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概要

TAGEN FOREFRONT 01

中村研究室にある様々な最先端な検査機器。これらの機器を駆使し、一連の操作の中でいかにすべての資源を効率良く回収できるかを研究しています。東北地区での産業化を視野に入れプラントづくりまでの研究支援溶かして析出させる「化学分離技術」の開発循環型社会のベースとなるシステムを作っていきたい要素技術をトータルに構築してプラント化の支援を海外に行った時など、美術館めぐりをするのが好きですね。 美術館で絵を見ることなどが好きですね。近い所だと宮城県立美術館。有名な画家の絵が来た時はかなり積極的に出かけていきます。 海外でも時間があれば、有名な美術館があれば見にいきます。よく行く美術館と言えば、ウィーン美術史博物館。かつてのハプスブルクの宮廷美術館で、ヨーロッパ絵画の流れが分かる美術館です。世界で最も重要なコレクションを収蔵する美術館のひとつではないでしょうか。それ以外にも現代的なものを集めた美術館もあり、美術館巡りなどもします。 個人的に好きなのはニューヨークメトロポリタン。古代から現代アートまで、幅広い年代の世界のアートを展示しています。国際会議や大学訪問の時の楽しみにしています。原子は原子核と電子で構成されており、電気的に中性を保っている。ただ、水溶液中、プラズマ中では、電子を供出したり、授与しながら電気的中性を破り、電荷を持つ状態が取れる。そのときの状況をイオン化するという。イオン化することで、元素を分離、濃縮が可能となる。 中村研究室では、一連の操作の中でいかにすべての資源を効率良く回収できるかを研究しています。総合的なシミュレーションにより、要素技術が最適化され、それを組み合わせることにより、大きなシステムが生まれます。その要素技術により生まれたシステムを応用技術にするためのディスカッションを企業も交えて行っています。 「研究室で開発された要素技術を企業レベルに持っていくためには、またひとつ次のステップが必要になります。研究室で確立したプロセスをそのまま実際のプラントに持っていこうとしても、大きさが違うだけでギャップができてしまいます」。 「現在参加している企業の中にも全体的な銅とか貴金属を回収していた企業がいます。実際に現実的に動いているプロセスがあります。レアメタルはやっていないので、今回の研究でレアメタルを回収する仕組みを組み込むことで現実的なプラントが生まれると思います。実用プラントは企業でやっていただきますが、その直前までの橋渡しは大学の方でやるというように考えています」。 プラント技術が構築すると、このノウハウ自体に経済効果が生まれます。まずは、東北から始め、全国展開、海外展開をしていくことにより、新たな経済波及効果が生まれてくると期待されています。 この「希少元素高効率抽出技術」が確立することにより、レアメタルの循環システムが確立すると、経済効果はどれぐらいになるのでしょうか? 小型家電の中に含まれて金属資源は年間800億円が捨てられているという状況です。そのうち市町村で回収できる1/3ぐらいあります。さらに精製・回収システムにより1/3の回収ができる見通しです。80億円ほどの経済効果があるという計算になります。 「資源が枯渇したとき循環型社会のベースとなるシステムを作ることはとても重要です。また廃棄物処理を兼ねているもともとお金がかかっているだからこそ自治体が協力してくれるわけです。処理と資源循環そのための技術を確立が急務です」。 我が国のハイテク技術を今後を担うとも言える希少元素高効率抽出技術。東北大学を中心として産業化までを視野に入れた「抽出・分離」分野、量子化学分野、反応解析分野の連成による「元素循環システム確立」に向けた研究が進んでいます。 物理選別をしたものをさらに化学的に金属を取り出すものが「化学分離技術」です。  化学分離の方法はいろいろありますが、中村研究室ではレアメタルが入った素子を有機溶媒で溶かし、その溶液を電気分解することによりレアメタルだけを析出させる方法を研究してます。 「通常の有機溶媒はイオン化していないですが、特別なイオン化できる有機溶媒を使ってレアメタルを溶かして電気分解します。なぜ、有機溶媒を使うかというと、例えば水の入った溶液で溶かすと、金属より先に水素が出てきてしまうわけです。水の入っていない有機溶媒だと水素を出さずに金属を析出することができます」。 中村研究室ではさらに溶融塩を使う手法も研究しています。塩は600℃ぐらいで水が無くてもそれ自身で溶けます。イオン性ですから金属を溶かしやすく、電気分解しても水素の出方が少ないという特質があります。 「レアメタルとイオン液体の組み合わせは無限にあります。これを闇雲に混ぜて実験していたのでは切りがありません。どのイオン液体がいいかを計算によりシミュレーションして絞り込んでいきます」。 中村研究室では、高度なシミュレーション技術を通してより最適化されたトータルなプロセスを構築していきたいと考えています。 「電気製品の中には、レアメタルだけが入っているわけではありません。銅やプラスチックというものを回収しないことにはリサイクルの前提が成り立たないわけです。レアメタルを回収することも重要ですが、機器を解体した際に出る大量のプラスチックを処理することまで考える必要があります」。イオン化イオン化した液体もしくは固体に直流の電気を流し、カソード(負極)で金属や水素などを析出、陽極(アノード)でその対となっている酸素やハロゲンなどを析出させることをさす。例えば水にイオン解離しやすい塩を溶かし、直流電気を流すと水の電気分解で水素と酸素がそれぞれ析出する。電気分解有機化合物でできた溶媒。溶媒とは種々の物質を溶解することができる媒体をさす。一般にベンゼンとかトルエンなどは典型的な有機溶媒でこの中に種々の有機化合物が溶解する。また、その有機化合物が得意な金属元素と結びつき、金属元素の選択的な溶解に利用される。有機溶媒融けた塩。この場合、水に溶けているのではなく、その物質自体の溶融温度以上の温度で溶融状態になっている塩類をさす。多くはNaClやNaFなどハロゲン化物が多いが、必ずしもハロゲン化物に限ったものではない。レアメタルを還元する場合、水溶液からは電解析出ができないので、水が含まれない溶融塩に目的イオンを溶融させ、電気分解を行うことが多い。溶融塩実際に工業的なスケールで単位操作のできる装置を組み立てる技術。それぞれ、小さなスケールの要素技術で開発したものも、実際に商業的に成立するレベルの大きさで運転するには、個々の単位操作の技術を利用して大型のプラントを作り、動かさなくては実用化できない。この場合は、単に実験室のレベルの装置の大型化だけではできない要素も多々ある。プラント技術種々の物質を一次資源からのみ供給することなし、一度使用した使用済み製品からもリユースやリサイクルによって部品、素材の再利用を行う社会。それによってエネルギーの削減(CO2発生の抑制)、一次資源開発時の廃棄物発生の抑制につながり、資源の枯渇、環境の保全に大変有効な社会となる。持続的な発展を実現する一つ手段である。循環型社会循環型社会のベースとなるシステムを作る。「希少元素高効率抽出技術」プロジェクトのメンバーの研究により、未来の資源循環のための技術確立が期待されています。物理選別をしたものから化学的に金属を取り出す「化学分離技術」。レアメタルが入った素子を有機溶媒などで溶かし、その溶液を電気分解することによりレアメタルだけを析出させるプロセスを研究してます。研究室で開発が進む様々な要素技術。企業とも連携を取り、産業化もできる応用技術にまで高めていくことを目指しています。