると期待されています。ナノ構造を変えるだけで千変万化な可能性が生まれてくる世界一の表面積を持つカーボンナノジャングルジムの創製未来に向けて可能性が広がるカーボンナノ素材カーボンナノジャングルジムを何に活用するか?温泉で過ごすのが好きですね。自然の中で癒されます。 オフタイムは奥さんと温泉に行くのが多いですね。研究のことをすっかり忘れて、研究とはまったくちがうことに時間を使いたいと思っています。 東北、近場に温泉がたくさんあっていいですね。大自然に囲まれた秘湯や、ひなびた湯治場風情が漂う温泉街など、東北にはいい温泉が多いですね。 よく行くのが遠刈田温泉。あと、東北の草津と言われる「山形蔵王」など。確かにいい泉質をしていますね。 もう一つは自宅でペットと戯れることです。チワワとトイプードルを室内で飼っていて本当に可愛いですね。私が帰宅して一番喜んでくれるのが二匹のペットです。ゼオライトは結晶性アルミノシリケートの一種であり天然にも存在する。構造の違いにより、100 以上の種類が存在する。Y型ゼオライトは比較的大きなナノ細孔をもつため、鋳型として利用できる。 電気二重層キャパシタはイオンの物理吸着を利用して電気を蓄えます。二次電池と比較して容量は小さいものの、急速充電が可能、高出力、長寿命といった利点があります。 「カーボンナノジャングルジムは比表面積が約4000 m2/gもあるため、物理吸着により大量の水素を吸蔵します。30 ℃、34 MPa(約340気圧)での水素吸蔵量は2.2 wt%に達します。これはカーボン材料としては世界一の値です。また、カーボンナノジャングルジムは、従来の電極物質である活性炭とは異なり、充放電速度を大きくしても容量が低下しないことがわかっています。新しい電気二重層キャパシタの材料として期待が高まっています」。 燃料電池自動車用の水素貯蔵材料としては、5~6 wt%の貯蔵量が必要とされています。京谷研究室では、カーボンナノジャングルジムをベースとして、ここに水素貯蔵量を促進する第3成分を添加することで、さらなる吸蔵量の増加を目指しています。 「炭素とダイヤモンドは同じ炭素原子からできています。構造が違うだけで全く異なる特性を持っています。とても興味深いですね。千変万化なところに惹かれています」。 今宇宙開発の世界で話題を呼んでいる「宇宙エレベーター」。地球と人工衛星との間に作られるエレベーターで、鋼鉄の50倍以上の理論強度を持つ「カーボンナノチューブ」のケーブルを伝い、30人乗りのかごが、高度3万6000 kmのターミナル駅まで1 週間かけて向かうという夢のような話です。SF小説に描かれてきましたが、1990年代にカーボンナノチューブが発見され、建設可能ではないかと建設業界の中でも話題となり、現在、米航空宇宙局(NASA)なども研究を進めていると言います。 「カーボンは原子番号がたったの「6」、つまり軽い。それなのに、金属のように導電性がある。でも、金属とは異なり、酸や塩基などによる腐食には強く、飛行機の材料になるほど高強度です。さらに、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、炭素繊維、活性炭、カーボンブラック、ダイヤモンドなど多くの形態があり、本当に様々な分野に応用していくことが可能です。これほど未来に向けて可能性がある素材はそんなには存在しないのではないでしょうか?」 「このように構造を変えるだけで多彩な機能が生まれてくるカーボンですが、問題は精密な型を作れるかどうかにかかっています。自然物を使うということを考えています」。 当研究室では、規則的な3次元細孔を持つY型ゼオライトを鋳型として利用することで、ナノグラフェンが3次元規則連結したゼオライト鋳型炭素(カーボンナノジャングルジム)の合成に世界で初めて成功しています。 「ゼオライトは、規則的なチャンネル(管状細孔)とキャビティ(空洞)を持っていて、セシウムの吸着にも使われて話題にもなった素材です。鉱物としても産出し、自然が作り出した芸術品です。このゼオライトのチャンネルとキャビティの中にカーボンつめ、酸などで鋳型部分のゼオライトを溶かしてしまうと格子状のカーボンナノジャングルジムと呼んでいる構造体ができあがります。ちなみにカーボンナノジャングルジムという名前はその見かけから新聞記者の方が付けてくれたものです。このカーボンナノジャングルジムは様々な特性を持っています」。 カーボンナノジャングルジムはバッキーボウル(buckybowl)状のお椀状ナノグラフェンが3 次元的に規則連結した構造で、直径約1.2 nmのミクロ孔が3次元的に規則配列しています。そして、炭素材料として世界最大の比表面積(約4000 m2/g)とミクロ孔容積(約1.8 cm3/g)を有しています。 「カーボンナノジャングルジムの表面積は4000 m2/gもの大きさになる。これはたった3 g弱の量で東京ドームのグラウンド面積に相当し、間違いなく世界一表面積の大きな炭素材料です」。 このように作られた規則性ミクロ多孔性炭素「カーボンナノジャングルジム」はどのような形で活用することができるのでしょうか? 「この巨大な表面積と均一な穴が分子やイオンを蓄えるのに好都合なのです。水素貯蔵やキャパシタなどエネルギー貯蔵材としての利用が期待されています」。 キャパシタとは、「電気二重層」現象の原理を応用した蓄電池のこと。電気を電気のまま(化学反応なしに)充放電することが可能で、原理的には半永久的に使用することができます。Y型ゼオライト電池とは異なる原理で電気を蓄えるデバイス。英語(electric double layer capacitor)の頭文字を取ってEDLCとも呼ばれる。充電池に比べ圧倒的に充放電速度が大きくでき、かつ長寿命であることが特徴。ただし、蓄える事ができる電気の量は充電池の1/10~1/100 程度。電気二重層キャパシタゼオライトを鋳型として合成されるナノカーボン。フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンはそれぞれ0次元(球状)、1次元(直線状)、2次元(平面状)の構造を持つ炭素同素体であるが、カーボンナノジャングルジムは3 次元構造をもつ新しい炭素材料である。カーボンナノジャングルジムフラーレンは別名バッキーボール(buckyball)と呼ばれている。これに対し、フラーレンを半分に割ったような形のお椀状分子はバッキーボウル(buckybowl)と呼ばれている。バッキーボウル①水素吸蔵合金、②化学水素化物、③物理吸着材料の3 種類に大別できる。カーボンは物理吸着材料。①、②に比べて貯蔵できる水素の量は少ないが、水素を放出させるために加熱が不要であり、また繰り返し利用しても劣化が殆ど無いなどの利点がある。水素貯蔵材料軌道エレベーターとも言い、静止軌道上にある人工衛星と地上を直接ケーブルで繋ぎ、これを伝って宇宙と地上との間で物資を移動させようという仮想的な発想。ケーブルには超高強度が求められる。カーボンナノチューブは有力な素材と考えられている。宇宙エレベーターカーボンナノジャングルジムの表面積は4,000 m2/g。これはたった3 g弱のカーボンナノジャングルジムで東京ドームのグラウンド面積に相当します。規則的な3次元細孔を持つY型ゼオライトを鋳型にすることでナノグラフェンが3 次元規則連結したゼオライト鋳型炭素(カーボンナノジャングルジム)の合成に世界で初めて成功しています。